ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

世界でもっとも美しい10の物理方程式  

世界でもっとも美しい10の物理方程式

ロバート・P・クリース (著), 吉田 三知世 (翻訳)
【手ごわい度】★★★★


世界でもっとも美しい10の物理方程式世界でもっとも美しい10の物理方程式
(2010/04/22)
ロバート・P・クリース

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 関心や知識があるほど、その分野の本を読むことはたやすく、楽しい。
 
 しかしそれだけでは、視野が狭くなるし、新しいアイディアも得ることができない。10冊に1~2冊は、自分とは縁がない分野に手を出したい。

 そこで「フェルマーの最終定理」を読了し、同時平行で「放浪の数学者」(未読了)も読んでいるため、自分に若干の数学的語鐙に対する慣れが残っているうちに、以前から興味があった本書を手に取った。

「最も美しい」のはどんな式か?それが選ばれる基準は何か?というのが興味の出発点である。

目次は以下のとおり。
 第1章 文明の礎―ピタゴラスの定理
 第2章 古典力学の魂―ニュートンの運動の第二法則
 第3章 科学革命の頂点―ニュートンの万有引力の法則
 第4章 数学的理想美の基準―オイラーの等式
 第5章 科学におけるシェークスピア戯曲―熱力学第二法則
 第6章 一九世紀最大の出来事―マクスウェルの方程式
 第7章 方程式のセレブ―E=mc2
 第8章 金の卵―アインシュタインの一般相対性理論の方程式
 第9章 量子論の基本方程式―シュレーディンガーの方程式
 第10章 不確定性と共に生きる―ハイゼンベルクの不確定性原理
 おわりに 奇妙なものを持って帰る


 各章では主に、それぞれの物理方程式が見出された課程が描かれている。現在の物理学の進捗にあわせるように、最初の数項目は馴染みのある、知覚可能なこの世界の自然科学的「真理」が数式化されている。しかし項が進むにつれ、知覚できない世界をも含む真理を表す物理方程式となる。それらの概念は何となくわかるとしても、表現された数式の持つ意味は、僕には既に理解できない。
 ただ上記のとおり、個々の物理方程式があらわす概念は、どこかしらで目にしているものである。これらの意味と成立過程を概観しておくことは、決して無駄ではないだろう。

 しかし、この本を手に取るきっかけとなった、この10の方程式が「美しい」とする基準は明確にされていなかったと思う。これの数式は確かに重要であり、各概念の到達点という意味では、比類なき数式である。しかしそれが美しいか否か、それはまた別の話だろう。ここまで重要な数式でないとしても、その美しさゆえに人々が感嘆するような数式が他にもあるのではないか、という感じはした。その点で、本書は「美しい」物理方程式ではなく、「重要な」物理方程式を集めていると思われる。

 数式の中に「美」を見出す行為について知りたいという興味からすれば、ややミスリードなタイトルかと思う。それにしても、こうしたアルキメデスの定理から、最後のに至るまでの、人間の知的展開の複雑さと高度化には、驚くばかりである。
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