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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

この一冊で全てが分かる。「オオグソクムシの本」  

オオグソクムシの本
森山徹



以前、5年絶食していたダイオウグソクムシが話題となって記憶があるが、
そのお仲間で、より身近なのがオオグソクムシ。
どれくらい身近かというと、楽天で買える(2018.5現在)。


あと、焼津市へのふるさと納税で貰える。
https://www.furusato-tax.jp/product/detail/22212/368585

また、動画を検索してみると、生体よりも「食べてみた」という映像が多い。日本人って…。

ともかく、巨大なダンゴムシ的風情があるが、実際は甲殻類。
世界に18種が存在し、うち8種は体長500mmまでの超巨大種である。

また、ダイオウグソクムシやオオグソクムシは二つの黒い眼が可愛いが、
中にはそれらが一つになったメナガグソクムシやブユノメグソクムシなどもいる。

その中でも、オオグソクムシ属は世界中に分布し、
中でもオオグソクムシは日本の江の島付近で採集された個体がタイプ標本と、
極めて日本に縁が深い種なのである。

そのオオグソクムシについて、
とにかく知り得る全てを網羅したのが、本書。
外観では、その脚の構造、腹部などの各節の解説はもとより、
遊泳の様子、産卵(腹にできる覆卵葉という器官に産む)など。
内側では、実際の解剖写真を用いながら消化器や心臓など、
これでもかと細かい部分まで紹介される。
生殖方法、神経系に関する知見も詳しい。

かと思えば、過去のオオグソクムシ研究史を紐解きながら、
その時々に解明され様々な生態も解説。

また、オオグソクムシは巣穴を掘るが、それもフラットな底ではなく、
何らかの物体が在る環境、
自然環境でいえば鯨骨があるような環境でこそ、落ち着いて深い穴を掘るといった点を解明するまでの試行錯誤の数々等、とにかくオオグソクムシについて知り得る全てを網羅しておこうという意気込みに溢れた一冊である。
その上で、巻末には引用文献の一覧もついていて、
原著論文にあたりたいという奇特な方への配慮もばっちり。
おそらく今後、オオグソクムシについて知りたいと思う場合には(どんな場合だ)必須の書である。

【目次】
第1章 入手―長兼丸乗船記
 ファースト・コンタクト
 出立
 対面
 出航
 漁果
 本命
 乗船後記
第2章 オオグソクムシのかたち―その外側と内側
 魅力
 価値
 分類
 その外側
 その内側
第3章 研究―オオグソクムシ・フリークたちの足跡
 歴史
 分布
 循環系
 成長、繁殖、栄養摂取
 化石
 行動
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category: 甲殻類

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