ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

オーロラ 宇宙の渚をさぐる  

オーロラ 宇宙の渚をさぐる
上出 洋介



オーロラは、人を魅了する。
このご時世、映像では何度も見ているけれど、テレビで放送されるとつい見てしまう。
2度と同じものがない、という刹那感と、
音がないという静寂感。おそらく日々の生活ではなかなか得られないものが、そこにある。

本書はオーロラに関する知識をダイジェストに並べたものではなく、
著者のオーロラ研究をふまえて時系列に整理されたもの。

こういうつくりの本は、著者がどのレベルの人かということで楽しみが左右されるのだが、
本書の著者は、まだ地上観測しか手段がない時代からオーロラに魅了され、
アラスカ大学、コロラド大学、アメリカの国立宇宙環境研究所、国立大気科学研究所などで、
常にオーロラ研究の第一線にあった人。

すなわち本書は、極めて良質のオーロラ研究史と言ってもいいと思う。
その取り上げるレベルも高く、数式そのものは出てこないにせよ、
かなり高度な計算方法・分析方法がさらりと使われるので、
すっと理解できる人は少ないのではないだろうか。
正直、僕は無理だった。

しかし、そうした細かいな原理は別として、
著者らによる研究によってオーロラがどんどん解明されていく興奮は、
存分に楽しめる。

何より、宇宙の渚、という言葉がいい。

【目次】
オーロラ研究の展開と転回―美学から科学へ
第1部 美貌の夜空を見上げる
第2部 オーロラを「上」からつかまえた!
第3部 「宇宙の実験室」へようこそ
星の欠片である生命の灯を絶やさないために

【メモ】
p33
オーロラという名前は、地上の生物に夜明けや希望をもたらすギリシャ神話の女神オーロラAuroraに由来すると言われる。名付けたのはガリレオと言われている。

p53
1859年9月1日、太陽の大黒点近くで大きなフレア。17時間後に世界中で大きな磁気擾乱。ハワイやキューバ、日本では和歌山あたりでもオーロラが見えた記録がある。

p58
オーロラの色は、宇宙から入るプラズマ粒子が地希有の上層大気の原子・分子にぶつかって生じる。
酸素原子→白っぽいグリーンや赤
窒素分子→赤や青、鮮やかなピンクや紫。
→すなわち、地球の大気だからこそこの色のオーロラが見られる。

p150
太陽の中心は1500万度、外側表面では6000度。しかしその数千m上空のコロナは100万~1000万度。
どうしてこうなるのかは、未だに解明できていない。

日本(低緯度)からは、オーロラの上半分の赤い部分のみを地平線付近に見るため、赤色のオーロラが見える。(赤気。)

p155
R.R.Baker(「鳥の渡りの謎」の著者)→著者への私信
「これほど多くの動物が磁場の影響を受けていることが知れると、ひとり人間だけがこの地球で例外者であると仮定する方が非現実的です」
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