ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学  

先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学
小林 朋道



野生動物でもペットでも、昆虫類でも哺乳類でも、
とにかく生物を相手にしていて僕が面白いのは、発見があることだ。

少なくとも、未だ出会っていない生物は、自分にとっては全て未確認生物である。
またよく見知った生物でも、その生態や機能に驚かされることもある。

ツバメが今年も戻ってきた、というのも発見だし、
アオサギが今日もぼーっとしている、というのも発見である。

若いころはミステリやSF、冒険小説などフィクションばかり読んでいたが、
最近はフィールドに出たりノンフィクション(主に科学・歴史系)を読むようになったのは、
「現実世界も驚きに満ちている!」と気づいたからと思う。

その驚き、発見の楽しさを上手く伝えてくれるエッセイは、ありがたい。

疑似体験もできるし、自分が次に行動するための手掛かりにもなる。

その代表として、盛口 満があげられる。
本ブログでも数冊取り上げたが、最初の「生きものの死体からの発見」(「僕らが死体を拾うわけ 僕と僕らの博物誌 (ちくま文庫)」)というのは、それまでに無い切り口だった。
また、マイナーな生物に対して、素朴な疑問から始め、どんどん深くハマっていく様子は、まさに疑似体験である。
(例えば「ドングリの謎―拾って、食べて、考えた」(レビューはこちら)、「ゲッチョ先生のナメクジ探検記」(レビューはこちら)など。)

で、本書もまた、生物をテーマにしたエッセイ。
著者は鳥取環境大学の先生で、その研究や、大学生たちとの野外活動の合間に生じた発見、出来事を、
軽妙かつ楽しい雰囲気の文章で綴っている。読んでいて、楽しい。
盛口氏との違いは、調査・考察において、動物行動学という筋が一本通っているところ。
多くの方に好評なようで、続編も多数刊行。たぶん僕も買うだろう。

本書では、シマリス、アカハライモリ、アカネズミ、ナガレホトケドジョウなどが登場。

エッセイとしての面白さだけでなく、シマリスが動けないヘビの体表を齧って自分にヘビの臭いを付ける行動とか、
標高1,500mの周囲に水場がない場所に生息するアカハライモリなど、
フィールドに根差した生物学の面でも、知らなかった話題が盛り込まれている。
読んだらフィールドに出かけたくなること請負である。

さらに、小林氏の授業も楽しそうで、学生たちが羨ましい。
この大学での学んだ専門分野そのままに就職していく人は少ないだろうが、
「小林先生のもとで学んだ」という経験は、人生の宝物になるだろう。

著者・小林朋道氏には、ブログもあった(「挽きたての動物行動学的コーヒーブレイク」)。既にチェック開始済みである。

【目次】
イノシシ捕獲大作戦
駅前広場にヤギを放しませんか?
駅前に残された“ニオイづけ”はタヌキの溜め糞?
餌は目で、ヘビはニオイで察知するヤギ部のヤギコ
飼育室を脱走して90日間生きぬいたヘビの話
シマリスは、ヘビの頭をかじる
イモリ、1500メートルの高山を行く
ナガレホトケドジョウを求めて谷を登る懲りない狩猟採集人
1万円札をプレゼントしてくれたアカネズミ
そのネズミは少し変わった小さな島の住人だった 139
野外実習の学生たちを“串刺し”に走りぬけていった雌雄のテン
自分で主人を選んだイヌとネコ

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