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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

長い年月を超えたモノのみが持つ美しさ。「いにしえの旅―九州国立博物館収蔵品精選図録」  

いにしえの旅―九州国立博物館収蔵品精選図録
九州国立博物館



九州国立博物館の優品について、カラー写真と共に紹介したもの。
元が新聞紙上での連載だったこと、
また書き手も様々であることから、一貫した収蔵品紹介というよりは、
それぞれの品にまつわるエッセイ的なものとなっている。

考えてみると、国内の公的博物館・資料館に収蔵されている品は、
膨大な数に成るだろう。
それらの博物館の立地、展示スケジュール等を考えれば、
僕らは生涯に見られる収蔵品は、極めて僅かである。

「収蔵品目録」もあるものの、それは一般人が気軽に購入することは少ないし、まして地域外の博物館の目録が、近所の図書館に配架されることはない。

しかし、それらの収蔵品は、まさに「収蔵する価値」があるものだ。
その理由やバックボーンを知ることは、
一般人の知的好奇心や知識量のベースアップを図るためにも重要だろう。

であれば、こうして一館の誇る品について、
手軽に概観できる冊子というのは、もっとあって良いはずだ。

さて、本書に収録された収蔵品をいくつか紹介しておく。

「突線鈕袈裟襷文銅鐸」
出土状況は不明だが、高さ110cm、鈕の部分には円状の飾りが3つ、
両側には半円状の飾りが各6つある、豪華な銅鐸である。

実はこれが、尾張徳川家の下屋敷であった戸山屋敷を描いた絵図に描かれた、
庭にぶら下げられた銅鐸と同一ではないか、という推測がなされている。
確かに絵図の形状との一致、
そして実際の銅鐸にも無理に吊り下げられたらしき跡があり、可能性は高く見える。
こうした複数の史料が合致していくのは、楽しい。

「太刀 銘 来国光」
刀については、いつか詳しくその歴史や名刀、刀工について知りたいと思いながら、
良い本との出会いが未だない。
さて、この刀も現状は80.7cmだが、当初は90cmあまりであったという。
それを短くしていく理由と過程、それによる形状変化による利用面・美的面での変化等、
刀剣界では常識なのかもしれないが、より詳しく知りたいものだ。

「銅戈鎔笵(どうかようはん)」
弥生時代の銅器の一つとして、よく教科書等でも眼にする銅戈。
その鋳型である。
造られた銅器は複数有っても、鋳型は一つ(一組)。
それが残り、発見されるのは極めて珍しいだろう。
こうした、過去の「日常」を見られるのは、楽しい。
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category: 歴史

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