ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

闇を裂く道 (文春文庫)  

闇を裂く道
吉村昭
【良かった度】★★☆☆


闇を裂く道 (文春文庫)闇を裂く道 (文春文庫)
(1990/07)
吉村 昭

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久しぶりに吉村昭を読む。
生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見」で知った一冊である。

 大正10年に大規模な落盤・生き埋め事故があった「丹那トンネル」。その開通にいたるまでのドラマである。落盤・生き埋め事故が本書の全てかと思っていたら、そうでもなかった。

生き埋め事故は難工事のいわば端緒であり、大量の湧水、度重なる落盤事故、地震、トンネル上部の地域の渇水など、トラブル続出である。よくぞこの工事をなしとげたな、というくらいで、おそらく現代でこれほどトラブルが続出すれば、技術的には可能とはいえ中止に追い込まれるのではないだろうか。


現在当たり前のものとして享受している生活基盤が、こうした苦難のうえに成立したことは、やはり知っておくべきだろう。

ところで本書を読んで感じたのは、吉村昭氏の職人芸のような精緻かつ密度の濃い文章である。

僕も薄っぺらい文章を書くので言えた義理ではないが、吉村氏の文書と比較すると、最近の文章が平易だなあ、ということを痛感した。

様々な歴史について、吉村氏の文章と眼差しによる諸作品が残されているということは、幸福である。
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category: 歴史

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