ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

永遠の0 (講談社文庫)  

永遠の0
百田 尚樹
【良かった度】★★★★ 【殿堂入り】




 ノンフィクションは、どんなにダメ本でも、反面教師としての価値を持つ。
 フィクションのダメ本は、時間の無駄でしかない。

 しかし時に、1冊のフィクションが、心の「どこか」を打つことがある。それは知識にはならない。しかし、確実に「経験」となり、自分の中に留まる。
 
 (自分にとっての)フィクションの傑作は、そうそうあるものではない。
 ハズレの方が圧倒的に多い。だからついついノンフィクションに手が伸びてしまう。
 しかし本書のような1冊に巡りあえれば、やはりフィクションの力を信じざるを得ない。

 
 さて、本書である。

 終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べることになる。
 祖父は、終戦直前、特攻によって命を落とした零戦パイロット、宮部久蔵。
 単なる一兵士。
 しかし祖父の戦友を訪ね歩くうち、祖父は「必ず生きて帰る。」と言い続け、天才パイロットとして生き残る力も持っていたことを知る。
 では、なぜ死んだのか。
 
 ネタバレは大嫌いなので、これ以上は書かない。


 ただ、「読もうかな」と思っている方は、ぜひ今のうちに読んでほしい。

 来年映画化される。そうすると、自然とネタが耳に入る。
 この本は、それまでに、自分で体験するほうがいい。そして自分で傑作か駄作か、自分の本棚に残すか否かを決定してほしい。
 いずれにしても、ニュートラルで読める期間は、残りわずかだ。

 また、文庫本を買った方、解説からは読んではけない。
 かなり途中までストーリーを明らかにしている。この点、残念な解説である。

 なお、Amazonのレビューでは難点をあげているものもあるようだが、フィクションの価値は様々だ。プロット、描写、視点。1冊のフィクションも、ある面で傑作であり、駄作である。
 本書は、この題材を、このようなプロットにまとめあげた点において、確実に傑作である。
 その他の不満があったとしても、それは本書の価値を落とすものではない。
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