ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

ネアンデルタール人 奇跡の再発見 (朝日選書)  

ネアンデルタール人 奇跡の再発見
小野昭
【知的冒険度】★★★★



教科書でおなじみのネアンデルタール人。
それほど有名なのだから、たぶん発見当初から遺跡の保全も行なわれ、
きちんと研究されたのだろうな、と漠然と思っていた。

だが、そうではなかった。


1856年、ネアンデルタール渓谷の「小フェルトホーファー洞窟」で発見された人骨は、
ネアンデルタール人の模式標本となった。
ところがこの洞窟から出た土は捨てられ、洞窟を含むネアンデル渓谷そのものが、
石灰岩採掘で消滅した。

そして時代が流れ、どこに洞窟があったのかすら分からなくなっていた、という。

本書は、その洞窟を特定しようとする2人の学者の活動と、それがもたらした
奇跡の再発見の物語である。

なんと、2人が1997年に発見した骨片が、1856年発見のネアンデルタール人の模式標本の左大腿骨に接合(接合は1999年)した。これによって、洞窟の位置が確認できたのである。さらに同じく模式標本に接合する頭骨の一部も発見されたり、他のネアンデルタール人の人骨も発見できたという。

ここまでうまく行くのも珍しいが、なかなか興奮できる一冊であった。

なお本書の第2章と第3章は、現在のネアンデルタール人研究が端的にまとめられている。
他書では得がたい情報である。


【目次】
プロローグ
第1章 忘れたられたネアンデル渓谷
第2章 ネアンデルタール人骨の発見
第3章 ネアンデルタール人の生業と道具立て
第4章 追跡の開始
第5章 人骨標本をDNAの分析に
第6章 人骨出土地点を絞り込む
第7章 出土地点の再発見
第8章 発見場所の特定
第9章 新しい研究の地平
エピローグ

【メモ】
1983~85年 ケルン大学のG.ボジンスキー教授が洞窟の位置を特定するための発掘 失敗
1997年、ラルフ・シュミッツとユルゲン・ティッセン 別の場所で発掘を行なった
 2週間の発掘期間、第5トレンチで洞窟の壁が残っている部分を発見し、捨てられた堆積物の中から後期旧石器時代の遺物も発見(発掘はすぐ3週間延長が許可された)

関連記事
 このエントリーをはてなブックマークに追加

category: 歴史

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://birdbookreading.blog.fc2.com/tb.php/90-b2df13b2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

中の人

アクセス

RSSリンクの表示

最新記事

カレンダー

アクセスランキング

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム