ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

鉱物の不思議がわかる本 (図解サイエンス)  

鉱物の不思議がわかる本 (図解サイエンス)
松原 聰




鉄や銅はもとより、ダイアモンドや金といった宝石も鉱物である。
科学技術の発達は、いわば鉱物利用史でもあると思うが、それにしては知っていることが少ない。

また、自然の一部としての鉱物にも興味はあるものの、やはり敷居が高く感じている。

その一旦は、僕個人としては「分類がよく分からない」ことにある。
◯◯石、◯◯鉱と言われたところで、その分類(類縁)関係が良くわからないと、
単なる羅列にすぎない。

この点、本書は「不思議がわかる本」というタイトルだが、
むしろ鉱物カタログとして非常に美しく、かつ理解しやすい一冊である。

本書は、おおむね3章からなる(目次にある4章目は、オマケ程度)。

第1章は、鉱物の不思議というタイトルで、代表的な鉱物(ダイアモンドや金)、また興味深いトピックス(石で絵を描く、薬になる石等)について、各2p程度でまとめたもの。
内容的には、様々な鉱物ガイドにも取り上げられているようなものだか、美しいカラー写真が多用されていて、わかりやすい。

第2章は、「しくみ」とあるが、結晶、硬度、比重、色や条痕による分類といった話が収録されている。
ここで、鉱物を「見分ける」基礎知識が得られる。

そして第3章、鉱物図鑑である。
これが非常にわりやすく、結晶、劈開、光沢、産地、硬度、比重、色、条痕色、化学組成といった基礎データをはじめ、
各鉱物の特徴、人類の利用形態等が簡単にまとめられている。

そして、これが元素鉱物・酸化鉱物・リン酸塩鉱物・ハロゲン化鉱物…と分類されて並べられていることで、
各鉱物の類縁関係や、違いが非常に明瞭になっている。

用いられているカラー写真も美しく、コレクション欲をそそられることもあるだろう。

さて、本書で初めて知って恥ずかしいのだが、実は僕は、長らくなぜ青銅器文明が先で、鉄器が後かよく分からなかった。
どちらも精錬には技術が必要だし、とすれば自然界により多い鉄の方が先に利用されるはずじゃないの、と疑問だった。

そこで、本書である。
銅は、自然銅として天然で産出されるが、鉄は黄鉄鉱や赤鉄鉱など、化合物として産出する。
だから、原材料の入手しやすさから、銅が先に利用されたのだった。
ちなみに鉄は、上記のとおり化合物で産出されるため、文明の初期には、むしろ隕鉄がよく原材料として使われた。
実際、エジプト・イラク・アナトリアなどで出土した、紀元前3000-2000年前の最古の鉄器は、全て隕鉄を原料としているという。なるほどねえである。

▼著者による鉱物採集の入門書もある(レビューはこちら)。
関連記事
 このエントリーをはてなブックマークに追加

category: 地学

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://birdbookreading.blog.fc2.com/tb.php/531-22abfe86
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

中の人

アクセス

RSSリンクの表示

最新記事

カレンダー

アクセスランキング

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム