ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

ニホンヤモリ夜な夜な観察記  

ニホンヤモリ夜な夜な観察記
鈴木欣司,鈴木悦子



夏の夜と言えば、ヤモリである。
ヤモリ2014
小さいし、眼もくりっとしているので、愛着もある。
寝る前に住居に侵入しているのを発見した時には大変であるが。

僕は漠然と同じ個体だろうなと思って放置していたのだが、いやはやヤモリの奥深さと、定点観察の面白さを本書に教えられた。

著者らは様々な場所で自然観察を行ってきたが、「身近な生きものも大事だ」と、自宅庭で定点観察を開始する。
ところが2012年の夏、ふと庭先のヤマザクラの樹にヤモリを見つけたことから、「ヤモリが樹に?」と疑問を持った。

本書は、その一夏の記録をまとめたもの。しかし、驚きが満載であった。

まずこれは全く僕の勉強不足なのだが、ニホンヤモリは雌雄の識別が可能なのだった。
成体(12cm前後)なら尾の付け根部分の膨らみの有無で判断できるらしい。

また、この膨らみの側面には、左右に2~3個、「側肛疣」(そっこうゆう)という黄白色のイボがある。
亜成体の頃から見られるが、数は一定せず、大きさも不揃い。ただ、雌の側肛疣は小さいとのこと。

そして、この雌雄識別と側肛疣、あとは色彩により、本書では個体識別を行って観察しているのだ。
これは面白い。
野生動物を観察するうえで、どこまで他個体と分離できるか、というのがある。性・齢や行動により個体識別が可能になれば、「見えるもの」は格段に増加する。

その結果、本書では12個体を識別。
そして、個体同士の争いや、行動を見ていく。

ニホンヤモリが尾を8の字に振り回す行動(本書では12枚の連続写真を掲載)など、実際の観察者ならではの話もある。
その他、ガ類を始め他の生物についても鮮明な写真も多く、ヤモリを中心とした夜の世界の広がりを見せてくれる。

全ページカラー、「身近な生きものをじっくり観察したい」という方にとって、庭先でもここまで可能という見本のような本である。ヤモリが苦手でない方は、ぜひ一度ご覧いただきたい。

ちなみに冒頭に掲げた我が家のヤモリ、気軽に撮影していたためサイズが分からないのだが、もし成体だとすれば雌であろう。
おお、生きものスキルが上がったぞ。

【目次】
はじめに
ヤモリについて
ヤモリ観察日記
ヤモリの体の特徴
脱皮
コラム1 ヤモリは車に居候
コラム2 しっぽ切りは防御法なの?
コラム3 ヤモリも外来動物なの?
付録 爬虫類図録
参考文献
掲載種類一覧
おわりに
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category: 爬虫類

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