ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

スズメ―つかず・はなれず・二千年  

スズメ―つかず・はなれず・二千年
三上 修




スズメの謎: 身近な野鳥が減っている!?」(レビューはこちら)と同著者によるスズメ本。
日本のスズメ個体数を推測したということで、一時よくニュースにも取り上げられたので、
どこかで耳にした人も多いだろう。

本書は岩波科学ライブラリーらしくコンパクトでわかりやすくまとまっているため、
スズメについて詳しく知りたい人には良い入門書である。

前著との違いとしては、本書では日本人とスズメとの歴史(文学や宗教・伝統面)や、スズメの生態についても触れている点。またスズメの営巣場所事例はカラー写真を用いており、こちらの方がわかりやすそうだ。
それを踏まえると、

おそらく、研究手法や背景を知りたい人は前著、
スズメそのものについて多面的に知りたいのは本書、と考えればよいだろう。

少なくとも、著者のスズメ研究については、新しい知見が盛り込まれてはいないようだから、
前著を読んだ人が、あえて手を出す理由は少ないと思う(文化面が知りたいなら別である)。

スズメについていえば、今春我が家の巣箱でも繁殖した。本当に身近な鳥である。
しかし鳥類標識調査などでは、本当に賢い鳥だと実感する。人間の捕獲圧が強かったせいか、
人間から逃れようとする意識とテクニックは、他の鳥よりも強いと感じている。
また、平べったく丸い頭、コンパクトで丸い翼と、
ちょこまかと動くのにぴったりの体形だ。

僕の調査実績の中では、香川県丸亀市土器川河口にいた個体が、91日後に三木町まで移動した事例がある。と思えば、土器川河口でそのまま居続ける個体もいる。

身近なくせによく分からない鳥。
皆さんにもじっくり見ていただきたい。

○同著者による先行本。調査について詳しく知りたい方はこちら。


【目次】
1 スズメの誕生
2 スズメの素顔
3 人がいないと生きていけない?―奇妙な鳥、スズメ
4 日本史の名脇役―微妙な距離で二千年
5 農害鳥スズメ
6 スズメが減ってるって本当?―スズメ受難の時代
7 人とスズメの未来
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