ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

すてきな地球の果て  

すてきな地球の果て
田邊 優貴子



本書は劇的な内容ではない。新しい知見が紹介されるわけでもない。
しかしながら、本書はアタリである。
装丁、内容、写真、どれをとっても「手元に置いておきたい一冊」と感じてやまない。
気持ち良い読書がしたいと思っている方は、ぜひ購入されたい。1,600円では安いくらいだ。


さて、著者は植物生理生態学者として、南極や北極でフィールドワークを行っている。
しかし本書は、その専門分野について詳しく語るわけではない。
本書は一人の人間が、
「感情や情熱を抑え込むことをやめてみよう。」と考えた結果、
憧れの極地をフィールドにできるようになった過程、その悩み、葛藤、喜びが綴られている。

つまり、旅の記録なのだ。

純粋だが骨太な、その情熱に支えられた極地への眼差しはとても優しくて、
本書の1/4程度を占めるカラー写真(著者が撮影したもの)は、
写真家によるものとは、また異なる美しさがある。
極地ならではの、「静謐さ」が閉じ込められているようですらある。

南極大陸への初めての一歩。
ユキドリやペンギンの生き様と、時折目にする厳然たる死。
キョクアジサシ。
アザラシ。
そしてオーロラ。

疲れたとき、旅に出たいときに、そのつど開きたくなるだろう。
久しぶりに品のある、上質な本であった。

【目次】
はじめに
第1章 僕が旅に出る理由
第2章 果てしない南極海の氷原で
第3章 ユキドリの舞う谷
第4章 音が融けだす世界
第5章 ラングホブデをあとにして
第6章 北緯79度の花畑
第7章 南極から北極まで旅する鳥
第8章 季節のありかを教えてくれるもの
第9章 水玉がはしゃぐ湖へ
第10章 南極の森
第11章 生と死の風景
12章 人間の時間と地球の時間
おわりに
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