ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

おいで、一緒に行こう―福島原発20キロ圏内のペットレスキュー  

おいで、一緒に行こう―福島原発20キロ圏内のペットレスキュー
森 絵都



もっと早く本書を読むべきだったが、なかなか手が出なかった。
それは、これを読むと、今里親になれない無力さに直面し、情けなくなると分かっていたからだ。

前回の阪神・淡路大震災では、
僕の家では、被災した犬(飼い主が見つからなかった犬)の里親となった。名前はダイとつけた。

里親になる時、散歩に行ってもすぐに疲れるから老犬と言われたが、
後に、フィラリアとわかった。
走ったり吠えると、すぐに倒れこむ。調子が悪い時に手を噛まれたこともある。
それでも、良い一生を過ごせるように飼ったつもりだ。

だがそれでも、心残りはある。

最後までに、元の飼い主に会わせてやりたかったし、元の名前で読んでやりたかった。
たぶんそれが、ダイにとって、一番嬉しいことだった思う。
DAI


東日本大震災においても、どうしようもなく、ペットと離れ離れとなった方は多いと思う。
だが阪神・淡路大震災と、決定的に違う事態もある。

福島原発の周囲20kmの立ち入り禁止区域だ。
その地域の人々は、慌ただしく避難させられたため、多くのペットや家畜が残され、
探しに行くことすらできない地域となった。

たかがペット、という意見もあるかもしれない。
しかし、飼い主にとっては家族の一員である。
少なくとも当事者にとって、その喪失感は偽物ではない。

その地域のペットを、助けるべく活動しているボランティアの方々がいる。
2014年現在も、様々な方・グループが活動しているが、
本書はその中の一人、中山ありこ氏の活動に同行取材した結果をまとめたものである。

当初は立ち入り許可すら出されなかったため、禁止されている地域にひっそり潜入している。
その活動方法には、賛否両論あるだろう。
ボランティアだから認めるべきだ、という人もいるだろうし、
犬猫を救出するためとはいえ、住民がいない家屋に、第三者が侵入することを警戒する人もいると思う。

だが、一方的にその行為を責めるのには、どこか違和感がある。

それはやはり、行政が「ペットを残してとにかく避難しろ」と指示したのであれば、
その後、速やかに、ペットを救出する策を明確にするべきなのに、そうしなかったことにある。

もし行政がボランティアと連携し、速やかにペット保護システムを構築すれば、
個人のボランティアが潜入するように事態にはならなかっただろう。

これは、自発的ボランティアに頼るようなレベルの話ではない。

今回の震災をふまえ、今後同様な事態が(決して起きてほしくはないが)発生したとき、
人間の次でもいいが、ペット・家畜も救うシステムも、行政が構築する必要がある。

震災がないときから、ペットロス、アニマルセラピーという言葉は存在している。
災害下における飼い主とペットの関係、その問題の重要さを認識するためにも、
本書はもっと読まれる必要がある。


最後に、関連するホームページを紹介したい。
多くの団体では、Amazonで支援物資の注文や、寄付(ギフト券)が可能である。

なお、ざっと検索しただけなので、その活動内容については、それぞれご判断いただきたい。


ねこさま王国
 本書の中心人物、中山ありこ氏のホームページ

にゃんこはうす
 中山ありこ氏が設立した猫のシェルター。

福島被災動物レスキュー RAI

東北地震犬猫レスキュー.com 


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category: 災害

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