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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

73編の独自の視点。「渡る世間は「数字」だらけ (講談社文庫)」  

渡る世間は「数字」だらけ (講談社文庫)
向井 万起男



エッセイの醍醐味は、自分には無い経験、視点、思考などを体験することにあるだろう。

そうした面で最も切れ味が鋭く、多くの支持を得ているのが、推理作家でもある森博嗣氏。
(例えば、「科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)」(レビューはこちら)。)

またこれまで読んだ中では、須藤 靖氏の著書も同様な独特さがあった。
(例えば「三日月とクロワッサン」(レビューはこちら)。)

本書著者の向井万起男氏は、宇宙飛行士である向井千秋氏の夫として、
その独特の風貌で話題となった。
そして、その「宇宙飛行士の夫」という珍しいスタンスからのエッセイ、
君について行こう―女房は宇宙をめざした」(レビューはこちら)はベストセラーとなり、
続編として「女房が宇宙を飛んだ」(レビューはこちら)も刊行された。

こうした点から、僕自身が執筆者としてはイロモノ的印象を受けていたのだが、
上記2冊を読めば分かるが、上質のエッセイストである。

飄々とした語り口、大リーグと宇宙飛行士マニア、そしてアメリカ文化に対する探究心。
そして、実際に自身で調査、確認し、独自の結論を導く明快さ。
前述の著者らと同様に、安心してエッセイを楽しめる一人である。

さて、本書は上記のような「宇宙飛行士の夫」という立場ではなく、
向井自身が気になった「数字」をテーマとしたエッセイを集めたもの。
一般的な厚さの文庫本に73編のエッセイを収録していることから分かるとおり、
各章はかなり短い。
それだけに、「ふとした思い付き」に端を発するものも少ないが、
それだけに日常で自分が見過ごしている「数字」の面白さを見せてくれる。

例えば、国際電話の「国番号」(日本だと「+81」と記載されるヤツ)。
その仕組みと歴史的な意味なんて、全く気にしたことがない。
けれども、向井氏の指摘を受けると「なるほどなぁ」と感心し、
次に、今まで疑問に思わなかった自分に気付く。

軽く読みながらフムフムと感心し、
独自の視点を気軽に楽しむ。そんな一冊。










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category: エッセイ

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