ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

モーツァルトとレクター博士の医学講座  

モーツァルトとレクター博士の医学講座
久坂部 羊
【雑学度】★★☆☆

モーツァルトとレクター博士の医学講座モーツァルトとレクター博士の医学講座
(2012/11/20)
久坂部 羊

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著者は、医者で小説家、とのこと。しかし僕はその著作を目にしたこともなく、
本書は医者による体の臓器ウンチク、として読んだ。

文筆家だからか、文書はこなれていて読みやすい。
心臓、肺、大腸など、臓器単位で働きやメカニズムが説明されており、
人体の仕組みを高校までしか習っていない人間としては、初めて知ることが多くあった。
各臓器の仕組み、代表的な異常(病気)のメカニズムをしておけば、
実際の診断はともかく、
他人から病気を聞かされたり、小説などを読む際に役立つだろう。

ただ、気になった点がいくつかある。
わりと筆者は、特に病気に対する姿勢や治療方法について、自己主張をはっきり述べている。
問題は、それが事実かどうかはわからないこと。
本書によって、筆者の断言に引きずられて、変な先入観を持つことがないようにしたい。

著者の主張に惑わされず、一意見として冷静に受け入れられる人にお勧めである。

【メモ】
P55
・呼吸中枢=脳幹
酸素濃度が下がると呼吸が速まる。
ただし感度は低く、酸素が半分くらいになってようやく速まる程度。
一方、二酸化炭素の濃度上昇には反応が早い。10%上昇しただけで、
呼吸数は3倍ほどになる。
つまり、身体は酸素を取り入れるより、二酸化炭素を出すほうを重視している。

逆にいうと、血液の二酸化炭素濃度が下がると、呼吸は抑制される。
=「過換気症候群」 息をしすぎて、二酸化炭素濃度が下がることで呼吸が抑制され、
より息苦しくなる。

P69
がんは、発見次第切除する。
よって、転移しないがん(元々死ぬ可能性が少ないがん)だったか分からない。

P84
大腸
上行結腸と下行結腸は腹腔の後面に固定されていて、位置も長さも変らない。
横行結腸とS字結腸はフリー。
慢性便秘の場合、横行結腸とS字結腸に便がたまり、大腸が伸び、さらに溜まるという悪循環。


P93
・ABO式血液型
 赤血球の表面にある「抗原」と、血漿中の「抗体」の種類によって決まる。
「抗原抗体反応」により、血液が固まる。
抗原と抗体=A、Bの2種類。
A型の赤血球=A型の抗原がある=血漿にはB抗体がある
 →A抗原+B抗体=固まらない
B型の赤血球=B型の抗原がある=血漿にはA抗体がある
 →B抗原+A抗体=固まらない
AB型の赤血球=AB型の抗原がある=血漿には抗体がない
O型 の赤血球=抗原がない=血漿にはAB抗体がある

 AB型=血漿に抗体がないので、どの血液(A抗原・B抗原)を入れても固まらない。
O型=赤血球に抗原がないので、どの血液(A抗体の持ち主、B抗体の持ち主)にも提供できる。


P96
・心臓
 生後直ぐに増殖能力を失う。
=成長するに従い心臓が大きくなるのは、一つずつの心筋細胞が肥大している。

P100
「虚血性心疾患」
=動脈硬化または冠動脈の攣縮(痙攣してい縮む)による虚血(血液がながれない)
治療=ニトログリセリン=血管拡張作用
発見のきっかけ=ダイナマイトの製造工場に勤める狭心症の作業員が、工場では発作が起こらなかったため。

P163
視覚
・赤錐体、緑錐体、青錐体が、色に応じてヨードプシンという物質を放出
 →電気刺激となって脳に到達
・人によって、赤錐体、緑錐体、青錐体の比率、ヨードプシンの分泌能力も異なる
 →同じ色でも、違う色に見えている可能性もあるかもしれない

P168
・大相撲 69連勝の双葉山=右の視力が無かった
・左右の目が離れているほど距離感がつかみやすい

P170
モーツァルト
左耳に先天的な異常
 形態には諸説あるが、記録がない
ただし、肖像画は必ず右から描かせ、左側から描くときはカツラで隠した
息子フランツの耳も形態異常があり、モーツァルトの子と証明された

P172
ベタ耳は優性遺伝、かさかさタイプは劣性遺伝で伝わる
ベタ耳 
日本人 約16%(北海道約50%)
白人  90%以上
黒人  99.5% だそう。

P227
牛乳
1998年頃から、骨粗鬆症の宣伝が消えた
過剰反応
牛乳を飲む=急激なカルシウム濃度の上昇=排泄が進みすぎる=補うために、骨のカルシウムが溶けて血液に流れ込む
=アメリカ:高齢者の場合、逆に股関節の骨折が多くなる
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