ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

絵でわかる昆虫の世界 進化と生態  

絵でわかる昆虫の世界 進化と生態 (KS絵でわかるシリーズ)
藤崎 憲治



言うまでもなく、昆虫類は哺乳類とは全く異なっている。
だが、日本ではあまりにも日常的に遭遇するために、何となく昆虫について分かっているような気になっている。
だが、その構造、翅、環境耐性、食性など、様々な点において、
僕らの思い込みとは全く異なる生きものである。

本書は、そうした様々な昆虫の特徴を、多数のイラストと共に解説するもの。
例えば、昆虫の翅の駆動方法に直接飛翔筋駆動タイプ(トンボなど)と関節飛翔筋駆動タイプ(ハエなど)があること、
そしてハエでは機動性を優先させるために翅が2枚となり、一方、飛翔中の角角度を検出するための感覚器である平均棍が発達しているなど、あまり類書では見られない知見も盛り込まれている。

DNA方面の話題はほとんど無いが、従来からの伝統的な昆虫学の最新の教科書として、かなり有用だろう。
ただ、「絵でわかる」シリーズだからイラストが多用されているものの、
特にイラストが優れているわけではない(擬態の説明など、むしろ写真の方が望ましい場合もある)。

社会性昆虫の話題やバイオミメティクスなど、もちろん専門書を読むほうがベターではあるものの、
(例えばハチなら「ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く」(レビューはこちら)が詳しい)
巻末に参考文献も掲載されているので、ここから出発すれば良いだろう。

【目次】
第1章 昆虫の分類―進化的道筋と多様化―
 1.1 昆虫の動物における位置づけ
 1.2 節足動物とその特徴
 1.3 昆虫の系統分類
第2章 昆虫の形態とその機能―小さな体に潜む驚くべき特徴―
 2.1 基本体制
 2.2 一般的な形態特性
第3章 昆虫の飛翔性―空中への進出と繁栄―
 3.1 翅の発明
 3.2 飛翔筋の発達
 3.3 二次的な飛翔性の喪失
第4章 昆虫の環境適応―地球環境への挑戦―
 4.1 休眠
 4.2 耐寒性
 4.3 耐乾性
 4.4 移動分散
第5章 昆虫の食性―ありとあらゆるものを食べる―
 5.1 植食性
 5.2 捕食性
 5.3 寄生性
 5.4 捕食寄生性
 5.5 菌食性
 5.6 吸血性
 5.7 腐食性
第6章 昆虫の天敵に対する防衛―天敵から逃れる技―
 6.1 捕食者に対する防衛
 6.2 捕食寄生者に対する防衛
第7章 昆虫の繁殖戦略―オスとメスのかけひき―
 7.1 有性生殖と無性生殖
 7.2 精子競争
 7.3 同性内選択と異性間選択
 7.4 配偶システム
 7.5 オスとメスの対立―軍拡競走―
 7.6 繁殖干渉
第8章 昆虫の集合性と社会性―群れることの知恵―
 8.1 集合性
 8.2 社会性
第9章 昆虫の共生―昨日の敵は今日の友―
 9.1 送粉共生
 9.2 アリ共生
 9.3 微生物との共生
第10章 昆虫ミメティクス―昆虫から学ぶ科学―
 10.1 バイオミミクリーとバイオミメティクス
 10.2 工業技術への応用
 10.3 医療技術への応用
 10.4 農林技術への応用


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