ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

今西生物学からの考察。「フンころがしの生物多様性 自然学の風景」  

フンころがしの生物多様性 自然学の風景
塚本珪一



フンころがし、いわゆる糞虫、食糞性コガネムシ類。
糞を喰う虫なんて、バッチィ!と拒否反応がある方も多いかもしれないが、
生物がいる以上、死骸と糞を喰う存在は、欠かせない。

本書は、そんなフンコロガシを対象とした日本各地の調査経験を踏まえて、
それぞれの地の生物多様性を探るもの。

ただ、一般的な研究解説―食糞性コガネムシ類の生態等を踏まえ、
客観的に論じるもの―ではない。

著者自身が今西生物学をベースとしていることから、
単純な生物書ではなく、生物哲学書といった趣をもっている。
各章も、それぞれが独立した思索の章となっている。

正直なところ、食糞性コガネムシ類に関する客観的知識を得ようとする方には、
お勧めはしない。

ただ、生物研究を通して、その地域の環境を含め、「総体」を理解しようと考える方、
(僕は全くの素人だが)今西生物学のスタンスを好む方は、
楽しめるのではないかと思う。


【目次】
1 自然学への道
 今西錦司先生の「自然学」を読む
 遠い日々の記憶・原風景
 京都北山・糞虫の発見
 私の自然学への道
2 「フンころがし自然学」の風景
 ファーブル『昆虫記』は自然学
 聖なる虫=スカラベ
 糞虫考
 糞虫考現学
 糞虫の種社会・分布
 糞虫地理学から風景論はの展開
 糞虫と野生動物の創る風景
 糞虫の生息空間
 糞虫の道=生態回廊
 都市・里山の風景論
 京都御苑の自然学・風景
 散歩道・雲母の森から
3 日本列島の自然学の風景―フィールドノートより
 オホーツクの風景
 北の島の風景 利尻・礼文・トド島
 イーハトーブの糞虫たち
 生と死の連鎖を見た日
 「山の牧場」の風景
 蓼科山のふもとから
 糞虫の聖域=奈良
 高地性コウチュウについて
 近畿圏の特異性
 冠島・無人島・生と死の風景
 兵庫県から宮古島・台湾
 三瓶山「山の牧場」・ダイコクコガネ
 隠岐の糞虫
 対馬紀行
 四国・糞虫のいる風景
 アカマダラセンチコガネとムネアカセンチコガネ
 屋久島・世界遺産の島
 北海道から南西諸島までの物語
4 生きもの社会再考
 群・家族・種社会
 食の順位のモデル
 種社会の構造とモデル
 ビオトープと種社会
5 二一世紀「生物多様性社会」の構築
 マンダラ=モデルという考え方
 生物多様性社会から共生へ
 絶滅危惧のフンころがしたち
関連記事
 このエントリーをはてなブックマークに追加

category: 昆虫

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://birdbookreading.blog.fc2.com/tb.php/634-beaae478
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

中の人

アクセス

RSSリンクの表示

最新記事

カレンダー

アクセスランキング

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム