ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

今日も腰が痛い。「腰痛探検家」  

腰痛探検家 (集英社文庫)
高野 秀行



完全なぎっくり腰とまではいかないが、
「腰をやらかした」と冷や汗を垂らしたことは数度ある。
父は「歩けんがー」と腰を庇う事幾年月、手術によって何とかそこそこ歩けるまで回復したが、
性格のみならずの体格も遺伝することを考えれば、
おそらく僕の行く手にも腰痛が待ち受けている可能性は高い。

父が腰痛になった際も、「何をしてもいかんがー」と言っていた。
その「何」が何を指すのまでは聞かなかったが(薄情な息子である)、
各種病院やマッサージや貼薬等々にチャレンジしたのだろう。

結局のところ、腰痛は「腰が痛い」という症状でしかなく、
その原因と対策は千差万別である。
原因を確定することも難しく、同原因で人によって有効な治療法が異なるようであることを考えれば、
腰痛を治そうという旅は、まさに万里を行くが如しである。

著者、高野 秀行氏は、辺境・探検・ノンフィクション作家(著者ホームページによる)。
僕も、「幻獣ムベンベを追え (集英社文庫) 」(レビューはこちら )だけを読んでいるが、
正攻法の探検家というより、「とにかく行っちゃえ」タイプか。
誰も知らず、試行錯誤するからこそ面白いというスタイルだ。

その高野氏が、腰痛という沼に陥っていまったのが、本書に繋がる。
いかに腰痛を直すか。自身の原因は何か。
それを求め、まさに腰痛という迷境を彷徨い続ける。

カリスマ治療師、西洋医学、姿勢、運動、心療内科…。
深みに嵌るとはまさにこの事と言うほど、次から次へと門をたたく。
それもあっさり諦めるのではない。
長々と続けたあげく、「気が付いたら全く良くなっていなかった」のだから、本当に治す気があるのかと思うほどである。

結論から言えば、高野氏は腰痛ジャングルを突破するのだが、
結局のところ、何がよかったのかは分からない。
よって、本書が腰痛治療の役に立つとは全く思えない。

ただし、身近に腰痛界を彷徨っている人がいる場合などには、
「こんな風に大変なんだなあ」と、ちょっと思いを馳せる材料となる。

一方、僕のように、これから腰痛界を彷徨う可能性があるやもと思っている人間にとっては、
来るべき将来に備えて、「こうはなりたくない」(ならない、とは言えない)と思わせる一冊。

多くの場合、腰痛は生死にかかわる程ではないが、
人生のクオリティにはかなり響くもの。

こうした本もある、と頭の片隅に留めておくと、数年後・数十年後に読みたくなるかもしれない。


【目次】
プロローグ
第1章 目黒の治療院で“ダメ女子”になる
第2章 カリスマ洞窟の冒険
第3章 民間療法の密林から西洋医学の絶壁へ
第4章 会社再建療法
第5章 密林の古代文明
第6章 腰痛メビウス
第7章 腰痛最終決戦
エピローグ 腰痛LOVE


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