ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

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「イルカの不思議: 2時間で生まれかわる皮膚? アゴが耳? 驚きの能力に迫る!」 海のトリトンもびっくりだ!!(古い)   

イルカの不思議: 2時間で生まれかわる皮膚? アゴが耳? 驚きの能力に迫る!
村山 司



特定の種の研究者が、対象生物に関するベーシックな話題から、自身の研究分野まで展開して紹介するもの。
コンパクトながら、毎回質が高く、楽しい一冊である。

本書のテーマはイルカ。
哺乳類でありながら、海棲生物として成功した種。
その立ち位置は、いわば、鳥類におけるペンギン。
圧倒的な身体能力で海に適応したタイプで、頭がよい、優しいというイメージが強いが、
本書でもまずはその卓越した身体能力が語られる。

例えば、
流線形で最も抵抗が少ないのが縦と横の割合が1:5であり、
イルカの体高と体長の割合がこれにちかい、とか、
皮膚が2時間ごとに更新されており、一日に12回も入れ替わっていること、
血液にヘモグロビンが多く、また筋肉にも酸素と結びつくミオグロビンが多いこと、
低酸素下では、心拍数を減らして脳や心臓だけに集中させるなど、
これらは、生物進化の潜在的な力を見せつけるものといえる。

また、人間は左右の目からの視神経が両方の脳の半球に入るが(左右両方とも、視神経は途中で枝分かれし、左右両方の半球に入る=脳全体で理解する)。
ところがイルカは、左目は右半球、右目は左半球のみに入るため、片目ずつ(左右の脳半球ごと)に機能している。
ここから、さらにイルカは左右の半球単位で「眠る」(半球睡眠)ことが可能という。
この半球睡眠は渡り鳥でも見られるそうだが、左右の脳の使い分け、人間と全く異なる脳の使い方というのは、
とても興味深い分野である。

こうした脳力の潜在的な可能性を踏まえて、後半は、著者の研究分野であるイルカとの音声コミュニケーションが語られている。
イルカに言語を教える方法はもとより、それを実際にこなす個体がいることなど、進展が気になる研究である。

特に僕としては、サルなど個体の持つ意識や社会性が人間と同じ線上にある生物と違い、
全くバックボーンが異なるイルカと、どこまでコミュニケーションできるのかが興味深い。

ところで、著者のように特定の動物種と話ができるとしたら、あなたは何を選ぶだろうか。
イヌやネコというのもメジャーなところだが、僕は、まずはぜひアオサギと話がしてみたい。
池の畔でよく佇んでいるアオサギ。
アオサギ201502
きっと奴は、何も考えていないはずだ。それを確かめたい。

なお、九州では、エイを飲み込めずに困っているアオサギを見たことがある。
食えるはずがない。やっぱり何も考えていないに違いない。
DSCN1718

【目次】
第1章 イルカとはどんな生き物か
第2章 イルカの驚くべき能力
第3章 群れをつくるイルカ
第4章 賢いイルカ
第5章 イルカと話したい
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