ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

「美しい化石」を堪能しよう。「楽しい動物化石」  

楽しい動物化石
土屋 健



最近は三葉虫の化石を入手しやすくなったとはいえ、
やはり国立科学博物館の化石を見れば、その美しさに圧倒される。

その個体の珍しさ、保存状態、そしてクリーニングの技術。

全てが高いレベルにある化石は、やはり唯一無二の美しさを持つ。
そして失われた動物である以上、美しい化石ほど、その当時の姿を想像させる力は、強い。

本書は、近年の恐竜ブームの立役者というか伝道者である土屋健氏による、
動物化石の逸品の数々を紹介するもの。

最近流行りのアノマロカリスよりも更に古い先カンブリア時代の化石から始まり、
人類と同時代を生きていたマンモスに至るまでの、他種多様な動物化石を紹介する。

土屋健氏だけあって、取り上げられている化石は、それぞれが極めて美しい。
約6億3500万年前という、途方もない過去の生きものの、極めて精細な化石。
複雑怪奇なトゲトゲを持つ三葉虫の数々。
もちろん始祖鳥化石、ティラノザウルスといった有名どころもおさえつつ、
サーベルタイガーやメガテリウム(オオナマケモノ)といった哺乳類まで、これ一冊で素晴らしい過去の旅が堪能できる。
(ちなみにメガテリウムは、2016年に僕も見てきた徳島県立博物館収蔵の化石だった。)

植物化石も同シリーズで刊行されており、気軽に楽しめる一冊である。

なお、随所に「化石トーク」とか「古生物と人々」といったコラムページがある。
さほど専門的な話題でもなく、数冊近年の恐竜本を読んでいれば知っている話題も多い。
初心者向けと考えれば良いと思う。

ただ気になったのは、その紙質である。
化石紹介ページは、わりと厚いマット紙様であり、美しい。
だがコラムページはちょっと粗い紙質のものを用いている。
何という紙かは知らないが、上質なわら半紙のようなもの。
また、文字色も青一色とか赤一色であり、紙自体の色とあいまって、やや読みづらい。

「楽しい」とタイトルに冠するとおり、親しみやすさも狙っているのだろうが、
やや読みやすさと本としての価値を損なっているような気がする。残念。

なお、姉妹本に「楽しい植物化石」がある。こちらも楽しい。

【目次】
1 先カンブリア時代末と古生代(先カンブリア時代の動物たち
カンブリア紀の動物たち
オルドビス紀の動物たち
シルル紀の動物たち
デボン紀の動物たち)
2 中生代(三畳紀の動物たち
ジュラ紀の動物たち
白亜紀の動物たち)
3 新生代(古第三紀の動物たち
新第三紀の動物たち
第四紀の動物たち)


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