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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

古文書が示す、知られざる日本。「日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)」  

日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)
磯田 道史



本書でも実例を上げて触れられているが、
江戸時代の日本人の識字率と出版文化は、世界でも突出したものがある。

「読み書きそろばん」という言葉があるが、
多くの一般人が「読み書き」できれば、
自身の記憶や学びを文字として残すことができることになる。

ただ残念なことに、明治維新により導入された現在の活字文化は、
江戸時代以前の文字を読むことを困難にしてしまった。

すなわち、日本列島に住む人々の識字率は高い水準で持続しながら、
明治以前・以降という一時期を境として、
扱う字が全く異なるという、極めて不可思議な国が出来上がったのである。

そのため江戸時代以前の文書、いわゆる「古文書」については、
それを「読む」ために特殊技能が必要になってしまったのである。

このため地方の各家において、先祖代々の文書が膨大に遺っているにも関わらず、
一般人には読めないという状況になっている。

だが、江戸時代以前の人々が残した文書は、膨大である。
それを読むことさえできれば、まだまだ知られざる歴史の真実が埋もれているだろう。

それを解消してくれる人として、昨今人気を博しているのが著者である。
そもそも古文書を読みたいという欲求からこの世界に入っただけあり、
本書でも随所に「古文書マニア」というべき行動がある。

だがそのおかげで、本書のような抜群の歴史本が刊行されるのだから、
有り難い話である。

本書は5章に分けられているが、時代別というよりはテーマ別・関連別。
どの章・どのエピソードから読んでも良いが、
古文書の魅力を堪能するには、やはり順を追ったほうが良いだろう。

また本書の楽しさは、実は古文書に留まらないところにある。
実際の発掘現場での状況との一致、
NHKの大河ドラマとの関連、
司馬遼太郎に影響を与えたかもしれない人物の話等、
古文書と「現在」が直結している点に、他書に無い魅力がある。

僕が最もわくわくしたのは、江戸時代の隕石の話。
古文書から落下地点を割だし、
実際に著者はその地に足を運んでみる。

その結末は本書を読んで楽しんでいただきたいが、
古文書が存在しなければ、そして存在していても読めなければ、
こんなワクワクは楽しめない。

本書はベストセラーとなったが、さもありなん。
読みやすく楽しい。
著者の本はこれまで食わず嫌いだったが、これから追いかけていこうと思った次第。

【目次】
第1章 古文書発掘、遺跡も発掘
第2章 家康の出世街道
第3章 戦国女性の素顔
第4章 この国を支える文化の話
第5章 幕末維新の裏側
第6章 ルーツをたどる
第7章 災害から立ち上がる日本人
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