ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

微生物ハンター、深海を行く  

微生物ハンター、深海を行く
高井研



近年、科学界のインディ・ジョーンズこと長沼毅氏によって、
深海や南極・北極、砂漠という極限環境の生物がクローズアップされている。
特に深海生物、チューブワームとかシロウリガイとか好熱菌とか、
これまで語られることがなかった生物までTVで聞くこともある。

そこに、ダイオウイカである。
この巨大生物のおかげで、一挙に深海ブームとなったらしい。

この流れに乗って、深海探査の立役者、
「しんかい6500」を有する独立行政法人海洋研究開発機(JAMSTEC) がらみの書籍も刊行が続いている。

本書もその一環だなあ、と思い軽く手に取ったのだか、
予想を裏切られた。

長沼氏に劣らず強烈なキャラクター、
天才(だってご本人のツイッターがそうだから)であり、
スタンドはスター・プラチナである(「ジョジョの奇妙な冒険」をご存じでない方はごめんなさい)。
高井研氏の登場である。
何で深海関係ってこんなに濃い人が多いのかなあ。

本書は高井研氏が研究を志し、現在に至るまでの試行錯誤・研究遍歴をあからさまに綴ったもの。
その文体は独特であり、ジャンプとか漫画ファンなら楽しめるが、
人によってはかなり拒絶するかもしれない。

でも、一人の最先端研究者の人生という、希有な読み物である。これを読まない手はない。

また高井氏も書いている通り、そもそもこの本は研究を志そうかなあという若い方こそ、
読んでおくべきだろう。

研究者になるにはどのような苦労があるか、ということも綴られている一方、
どんなにワクワクする出来事があるか。

努力と工夫次第で、道が拓けるかもしれない可能性は、誰にでもある。
もし研究者になりたいという夢があるなら、とにかく若いうちはそれを追いかけてもいいんじゃないだろうか。そんな気にさせてくれる、応援歌のような本でもある。

僕はもちろん高井氏のターゲットである読者層ではないけれども、
調査研究したいなあという昂ぶってきたし、
とても楽しく読ませていただいた。

本当に、高校生と大学生には、強くお勧めする。






【目次】
第1話 実録! 有人潜水艇による深海熱水調査の真実
第2話 JAMSTECへの道 前編
第3話 JAMSTECへの道 後編
第4話 JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語
第5話 地球微生物学よこんにちは
第6話 JAMSTECの拳―天帝編―
最終話 新たな「愛と青春の旅だち」へ

特別番外編
特別番外編1 「しんかい6500」、震源域に潜る
特別番外編2 地震とH2ガスと私
特別番外編3 極限環境微生物はなぜクマムシを殺さなかったのか
特別番外編4 25歳のボクの経験した米国ジョージア州アセンスでのでんじゃらすなあばんちゅーる外伝
特別番外編5 有人潜水艇にまつわる2つのニュース

【メモ】
p39
「科学の原動力は感動であることを再認識した。」玉木賢

p57
超好熱菌 80℃以上の高温で一番活発、中には100℃を超えないと動かいない細菌もいる
これらの菌のタンパク質は100℃以下ではカチカチに凍ったような状態
20種類のアミノ酸の組み合わせで、その繋ぎ方が違うだけで一方は100℃で機能を失った変性タンパク質になり、一方は活発に機能する。

PCR法は、好熱菌や超好熱菌が持っている、高温で壊れずに働くDNAポリメラーゼというタンパク質がキモ。


<近縁としてお勧め>










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