ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

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ロビンソンの足あと 10年かけて漂流記の家を発見するまで  

ロビンソンの足あと 10年かけて漂流記の家を発見するまで
高橋 大輔
【知的冒険度】★★★★

ロビンソンの足あと 10年かけて漂流記の家を発見するまでロビンソンの足あと 10年かけて漂流記の家を発見するまで
(2010/04/22)
高橋 大輔

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ネアンデルタール人 奇跡の再発見」もそうだったが、
自分が知らない「失われたもの」があり、
それが「再発見」される過程というものは、とてもワクワクする。
本書に出会えたのは、ほんとうにラッキーだった。

あの漂流者ロビンソン・クルーソーに実在モデルがいて、
その住居跡を、一日本人が、特定した。

なんと興奮する物語だろう。


ロビンソン・クルーソーのモデルとなったのは、アレクサンダー・セルカーク(1676or1680-1721)。
筆者は南米チリ領の島で、外国人の素人ながら、様々な個人・団体の支援を受け、
ついに住居跡と思われるものを発掘する。

発掘そのものだけでなく、
発掘作業ができるようになるまでにも幾度と無く発生するトラブルに対して、
筆者がなんとか乗り越えていく様は、まさに「探検」である。

また、ナショナル・ジオグラフィック協会や、探検家クラブなどの諸団体で後援を受ける経緯なども紹介されている。
「ナショナル・ジオグラフィック」誌を飾る探検家の裏話を聞くようなものであり、興味深い。

実現した「夢物語」を読みたい人には、ぜひお勧めである。

【目次】
プロローグ
第1章 ニューヨークで夢を
第2章 探検のスタートライン
第3章 サンチャゴの夏
第4章 ロビンソンの島へ
第5章 発掘
第6章 失われた古道
第7章 一六ミリの発見
第8章 検証
第9章 希望の家
エピローグ

P19
ロビンソン・クルーソーに実在のモデル
アレクサンダー・セルカーク(1676or1680-1721)
 スコットランド人、
 1703年、キャプテン・ウィリアム・ダンピアが率いるプライベティーヤ(私掠船による海賊)に加わり、サンク・ポーツ号に乗り込む。マスター(航海士)だったと考えられる。
船長のトーマス・ストラドリングとそりがあわず、
南米チリ領のファン・フェルナンデス諸島のファン・フェルナンデス島(現在のロビンソン・クルーソー島)で船長ともめ、自ら船を降りると言い出した。
直前に翻意したがそのまま置き去りにされ、4年4ヶ月無人島で生活した。
1707年2月1日、キャプテン・ウッズ・ロジャーズに率いられた英国船(デューク号とダチェス号)が水・食料の補給のため立ち寄り、セルカークを救出。
しかし、島のどこで暮らしていたかは分かっていなかった


・同時代の資料
救出した キャプテン・ウッズ・ロジャーズによる「世界巡航記」(1712)
キャプテン・エドワード・クック「南洋および世界周航記」(1712)
セルカークにインタビューしたジャーナリスト、リチャード・スティールのエッセイ「英国人」(1712)

・デフォー「ロビンソン漂流記」(1719)、「その後の冒険」(1719)、「反省録」(1720)
カリブ海の島に漂着した設定、赤道直下なのにヤギの毛皮を着ている=実際の記録を使った、
南海貿易促進のための、舞台をカリブ海にしたのではないか


P51
・ナショナル・ジオグラフィック協会の探検応募
探検の要旨を5p以内にまとめ事前審査、目的、日程、予算、メンバー、どのようなストーリーが描けるか
事前審査を通過すると、本審査
 詳細な計画書、地図、見積書、メンバーの履歴書、有識者からの推薦状等
支援を受けられることになれば、グランティ(探検支援資金受給者)とな呼ばれ、
協会の探検隊を率いることができる
 
P98
「ロビンソン・クルーソー300年 探検プロジェクト」
300th Anniversary Expedition of Robinson Crusoe(EC-0193-04)
探検費用2万ドル支給のグランテイとなった


・島のアグエス・ブエナスにある石積みの建物
 上部構造はスペイン人によるもの、しかしその下に掘っ立て小屋の跡
2箇所の焚き火の跡、出土した16mmの青銅製ピン先(=当時の航海士がもっていたディバイダの先?)
セルカークの見張り台に近いこと、かつて古道カミノ・コロノがあったこと、
ASと刻まれた石があること、小川がセルカーク川と呼ばれていること。

p207
「ナショナル・ジオグラフィック日本版」2005年10月号に記事が掲載された。



P21
・アメリカの探検家クラブ
 三色旗(エクスプローラーズ・クラブの頭文字のEとC、コンパスのデザイン)
 審議会で意義や価値が認められると旗を貸し出す
アポロ計画、植村直巳の1978年の北極点犬ぞり単独行など

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2014.1.24追記

本書をご紹介したところ、さっそく読了記事をアップして下さいました。
ありがとうございます。
心地よいブログですので、ぜひご訪問ください。
北浦和コーヒーハウス 「『ロビンソンの足あと』 読了しました!」


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