ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

自然科学30のなぜ?どうして?―国立科学博物館の展示から  

自然科学30のなぜ?どうして?―国立科学博物館の展示から
国立科学博物館



国立科学博物館は、聖地である。

長い間行きたかった。東京出張にあわせて何とか数年前に行けたのだが、
その広さ、質に圧倒された。

いつか子供を連れて来たいと、地方在住者としては強く思った次第である。

しかし、僕が専門の鳥類と、ある程度知識のある動物はともかくとして、
あまり知識の無い分野のものについては、その展示の多くの価値を十分堪能できなかった。

そこでとりあえず読んでおきたいのが、本書である。
タイトルこそ「30のなぜ? どうして?」と良くある雑学本のように見えるが、
むしろ

「国立科学博物館 とりあえず押さえておきたい30の常設目玉展示」

という方が適切だろう。

様々な分野について、同館学芸員が展示標本の来歴、展示の苦労話なども交えながら紹介しており、
ガイドブックとして最適である。

巻頭はニホンオオカミ。
「きちんと調査されていないから、まだいるかもしれない可能性も高いと思う派」の僕としても、
ニホンオオカミの剥製は、国立科学博物館で一番見たかった展示である。

※本書の内容からはそれるが、ちょっと蛇足。
剥製を見ると分かるが、一般的な(西洋的な)オオカミのイメージと、ニホンオオカミはかなり異なる。
たぶん多くの人は、山中でイヌ科動物の死体があっても、西洋的なオオカミでなければ、
そもそも「ニホンオオカミかも?」と思うことすら無いだろう。
ニホンカワウソと比して、「一目では分からない」にも関わらず、「一目で分かる」という誤解が、
ニホンオオカミを再調査するまでもなく「絶滅したのがわかる」という先入観の原因ではないだろうか。


さて、本書ではこのニホンオオカミを初め、
科学博物館の目玉的展示-門外漢だと軽くスルーしがちな展示-も多く掲載されており、
次回はより深く楽しめることと思う。

もし今後も国立科学博物館へ訪れる可能性がある方は、
ぜひ先に読んでおいて損はない1冊である。

【目次】
消えたニホンオオカミ
日本の精密機械技術の粋、からくり人形と万年時計
日本で最初のテレビジョン
日本初の人工衛星「おおすみ」とラムダ・ロケット用ランチャー
世界最大のカニ、タカアシガニ
全長八メートルを超えるダイオウイカ
シメコロシノキは本当に「絞め殺す」のか?
ヒマラヤの高山植物、セイタカダイオウ
ジャイアントパンダ
生きている化石、シーラカンス
シメナガスクジラとマッコウクジラ
人気恐竜、トリケラトプス
三葉虫の繁栄
パシロサウルス・ケトイデス
猿人「ルーシー」と、仲間たち
古代ポリネシアのダブルカヌー、「カフリアウ」
隕石と月の石
ウィルソンの霧箱
フタバスズキリュウ
アンモナイトの海
日本列島の岩石
日本最大の蛾、ヨナグニサン
石英(日本式双晶)
いろいろなハブと生物の分布
日本人の起源(古人骨出土地図)
コウジカビ(拡大模型)
ヤブツバキとユキツバキ…ふたつの変種の謎
天球儀・地球儀
フーコーの振り子
国立科学博物館日本館
関連記事
 このエントリーをはてなブックマークに追加

category: ノンフィクション

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://birdbookreading.blog.fc2.com/tb.php/242-6d17c4bc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

中の人

アクセス

RSSリンクの表示

最新記事

カレンダー

アクセスランキング

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム