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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

そう!地域によって激変するんだよ! 「しめかざり—新年の願いを結ぶかたち」  

しめかざり—新年の願いを結ぶかたち
森 須磨子



確か1998年から2000年までは、毎年末は九州に鳥を見に行っていた。
12月27か28日に出発し、深夜の松山観光港から、今は亡きダイヤモンド・フェリーで大分へ。
ジムニーに荷物を積んで、福岡・佐賀・熊本・鹿児島を走り回っていた。

そして例年、出水市ツル観察センターの駐車場で車中泊して年を越すのだが、
翌日以降に鹿児島を走っていると、自宅(香川)とは全く異なる「しめ縄」に驚かされた。
なんというか、「のれん」みたいなので、中央だけ「のれん」のぶら下がっているのが無く、
橙と裏白がある。
(「鹿児島 しめ縄」でググると、見られます。)

とても面白くて、最終年にはそれを購入。
香川で使っていたら、近所に人に不思議がられたものである。

で、鹿児島からの復路。
当時は高速がまだ延伸していなかったので、熊本までは一般道。
また、大分市内、愛媛~香川も一般道だが、
進むにつれて、面白いように「しめ縄」が変化した。

もう記憶は曖昧だが、鹿児島の「のれん」タイプ、
「のれん」が丸くなったの、纏まって一本になったもの。

これを記録していたら面白かったのになあ、と思ったのは最終年だったので、
手元には一葉の写真もない。

だが、「しめ縄」は各地で随分異なっていて、かなり面白いぜというのは、
頭の片隅に残っていた。

世の中は広く、同じことを考えた人がいたのである。
著者も「しめ縄」の魅力にとりつかれ、
日本各地の「しめ縄」「しめかざり」を記録していく。
それをいったん整理したのが本書である。

ハードカバーのしっかりとした造り、
多数の「しめ縄」は黒バックで鮮明に撮影。
図版解説には英文も併記と、
日本の楽しき風習を記録するのに素晴らしい一冊となっている。
 1章では様々な造形の紹介、
 2章では著者による探訪記、
 3章では「しめ縄」「しめかざり」の各部位の名称や意味、
作り方などを整理。
巻頭の、
 図解:「しめ縄」から「しめかざり」への造形的展開
 玄関用しめかざり形態分布地図
も分かりやすく、正月に県外に行く機会がある方は、
手元にあると楽しい一冊となっている。

なお探訪記にもあるが、
伝統的な「しめ縄」「しめがさり」のには、継者不足の問題もある。
スーパーで「しめ縄」を買うことが当たり前となっている現在、
本書のような多種多様な文化(これこそ文化だ)は、残念ながら失われていくだろう。

仕方ないと言うのも癪だが、少なくとも、
「自分の地元の「しめ縄」は、地元ならではのもの」
という自覚と誇りを持つことは必要だ。

本書は、その一助となるだろう。

【目次】
図解:「しめ縄」から「しめかざり」への造形的展開
玄関用しめかざり形態分布地図
1章 しめかざりのかたち
2章 しめかざり探訪
3章 しめかざりを知る
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