ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

誰かに話したくなる恐竜の話  

誰かに話したくなる恐竜の話
平山 廉



鳥類=恐竜という見解が認められつつあることから、
これを踏まえた書籍のニーズが高まっているか、最近、恐竜ものの新刊が多い気がする。

内容的には重複があるものの、こうした「最新情報」というのはありがたいものであり、
研究の最前線を知ることはワクワクするものだ。

また、これまで知らなかった情報も含まれていることがあり、
自分なりに全体像を把握することに役立つ。

さて、本書もそんな最新知見本のひとつ。
仮説的な見解もあり、今後10年・20年経てば結論がでるかもしれない部分も多い。
だからこそ、早めに読んで楽しむのが正解だろう。

本書では、恐竜の構造的な特徴から、その生活史を推測していく。
首が長い竜脚類は、実は高く首をあげていなかった、とか、
竜脚類が群れを作ったか否か、という点についても、説得力のある説が提示されている。

中でも、
夜行性の哺乳類を捕食するために、小型獣脚類が保温のために羽毛を獲得した、という説は、
獣脚類が何を捕食していたかという面が考慮されており、興味深い。

また、ステゴザウルスが糞食性だったのではという説も、一見突拍子もなさそうだが、脳の大きさ、代謝率、歯の特徴など納得できる論拠が示されている。確かに大量の草食動物の糞を処理する動物は必要だし、そこに着目したのは鋭い。

他、僕としては、子どもの頃慣れ親しんだブロントサウルスが最近の図鑑等で見かけないので、そこはかとなく不思議に思っていたが、それが解決したのが収穫。
ブロントサウルスが存在しなかったとは…。


なお、著者には、「カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化」という本もある。
こちらも読んでみたいと思っているのだが、まだ未入手。


恐竜と鳥の関係について、より詳しくはこちら(レビューはこちら)


羽根という不思議な存在を掘り下げるにはこちら(レビューはこちら)



【目次】
第1章 ティラノサウルスには羽毛があった
第2章 恐竜とはどんな生物なのだろう
第3章 恐竜が生きていた時代
第4章 巨大化を続けた恐竜の不思議
第5章 鳥と恐竜のあいまいな境界
第6章 恐竜はなぜ絶滅してしまったのか


【メモ】
p37
(著者の説)
獣脚類から逃げるため、哺乳類が夜行性になった
→哺乳類を主食とする小型獣脚類も夜行性になった
→夜間の保温のため、羽毛が発達した

大型獣脚類の場合でも、孵化時は大きくても70cm程度
これが10mまで成長するには最低でも10年必要
その間(体の小さい子供の間)は夜行性の哺乳類を捕食するため羽毛が必要

→これが副次的にディスプレイのために発達した

p59
オスニール・チャールズ・マーシュ(アメリカ)
1877年 アパトサウルス発見
1879年 ブロントサウルス発見
1903年 アパトサウルスとブロントサウルスが同一種と判明
    →名称はアパトサウルスに統一
    →ブロントサウルスの知名度が高く、これが一般に使われる
? 年 ブロントサウルスは、アパトサウルスの胴体にカマラサウルスの頭を付けたものと判明
    (他にも複数種の混入が判明)
    →そもそもブロントサウルスという生き物がなかったことが判明
近年  本や博物館でもアパトサウルスを使用    

p83
(著者の説)
ステゴサウルス/
他の植物食恐竜に比較し、歯が小さくて貧弱。アゴの力も弱い。
歯がほとんど摩耗していない。
脳がひときわ小さく、代謝が低かったと考えられる。
鈍足だった
→他の植物食恐竜の糞を食っていたのではないか

p91
多くの生物の寿命は歯で決まる
人間:35-40年程度で(永久歯は)使い物にならないのでそのくらい
恐竜は歯が抜けても次々と生えるしくみを持っている

鳥類に感染する寄生虫トリコモナス
主にカワラバトに寄生、カワラバトは耐性があるが、これを捕食した猛禽類が感染すると
口内が潰瘍だらけとなり、最後には下あごに穴が開く

ティラノサウルスやそれに近い獣脚類の化石からも、下あごに穴の開いた化石がある
トリコモナスかそれに似た寄生虫に感染したと思われる

p146
体積の大きさによる体温維持=慣性恒温性
ただし竜脚類は、体内でバクテリアによる植物分解を行っていたので、それなりの恒温性は持っていた

p196
翼竜は三畳紀の後期から出現するが、どのような進化によったのか不明
(途中段階の生物が見つかっていない)

p205
鳥類も恐竜も、骨格のみでは識別困難

p217
大量絶滅時、カメ類、鳥類、トガゲ類はほとんど影響を受けていない
(→鳥類も大打撃を受けていたらしいことが判明しつつある
そして恐竜は鳥になった: 最新研究で迫る進化の謎
http://birdbookreading.blog.fc2.com/blog-entry-259.html)
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