ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

世界の深海を巡る、現代のビーグル号航海記-「深海、もうひとつの宇宙――しんかい6500が見た生命誕生の現場」  

深海、もうひとつの宇宙――しんかい6500が見た生命誕生の現場
北里 洋



JAMSTECによる深海調査モノが後を絶たない。
だが、日本が世界最先端を誇る分野であり、本書のタイトルでもあるように、宇宙と並ぶ「未知の世界」だ。
その活動・成果が日本語でタイムリーに読めるのは、やはり有り難い。

本書は、2013年、有人潜水船「しんかい6500」で実施された世界一周航海による深海調査、
「QUELLE2013」の旅の過程を辿るもの。

その発端は、2000年から10年間実施された、地球上の海にいる生物の戸籍簿をつくるプロジェクト、
 Census of Marine Life (CoMLプロジェクト)た。
本プロジェクトにはのべ2800名の海洋学者が参加したが、
その結果、データが特に希薄だったのが南半球の深海部。
ここを調査するぞ、という著者の提案と、
同じJAMSTECの高井研氏の提案していたインド洋とカリブ海の熱水生態系調査を組み合わせたものが、
この世界一周調査、「QUELLE2013」である。

ただ本書は、その調査結果をまとめたものではない。
だから、美麗な写真がいっぱいとか(少しは巻頭にあるが)、
新しい仮説や発見が満載、というものではない。

また、紹介に書かれているような「血湧き肉躍る冒険」とも、ちょっと違う。

むしろ淡々と、長期間にわたる深海調査の日々、そしてその現場での悲喜こもごもを、
臨場感豊かに伝えてくれるもの。
そう、昔ながらの「航海記」と言える。
それが好きな人には、とても楽しめる一冊。
一方、科学的知見や活劇を望む方には、物足りない一冊となるだろう。

ただ、JAMSTECによる本調査、「QUELLE2013」の成果は、
おそらく今後また新たなかたち(本や各種媒体)で紹介されていくだろう。
その際に、どのような旅の中でそれらが発見されたのかに思いを馳せるためにも、
読んでおいて損はないと思う。

なお、YOUTUBEに、このプロジェクトのダイジェストがアップされている(公式)。
便利な世の中である。




レビューはこちら


レビューはこちら


レビューはこちら。上の本と写真が同じなので注意。

関連記事
 このエントリーをはてなブックマークに追加

category: ノンフィクション

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 2

コメント

コメントありがとうございます。

nitta245様


「星になったチロ」、順番が全く逆なのですが、僕は昨日入手しました。
読むのが楽しみです。

BIRD READER #- | URL
2015/11/01 19:21 | edit

本の紹介ありがとうございました

先日は本の紹介をしていただきましてありがとうございました。楽しみです。ぜひ読みたいと思います。思えば,ん十年以上も前の「星になったチロ」以来でしょうか。まずはお礼まで。

nitta245 #- | URL
2015/11/01 18:45 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://birdbookreading.blog.fc2.com/tb.php/579-ddfe4329
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

中の人

アクセス

RSSリンクの表示

最新記事

カレンダー

アクセスランキング

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム