ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

「衝動買い」が止まらない!  

「衝動買い」が止まらない!
金子 哲雄,「商業界」編集部



僕は甘いモノが好きだ。疲れを感じた時は、ついチョコ菓子を買ってしまう。
また、DVDとかを観る時には、炭酸系飲料(ノンカフェイン)とポテトチップスは欠かせない。
これらを買いに近くのイオンへ行くが、つい余計なモノまで欲しくなる。

また、嫁さんと買い物に行くと、「あれ無かった?」「これ良さそうだね」と、
予定外のモノを買ってしまう。

自分では以前ほど散在していないつもりだし、
衝動買いなんてしないと思っているが、現実はそうではない。

いったい、どうして「衝動買いがとまらないんだろう?」と、
まさにタイトルそのものの疑問を抱き、本書を手にした。

本書は、風のように現れ、風のように去ったような印象がある、
流通ジャーナリスト・故金子哲雄氏の原稿を、雑誌「商業界」編集部がまとめたもの。

媒体がビジネス系なので、本書は、

いかなる「衝動買い」があり、
それを引き起こすにはどのような工夫が必要か

という、衝動買いを起こさせる立場から書かれている。

だがそれだけに、僕ら購買者からすれば、
手品のタネを見るようなもの。
店舗のどのような工夫で僕らが衝動買いしているか、くっきりと分かってくる。

また、例えば小売店のセール時に見かける
邪魔陳列やジャンブル陳列、段ボール陳列。
これが、その陳列そのものが「安さ感」を煽っていると意識するかどうかで、
衝動買いのリスクは変わってくると思う。

4月から消費税も増税となるし、
いれまで以上に、衝動買いに気をつけなければならない。

また、自分の子供たちにも、衝動買いを避けるよう教えなければならない。
そのテクニックとして、本書は極めて有用だろう。

なお、残念ながらネットショッピングにおける衝動買いについては書かれていない。
2012年に死去してしまった金子氏が、現在やこれからのショッピングをどう分析するか、
見てみたかったと思う。

なお、金子氏の自身の死に対する誠実な向き合い方は、とても貴重なもの。
先入観を排除して、ぜひ読んでみていただきたい。
(レビューはこちら)

【目次】
はじめに―「需要創造」こそが不況脱出の鍵となる
序章 現代の買物は7割が衝動買い
・需要創造のキーワード
・現代は衝動買いの時代
・必要に迫られた商品購入などほとんどない
第1章 衝動買いする顧客を科学する
・ライフスタイル連想要因の衝動買い
・利便要因の衝動買い
・価格要因の衝動買い
・機会損失回避要因の衝動買い
・生理的要因の衝動買い
・トライアル要因の衝動買い
・リラックス要因の衝動買い
・顔見要因の衝動買い
・デザイン要因の衝動買い
第2章 需要を創造する売場をつくる
・需要を創造する仕組みは構築できる?
・「インストアプロモーション」のマジック
・衝動買いを誘発するフロアレイアウトの秘密
・需要を創造する陳列のマジック
・需要を創造するPOPのマジック
・需要を創造するデジタルサイネージ、店内放送のマジック
・衝動買いを誘発するディスプレーのマジック
・情報化社会における「口コミ」の在り方
・情報化社会における顧客の囲い込み
・広く浅い特典→深く狭い特典
・広く浅い特典→より広く、浅い特典へ
・囲い込まないことが「囲い込み」につながる
第3章 衝動買いマネジメントの上級店に学ぶ
・「ドン・キホーテ」から学ぶ衝動買いのマジック
・ドン・キホーテ、その急成長の歴史
・衝動買いを引き起こす2大鉄則
・「激安超特価商店街」に学ぶ衝動買いのマジック
・圧倒的な「価格優位型」衝動買い喚起
・不定期なリアルタイム更新で集客
・“お得度"が分かる消費者目線のレイアウト・記事
・衝動買いを引き起こす街
・東京が世界に向けて発信する5つの商店街
・単品強化型商店街ブランドイメージをつくる
・好きな者同士が集まる“趣味嗜好型商店街"が生き残る
・街全体でジャングル陳列、量感陳列しているようなもの
・世界に向けて発信する商店街になれ
第4章 需要創造マネジメントCASE STUDY
・「需要創造型ビジネス」の実例
・「婚活福袋」
・自動車会社視点に学ぶ
・共働き家庭が家事代行サービスを頼まない理由
・「ufufu girls」など「世代別の集客」
・埋もれている需要を発掘する
編集部あとがき―金子哲雄氏からのメッセージ―

【メモ】
p30
関連陳列…ビールの隣にポテトチップスのように、顧客利便性と衝動買いを狙った陳列

p36
潜在的に欲しかったものが、自分の考える相場より安いときに購入してしまう
→価格要因による衝動買い

p42
このチャンスを逃すといつ買えるかわからない
→機会損失回避要因による衝動買い

p47
五感が刺激される(匂いなど)
→生理的要因による衝動買い

p80
「衝動買いを計画的に引き起こす」
→買い物における衝動買い比率が大きいことに30年ほど前に気づき、
 15年ほど前から店頭マーケティングとして体系づけられだした

p95
邪魔陳列・突き出し陳列
→顧客と商品のコンタクトポイントを増やす。
ジャンブル陳列・段ボール陳列
→陳列に余計なコストをかけず、また安さをイメージさせる

量感陳列
→大量に並べ、安さ、売れ筋をアピール

エンド陳列/裏エンド陳列
→スーパーなどの商品ゴンドラの端。壁に面した側がエンド、
内側の向かい合うゴンドラの端が裏エンド。

p103
「ザイオンス効果」
→「人は、接触した回数が多いほど、仲良くなれる」
商品でも何回も接触することで、購買意欲が増す

p156
「何かお探しですか」と百貨店的に接触するよりも、
野放し接客の方が衝動買いしやすいことは、アメリカでの実験で明確になっている。
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