ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

遭難は、誰にでも起こり得る。「ドキュメント 道迷い遭難」  

ドキュメント 道迷い遭難 (ヤマケイ文庫)
羽根田 治



遭難といえば、身近なものではない。
だが、道迷いとなると、話は別である。
本格的な登山でなくとも、低山のハイキング、山菜捕りなどは、
「ちょっと慣れた友人」が近くにいれば、同行する機会はいくらでもある。
また、今は縁がなくとも、将来どうなるかはわからない。

そうした来るべき将来には、体力・判断力は低下していることが確実であり、
現在の安心が、そのまま継続する保証はない。

本書は遭難事例のルポルタージュを多く刊行している羽根田氏のシリーズの一環。
「道迷い遭難」、語感だけだと「うっりミス」のような雰囲気もあるが、
道に迷いった結果、それが冬山であれば凍傷・凍死もあり、沢筋に迷い込めば滑落も有り得る。

ルートから外れてもいないのに遭難するのは、気象条件が影響する場合が多いと類推するが、
「道迷い遭難」はよく晴れた日中にも発生しうるという点で、遭難としては特別なものであり、
一方、極めて日常的な遭難とも言えるだろう。

実際本書においても、冬山での道迷いという事例は少なく、
多くは明るい日中のルート・ファインデングのミスによるもの。

そのミスは、当人の注意不足もさることながら、
ルートそのものに問題があることがある。
(検証に行った山と渓谷社の取材チームすら迷うようなルートだ。)

とすれば、何度も通ったことがあるルートを辿る時はともかく、
慣れない山を歩く場合、それがどんな低山であったとしても、
道に迷う可能性を頭に入れておく必要があるだろう。

すなわち問題は、「いかに道に迷わないか」ではなく、
「道に迷ったと感じた瞬間から、いかに行動するか」なのだ。

【目次】
南アルプス・荒川三山 一九九九年八月
北アルプス・常念岳 二〇〇一年一月
南アルプス・北岳 二〇〇一年九月
群馬・上州武尊山 二〇〇二年五月
北信・高沢山 二〇〇三年五月
房総・麻綿原高原 二〇〇三年十一月
奥秩父・和名倉山 二〇〇五年五月

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