ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

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切っても死なない無敵の生きもの プラナリアって何だろう?  

切っても死なない無敵の生きもの プラナリアって何だろう?
宮崎 武史
【マイナー生物度】★★★☆

切っても死なない無敵の生きもの プラナリアって何だろう?切っても死なない無敵の生きもの プラナリアって何だろう?
(2012/11/28)
宮崎 武史

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生物好きなら聞いたことがあるプラナリア。
切っても切っても再生する、という話である。
しかし実際に眼にしたことがない。
というより、実験動物だから、そんな身近にはいないだろう、と決めてかかり、
探そうとも思っていなかった。

本書は、そんなプラナリアにとりつかれた、理科教師の方による書である。
授業・部活で用いる経験からだろう、
大きく前半は種類・採取・飼育、後半は再生実験となっている。

プラナリアにこんな種類があり、採取・飼育可能とは(しかも餌がレバーなどの動物質とは)知らなかった。
暖かくなったら探してみたいものである。
そして、ナメクジでも驚いたが(「ナメクジの言い分」)、プラナリアにまで外来種があるとは。本当に生態系的には世も末である。

前半は「生物」としてのプラナリアの話なので、面白い。
後半は、多頭個体をつくる再生実験なので、賛否がわかれるだろう。
各頭それぞれに脳が形成され、それぞれが独立しようとする、というくだりもあるが、
じゃあなおさら、興味本位で(記録挑戦であっても)多頭個体をつくるのはいかがなものか、という気が僕はした。
まあ人それぞれである。

あと、どうも前半はばたばたと書いたのか、ちょっと繰り返し記述が多い。
「なぜプラナリア類が全能性幹細胞(万能細胞)を成体になっても持ち続けることが可能なのかは不明」
と類似の文章が、何度も出てくる。「あれ、読み飛ばしたのか?」と不安になるのであった。


【目次】
第1章 プラナリアってどんな生き物?
第2章 プラナリアの体制と再生の仕組み
第3章 プラナリアを切ってみよう
第4章 いろんな形のプラナリアを作ってみよう
第5章 多頭世界記録への挑戦
第6章 プラナリアの秘密(少し専門的な話編)

【メモ】
P14
プラナリアの仲間
・ナミウズムシ Dugesia japonica
 日本全域、採取しやすい、再生力強い、飼育しやすい
・ミヤマウズムシ Phagocata vivida
 山地の渓流や冷泉
再生力は強い
飼育環境は17℃以下くらいに保つ必要がある
・キタシロカズメウズムシ Polycelis sapporo
 北海道全域と青森県など
多数の小眼(60~130個)を持つ
再生力は強い
・コガタウズムシ  Phagocata kawakatsui
 京都府亀岡市の湧泉流で最初に発見、金沢市、松本市、高松市、岡山市で報告
水温変化がそれほど大きくなく、流れの緩やかな水域
再生力は普通

○近年は熱帯魚や水草の輸入に伴い、外来種3種が確認済み
・トウナンアジアウズムシ Dugesia austroasiatica
 1960年代から日本各地の熱帯魚水槽や魚の飼育池で発見、小型
原産地は東南アジアか
京都府深泥池で野外定着
・アメリカナミウズムシ Girardia tigrina
 北米原産の普通種
身体には小さい斑紋が多数、両眼の間隔が狭い
1980年代に、名古屋市と横浜市の熱帯魚水槽で発見
日本各地で発見
・アメリカツノウズムシ Girardia dorotocephala
 北米大陸原産、中米(メキシコ)でも確認
京都市(鴨川)などで野外定着
頭部左右の耳葉(感覚器官)が長く、水中で活発に動かす

プラナリアは同定が難しい
・分類群や種類数が多い
・体色や模様は同一種でもかなり異なる
・生殖器官の構造がポイント


P21
エサ
 牛または鶏のレバーを1週間に1度、(100匹=レバー5g)
 好まない場合は釣りエサのアカムシ(ユスリカの幼虫)や冷凍アカムシ
給餌後は必ず水替え、壁面掃除
給餌後2~3日は毎日1回水替え

体長30mmくらいの大きな個体=冷蔵庫(5℃以下)で数ヶ月エサ無しで生きる、
ただしかなり小さくなる

P22
 体色は本来茶褐色、エサによって緑色か赤色に変化

P25
 大きく育てるコツ…
水温は低温(5~10℃)
暗いところ

P28
 無性生殖と有性生殖
有性生殖…一定の低温(10℃くらい)をへて生殖器が発達、
野生環境では秋から冬に生殖器が発達、春に産卵

1匹が1年間に1~3子しか複合卵をうまない
 複合卵…2mmくらい、3~10匹孵化、3mm前後

性的成熟個体
…覆面から見て、口と生殖孔の2つの孔が見える

P39
 再生…「形態調節」と「付加形成」
「形態調節」…残部から完全に調和した個体を再編成=プラナリア
「付加形成」…傷や失った部分を修復

プラナリア…全能性幹細胞(万能細胞)を成体になっても保持している
ヒト…受精卵の発生から数日間のみ

なぜプラナリア類が全能性幹細胞(万能細胞)を成体になっても持ち続けることが可能なのかは不明


P94
Janis Lus(1924) 10頭の重複プラナリア

P107
筆者 最終的に14頭のプラナリア
多頭虫は、頭の数だけ脳が形成されている可能性が高く、各脳は神経で繋がっているが、独立した状態に近い=それぞれが勝手に行動しようとする


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