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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

殷王朝以前の源流を探る。「NHKスペシャル 中国文明の謎―中国四千年の始まりを旅する (教養・文化シリーズ)」  

NHKスペシャル 中国文明の謎―中国四千年の始まりを旅する (教養・文化シリーズ)
NHK「中国文明の謎」取材班



2012年10月~12月に放送された「NHKスペシャル 中国文明の謎」。
https://www.nhk.or.jp/special/china-civilization/
本書はそのガイドブックとして刊行されたものだ。

NHKスペシャルの有り難いところはこういう点で、見過ごした番組、興味関心が在る番組について、
活字媒体でも入り口を設けてくれるところ。
その時点で取材可能な到達点―必ずしも最先端でも主流でない場合もあるとしても―がいつでも文献として残るというのは、やはり良いものである。
これまでも「世界を救った医師―SARSと闘い死んだカルロ・ウルバニの27日 (NHKスペシャルセレクション)」(レビューはこちら)などを楽しんできたが、その延長として本書に期待したところである。

大きなテーマは、中国文明の源流であり、
第1集では中国の史書に記された最古の王朝である、夏王朝について。
その出土品もさることながら、この時代、ウシとヒツジを飼育していたことが重要であるという。
食糧を積んだ荷車をウシに牽かせ、またヒツジを何百頭と連れて行くことで、大規模な軍隊の長距離遠征が可能となった。
これが統一王朝の基盤にも影響しているというのである。
なお、ウマの導入はこれよりも遅く、これによって殷代に更に戦争の規模が拡大したらしい。

第2集では、漢字の誕生。時代は殷や周。
まず殷の時代に、呪術に用いるために甲骨文字が生み出されたが、
次の周の時代においては、異民族を支配するための意思疎通手段として、表意文字の漢字が生み出されたという。
なるほど実際に、日本も「漢字」があったからこそ、各時代の中国文化を導入し、また理解できたのだろう。

そして第3集では、「始皇帝の野望」として兵馬俑を取り上げる。
ただこれについては、後の「NHKスペシャル アジア巨大遺跡 始皇帝陵」がより詳細であり、同様に「NHKスペシャル アジア巨大遺跡 兵馬俑・バガン・縄文・アンコール (教養・文化シリーズ)」(レビューはこちら)も刊行されているところだ。

このように本書は、古代中国のターニングポイントを概観するには良いのだが、
やや全体的にボリューム・深さともあと一歩欲しい感があるのが、ちょっと残念。
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