ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義  

この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義
池上彰




僕が各書籍に抱く感想は、もちろん僕固有の知識・体験に影響される。
読書論に話を広げるつもりは全くないが、一つのテキストに対して、読み方は千差万別だろう。

ただ、フィクションならともかく、
ノンフィクションにおいて、同じテキストに対する読み方が様々なというのは、あまり有り得ない。

もし発生すれば、それはテキストの質か、読み手のバックボーンが原因だろう。

もちろん、「知らないことを読む」のがノンフィクションの醍醐味だから、
読み手のバックボーンが著者と一致するはずはない。
しかし、著者が常識と思っている事項については、読み手との溝は、読み手が埋めるしかない。

現実において、他者や、この世界を理解することも、そういうことかなと思っている。

自分のまわりには深い溝がある。
それを埋められるのは、自分だけ。

ただ、できる限り埋めても溝が残り、理解しえないのなら、
それは仕方がないと思う。

僕が若い頃は文学畑だったのに、
いつしかノンフィクションや実学に傾倒していったのは、
たぶん溝の存在と深さに圧倒されて、焦っているためかもしれない。

本書は、「池上彰教授の東工大講義 学校では教えない「社会人のための現代史」」(レビューはこちら)の姉妹編。

2011年以降の課題である「復興」、「原発」、「対中国・韓国」、「バブル(アベノミクス」)などを足掛かりとして、戦後史のポイントを説明するもの。

「社会人のための現代史」と同様、池上氏らし完結で丁寧な説明がなされている。
主観を語る時も、公平性・客観性・中立性に配慮した書きぶりで、「記者」としての立ち位置の堅実さに安心感を持って読める。

僕が自意識を持ったのは80年代以降。だからあさま山荘事件とかまでは、全く記憶にない。
しかし、学校では深く教わっていない。
でも現代は、戦後体制のうねりの結果だから、やはり戦後史を知らないとよく分からない。
本書はその溝を埋める「教科書」として、特に2014年現在、45歳くらいまでの世代に役立つと思う。

ただ本書では、オウム真理教や各種犯罪についての言及は少ない。
たぶんそれらも、今後の日本を理解するには、重要なポイントになると思う。
これらに対する解説はあるのか、探してみたい。

【目次】
1 事故からわかる「想定外」のなくし方
2 どうやって敗戦の焼け跡から再生したのか?
3「軍隊ではない」で通用するのか
4 55年体制から連立政権ばかりになったわけ
5 米軍は尖閣諸島を守ってくれるのか?
6 エネルギーが変わるとき労働者は翻弄される
7 “普通の関係”になれない日韓の言い分
8 学校では教えない「日教組」と「ゆとり教育」
9 日本はなぜ不死鳥のように甦ったのか
10 経済発展と人の命、どちらが大事ですか?
11 米軍基地はどうして沖縄に多いのか
12 1968年、なぜ学生は怒り狂ったのか
13 日本列島改造は国民を幸せにしたか
14 アベノミクスはバブルの歴史から学べるか
15 なぜ日本の首相は次々と替わるのか
内容(「BOOK」データベースより)
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