ちょっとヨクナレ ~読書と日記~
自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録
最先端にして、等身大のマヤ文明。「マヤ文明を知る事典」 
2016/07/23 Sat. 06:10 [edit]
マヤ文明を知る事典
青山 和夫
「謎と神秘の文明」マヤ。
そうしたイメージは大きな誤りであり、
既にマヤ文明の研究は、大きな進展を見せているという。
ところが一般的には、未だ「謎と神秘」の世界としてしか見ていない。
そうしたイメージの堅持は、客観的な研究を遅らせるとともに、
現在現地に生きるマヤ文明の子孫である人々への偏見にも繋がりかねない。
しかし現在、
歴史、地理、言語、習慣、宗教、農耕、工芸、作物等々、
既にマヤ文明については、エジプトやインダス等、ユーラシア大陸の古代文明同様、
様々な分野において研究が進んでいる。
だが、もちろん、未だ不明な点も多い。
本書は、そうした現在のマヤ文明研究の到達点について、
著者一人が一貫した解説を行うという、極めて力技の事典である。
しかも「事典」と言いつつ、各章は、それぞれのテーマに従って関係のある小項目ごとに記述されており、
通読できる概説書となっている。
(巻末の索引によって、「事典」としての使い方も可能である。)
ユーラシア大陸起源の諸文明と、マヤ文明等のアメリカ大陸等起源の諸文明。
もちろんポリネシア・ミクロネシア等の海洋民族経由の影響はあるかもしれないが、
大きな部分については独立した文明圏と思う。
そうすると、それぞれの大陸で、
同じように文明が発展したきたという事実は、ホモ・サピエンスの持つ文明化の力の発現と言えるのではないか。
そして一方、その数学・農耕・宗教等の差異は、人間の精神世界・知識の発展において、
様々な示唆を与えるものと思う。
マヤ文明という隔絶された文明は、
人類文明の発展を考えるうえで、書くことができない材料である。
それに対する最新の知見がまとられた本書は、現在に生きる者の特権とも言えるのではないだろうか。
【目次】
第1部 プロローグ マヤ文明とは何か?
第2部 解き明かされたマヤ文明の実像
第1章 マヤ文明の地理・歴史
地理と環境/交通・交易/暦・算術・天文学/文字/歴史
第2章 古代マヤ社会
諸王朝と都市/戦争/建築/日常生活と家族/儀式・行事/
世界観・神話・宗教/美術・工芸/生業と作物・食料
第3章 現代に生きるマヤ
現代に生きるマヤの人々/「発見された」マヤ文明とマヤ考古学/日本人とマヤ文明
索引・年表
青山 和夫
「謎と神秘の文明」マヤ。
そうしたイメージは大きな誤りであり、
既にマヤ文明の研究は、大きな進展を見せているという。
ところが一般的には、未だ「謎と神秘」の世界としてしか見ていない。
そうしたイメージの堅持は、客観的な研究を遅らせるとともに、
現在現地に生きるマヤ文明の子孫である人々への偏見にも繋がりかねない。
しかし現在、
歴史、地理、言語、習慣、宗教、農耕、工芸、作物等々、
既にマヤ文明については、エジプトやインダス等、ユーラシア大陸の古代文明同様、
様々な分野において研究が進んでいる。
だが、もちろん、未だ不明な点も多い。
本書は、そうした現在のマヤ文明研究の到達点について、
著者一人が一貫した解説を行うという、極めて力技の事典である。
しかも「事典」と言いつつ、各章は、それぞれのテーマに従って関係のある小項目ごとに記述されており、
通読できる概説書となっている。
(巻末の索引によって、「事典」としての使い方も可能である。)
ユーラシア大陸起源の諸文明と、マヤ文明等のアメリカ大陸等起源の諸文明。
もちろんポリネシア・ミクロネシア等の海洋民族経由の影響はあるかもしれないが、
大きな部分については独立した文明圏と思う。
そうすると、それぞれの大陸で、
同じように文明が発展したきたという事実は、ホモ・サピエンスの持つ文明化の力の発現と言えるのではないか。
そして一方、その数学・農耕・宗教等の差異は、人間の精神世界・知識の発展において、
様々な示唆を与えるものと思う。
マヤ文明という隔絶された文明は、
人類文明の発展を考えるうえで、書くことができない材料である。
それに対する最新の知見がまとられた本書は、現在に生きる者の特権とも言えるのではないだろうか。
【目次】
第1部 プロローグ マヤ文明とは何か?
第2部 解き明かされたマヤ文明の実像
第1章 マヤ文明の地理・歴史
地理と環境/交通・交易/暦・算術・天文学/文字/歴史
第2章 古代マヤ社会
諸王朝と都市/戦争/建築/日常生活と家族/儀式・行事/
世界観・神話・宗教/美術・工芸/生業と作物・食料
第3章 現代に生きるマヤ
現代に生きるマヤの人々/「発見された」マヤ文明とマヤ考古学/日本人とマヤ文明
索引・年表

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