ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

強烈な美の眼差しが見出したオブジェの数々。「澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド」  

澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド
澁澤 龍彦



河出文庫で刊行されていた様々な澁澤龍彦の本。
黒魔術の手帖」とか「毒薬の手帖」とか「異端の肖像」などなど、
魅力的なオカルティックな世界について、
しかしオカルト論からではなく、西洋文化史の一側面として、
様々な文献を駆使して紹介してくれる澁澤氏の本は、中高生の頃には、非常に魅惑的だった。

フランス文学・美術史を踏まえた豊富な知識、一方でサド論などを含むエロティシズム。
かれこれ数十年本を読んできたが、
そういえば澁澤龍彦的立場を承継した文筆家は、たぶん居ない。

それほどまでに「異質な魅力」に溢れる澁澤龍彦の本。
残念ながら今、それぼと多数流通している様には思えないが、
本書は澁澤龍彦氏が収集した様々なモノについて、
澁澤氏が様々な本に書き記したエッセイを抜粋し、収録したものだ。

澁澤氏の美意識を、モノそのものと文章から楽しめる訳で、
非常にお得な一冊である。

髑髏模型、メノウ・オパール等の宝石類、
貝殻やウニの標本、異国のナイフや、時計、仮面。
単なる美しさだけでなく、妖しさを兼ね備えた数々の品は、写真を見ているだけで楽しい。
しかもそれらについて、澁澤氏自身が語ったエッセイがある。
ゆったりとした夜に、短く、濃密な読書ができるだろう。
またやっぱり澁澤氏だなあと感じてしまうのが、
貞操帯や四谷シモンの人形なども含まれているところ。
だが、昨今のように下品・下世話な興味ではなく、あくまで、そこに含まれる美を追究する。

モノそれぞれも美しいが、それを描く写真も味わい深い。
澁澤龍彦の魅力が凝縮された一冊として、書棚に残しておきたい一冊である。

【目次】
プロローグ
1 髑髏の巻
2 アストロラーブの巻
3 人形の巻
4 庭へ
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category: 美術

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