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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

化石は、身近なロマンだ。「日本全国化石採集の旅・完結編―いつまでも化石が僕を呼んでいる」  

日本全国化石採集の旅・完結編―いつまでも化石が僕を呼んでいる
大八木 和久



先日、目星をつけた川を訪れ、化石を探した。
おそらく大半は増水で流れたのだろうが、なんとかアンモナイトの一部を発見。
プラビトセラスPravitoceras sigmoidaleかディディモセラスDidymoceras awajienseの一部と思われる。
化石 IMG_2678.jpg
ほんの5cm弱の破片だが、パカッと割った瞬間、白い殻が現れた時は嬉しかった。

昨年10月にも見つけているが、保存状態としては今回の方が良い。
20171029斜め.jpg
(他の写真はこちらhttp://birdbookreading.blog.fc2.com/blog-entry-868.html)

これらの化石を産出する和泉層は白亜紀後期に形成されたことから、
少なくとも6600万年以上前に生きていた個体である。時の長さに驚くばかりだ。

さて、僕は全く化石好きの知り合いもおらず、一人で四苦八苦しながら探している程度だが、
各地では、多くの化石好きが、それこそ日本各地を探訪している。
各地域ごとに産出する化石は異なり、それを見つけ出し、自身の手で発掘する。
その時の喜びは、実際に体験した者でないと分からないだろう。

かように、実は日本でも身近なところに化石があり、
それを知ることは日本の地史を学ぶことでもある。
本来であれば、日本の化石は日本列島を学ぶ上で非常に重要な教材である筈だが、
なぜか、そうした視点で紹介されることは、ほぼ無い。

ティラノやトリケラといったメジャーな恐竜が印象的で、
ついつい化石は国外で発掘され、それを博物館で見るものと思いがちだが、
日本各地で産出する化石を見れば、まだまだ日本の先史時代も、
世界と同じく魅力的であることに気付くだろう。

本書は、そんな化石に魅入られた著者の、日本各地での巡検記録だ。
巻頭では、収録された巡検地の写真や、採集された化石の写真も数多く収録。
これを見ているだけで、ワクワクしてくる。

また「完結編」と銘打っているとおり、この前に正・続の2冊が刊行されているほか、
産地別日本の化石800選―本でみる化石博物館」(未読)など、そのコレクション等を紹介する本も刊行されているなど、
日本の「化石屋」として、先達の一人と言えるだろう。

収録されている巡検の記録は、リアルそのもの。
簡単に見つけ出す日もあれば、
何時間も彷徨っても収穫がない日もある。
たくさん見つけて喜ぶ日もあれば、
譲ったノジュールから素晴らしい化石が出て悔しがる時もある。
だが、その全てに共通するのが、どんな小さな化石も疎かにしないスタンスと、仲間と楽しむ姿だ。

また、博物館では、その土地近辺で発掘した化石を見やすく展示すべきだ、という持論が随所で展開されるが、
ちょうどこの頃、著者は滋賀県多賀町の博物館建設に携わっている。
現在の多賀町立博物館ホームページを見ると、
本書でもたびたび登場する「権現谷」の化石コーナーがあることが、わかる。
いつの日か、ここを訪れてみたいものである。

化石発掘地、方法、採集量など、もちろん現在と同列に語ることができない点も多く、
本書通りの採集は、現時点では難しいだろう。
だが本書を契機として、自身が住む地の地史に興味を持つ人が生まれ、
そして日本の化石に興味を持つ人が増加すれば、化石産出地の乱開発等も減少するのではないだろうか。

いや、そんな話しは抜きにして、この楽しい旅をぜひ楽しんでいただきたい。

【目次】
化石採集の歓び
第2章 達人への道 
1 推理とインスピレーション
2 執念のクリーニング

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