ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

人体 失敗の進化史 (光文社新書)  

人体 失敗の進化史
遠藤 秀紀
【良かった度】★★☆☆

人体 失敗の進化史 (光文社新書)人体 失敗の進化史 (光文社新書)
(2006/06/16)
遠藤 秀紀

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 二足歩行とでかい脳。人間を特徴付けるこの2つの形態を獲得するため、どのような「無理な」設計変更をしたのか。本書は肩の骨や大腿骨の間接構造、かかとの巨大化など、人間という生物形態が、元々四足歩行だった哺乳類から、いかなる進化を遂げてきたのかを解説する。

 進化がいかなるメカニズムで進むかという進化論は面白い。しかしそれは、かなり膨大なタイムスケールの話であり、なかなか実感は伴わない。
 一方筆者は、動物の遺体を丁寧に解剖し、その形態を比較してきた。最終章では「遺体科学」という言葉を使っているが、そうした実物を相手にして積み上げた経験の中から、「実際にはこれがこう変わった」という具体例を提示する。ほほうなるほど、と感じることしきりであった。ちょっと文章にくせがあるが(客観的事実だけでなく、著者の口上も多い)、一読しておくと、自分のでかい足の親指と踵に愛着を抱くと思う。

 なお動物の遺体を解剖し、様々な発見を重ねていく、というスタイルは、森口満、川口敏などの著書がある。いずれ紹介できたら、と思う。
 ちなみに川口敏は、BIRDER誌に「鳥の形態学ノート」という連載をしており、本書著者と同様に、鳥の形態を解剖学的な見地から解説している。非常にオリジナルな連載で面白いので、本屋でBIRDER誌を見つけたら、読んでみていただきたい。あと川口敏は実は知人であるが(もう長らく会っていないけど)、本人も非常にオリジナルであり、その生き様は天晴れと感嘆する一人である。


序章 主役はあなた自身

第1章 身体の設計図
1-1 肩の骨の履歴
1-2 ハートの歴史

第2章 設計変更の繰り返し
2-1 五億年の戸惑い
2-2 骨を生み出す
2-3 音を聴き、ものを噛む
2-4 四肢を手に入れる
2-5 臍の始まり
2-6 空気を吸うために
2-7 天空を掌中に

第3章 前代未聞の改造品
3-1 二本足の動物
3-2 二足歩行を実現する
3-3 器用な手
3-4 巨大な脳
3-5 女性の誕生

第4章 行き詰まった失敗作
4-1 垂直な身体の誤算
4-2 現代人の苦悩

終章 知の宝庫
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