ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

実録! あるこーる白書  

実録! あるこーる白書
西原理恵子,吾妻ひでお



僕は酒が飲めない。一滴もという程ではないが、ビールをコップ1杯飲むとアウトだ。
だがそれよりも、
自分を律せなくなること、記憶を失うことが心底怖い。

ついでに言うと、
無実の罪で誤解されるというシチュエーションも怖い。
映画やドラマで、正義の味方が誤解される話がよくあるが、あれに出会うと逃げたくなる。

これらを総合して、たぶん前世か守護霊だかが、
酒を飲んで、意識を失っている間の行為で、罪に問われた経験があるのではないか、と思っている。
だから、酒が飲めない、飲みたくないというのは僕のごく個人的な感情であり、
別に世間一般の酒好きをどうこうという気持ちは全くない。
ぜひ僕の分まで楽しんでいただきたい。

しかし、楽しみを超える人もいる。
「アルコール依存症」とされる人々だ。

「依存」という言葉から、自己を律する力が足りない、つまり自己責任のような響きがある。

そうではない。「依存」などという意思の問題ではなく、それは病気なのだ。
花粉症患者が花粉アレルギーを意思の力で克服できないのと同じく、
アルコールに対して、自身のリミットを知らないうちに超えてしまった人は、
意思の力で絶つことなど不可能なのだ。

それを意思の問題と周囲が誤解することで、「アルコール依存症」は悪化する。
やめさせるために、ただ責める人。
アルコールによる心身の故障をカバーする人。
これらは結局、依存症を加速するだけである。

吾妻ひでお氏は、1980年代前後に輝いたSF・ロリコン・ナンセンス系漫画家。
その後低迷、アルコール中毒になり失踪、ホームレスに。その頃の状況を描いたコミックが有名。
僕も読んだが、悲惨だがそれをも軽やかに描くこのコミックは、昔の破綻系私小説そのもの。


西原理恵子氏は、「毎日かあさん」などで有名。
僕は「まあじゃんほうろうき」で存在を知った。これも破綻系私小説。
夫の鴨志田氏がアルコール依存症であり、離婚。再同居の後、鴨志田氏はがんで死去している。


本書では、二人が「アルコール依存症」を取り巻く状況を、具体的かつ包み隠さず語る。
吾妻氏が依存症を克服する過程や、
西原氏の漫画では描かれない、鴨志田氏の「アルコール依存症」の真の姿など、
初めて知る事実も多い。

依存症患者にではなく、
酒好きに振り回されている家族に、ぜひ読んでいただきたい。

本書により、「アルコール依存症」が「病気」と知ることで、
一人でも多くの方が、一刻も早く救われることを願う。

【目次】
第1章 依存前日譚:あなたにとってお酒とは
第2章 依存症体験録:やめられないとまらない
第3章 依存症風雲記:なんと体は正直な!
第4章 依存体質見聞:優しいだけでは破滅する
第5章 病棟事情拾遺:認める決意がありますか
第6章 集団的治療圏:酔えない日々の過ごしかた
第7章 恒久依存対処法:すべらない話をしよう
第8章 依存談議結論:明日のために啓蒙を!
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category: 医学

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