ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る (新潮OH!文庫)  

サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る
日垣 隆、千石 正一 他
【良かった度】★★☆☆

サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る (新潮OH!文庫)サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る (新潮OH!文庫)
(2000/12)
日垣 隆、千石 正一 他

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 本書は、「サイエンス・サイトーク」というタイトルでラジオで放送した対談内容に、放送ではカットした部分も加筆修正して文庫化したもの。内容は四章からなる。

第一講は特定のジャンルというより、科学は仮説の積み重ねに過ぎない、というテーマの対談。
第二講は、犯罪者の精神鑑定もしている中谷氏の知見を踏まえたものであり、具体的な事例も提示されており興味深い。
第三講は、今は亡き千石氏によるもの。動物の擬態を中心に、「騙す」という行為を語る。
第四講は予言、占い、ギャンブルを通じて、それらに「騙される」ことを語る。

 ラジオトークの文庫化ではあるものの、結構細かい点まで話されていて興味深い。
 本題とはずれるが、人間がよけいなエネルギーを浪費して、無駄な採取を行なうことについて、千石氏が「過剰な部分を貨幣に置き換えることができる」という指摘をしていた点に納得。
 なるほど、貨幣という抽象的価値に獲物を一時的に置き換え、それによって過去のエネルギー投資と現在のエネルギー投資が連結される。これには高度な言語活動と共通理解が必要であり、人間がいかに特殊な生物かと感じた。


第一講 科学はただの仮説である / 山梨大学・池田清彦
第二講 記憶は嘘をつく / 筑波大学・中谷陽二
第三講 これが動物の情報戦略だ / 自然環境研究センター・千石正一
第四講 信じる者は足すくわれる? / 信州大学・守一雄  


【メモ】
P52-53 池田氏
「転向した人というのは、転向しない人に比べて狂信的になるんだよね。」
「信じるということは、一種の快感だと思いますよ。」
「だから、相対性や自己懐疑っていうのを常に担保しておくことがとても大事になってくる。AからBに転向した後でも、いつかまたCになるかもしれないっていうことを、どっか頭のなかに留保しておく。さしあたって私はこれが正しいと思っているけれども、何か別のことが起きたときに自分の考えをいつでも変える準備がある、という姿勢があるかないか。これは科学者としての、仁義の問題だよね。」

P163-164 千石氏
「他の生き物だったら、自分が食べる以上には絶対捕まえたりしません。無駄ですからね。採取するためには自分のエネルギーを使って損するわけですから。ところが人というのは、過剰な部分を貨幣に置き換えることができるので、むやみやたらに捕ったり殺したりしても、それを蓄積できるんですね。その蓄積できるところが人間の場合、文明というものにつながっていったわけです。」

P174 日垣氏
「仮にですよ、もし仮にそういうアクシデントが本当に起こってしまったら、ああ、あの予言は当たっていたんだなあということになる。でも、死ぬまでそれが起きなくても、死の前日まではその可能性は残されているわけだから、この予言は絶対に外れない。」
「当たったときだけ、強く想起される、というのがまあ一般的な占いの実態だといえます。」



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