ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

世界が驚いた科学捜査事件簿  

世界が驚いた科学捜査事件簿
ナイジェル マクレリー



いわゆるミステリ、ホームズはもちろんとして、島田荘司から始まる新本格や海外ミステリも昔よく楽しんだ。
ただ、こうした一般的なミステリは、細かな手掛かりがあるにしても、基本は人間の洞察力が主体である。実際、一人の超人的な名探偵がいても、その推理だけで社会的に有罪を立証することは難しいだろう。

現実の社会では、犯罪捜査は個人の能力に頼るものから、指紋からDNA分析に至るまで、物証をどこまで客観的に追及できるかという方向に発達した。

もちろん、発達途上の技術を誤解・誤用し、冤罪をうむこともある(足利事件など。その問題点は、「殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」に詳しい(レビューはこちら))。

ただ、こうした科学捜査がない時代に比較すれば、何と有り難い時代なのかと実感する。

ところで、本書はタイトルがいけない。
安易に、「世界が驚いた◯◯」というキャッチーなタイトルを決定したのは誰なのだろうか。

この本は、にある身元調査(身体特徴・指紋)や弾道学、血液などの様々な科学捜査が、誰に、どのように開発され、どのような事件で用いられたのか、という科学捜査の黎明期を紐解くものである。

これらの技術が初めて用いられたという点では世界が「驚いた」かもしれないが、テーマはそこにはない。

原書タイトルの「SILENT WITNESSES A History of Forensic Science」、少なくとも「科学捜査史」という視点を生かしてほしかった。

こうした問題を除けば、指紋や血液、微細証拠や検視などが、どのように開発され、発展したかを知ることができる。
著者がTVプロデューサーとのことで、参考文献等を望む人には物足りないが、
「科学捜査史」のドキュメンタリー番組を見ていると思えば、ちょうどよいだろう。

【目次】
第1章 身元
第2章 弾道学
第3章 血液
第4章 微細証拠物件
第5章 死体
第6章 毒物
第7章 DNA


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