ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

最新 クラゲ図鑑: 110種のクラゲの不思議な生態  

最新 クラゲ図鑑: 110種のクラゲの不思議な生態
三宅 裕志,Dhugal J. Lindsay



またまた変な生き物シリーズである。クラゲ。
海に行くと波間に浮かんでいたり、
砂浜に打ち上げられていて、
毒があるのか無いのか分からず、
でも触りたいような気もして葛藤するヤツである。

本書は「最新」としているが、内容を確認すると分類が最新の知見を踏まえたもののようである。
「かつては○○の仲間だったが、現在は△△の仲間に分類されていて…」と、
一般人には全く有用ではないが、分類好きには「へーっ」、「ほーっ」と意味も分からず興味深い記述が満載である。嬉しい。

写真は全てカラー。110種が多いか少ないかは分からないが、
海岸でみたことがあるヤツは結構掲載されている。たぶん1冊持っておくには十分だろう。
アカクラゲとヒクラゲは、今後も出会う確率大であり、
海へ行く楽しみが増すというものだ。

それにしても、
移動可能な世代と固着世代があり、
環境が悪化するとシストになり休眠する、という生活サイクルは、どこかで見たなあと思ったら
粘菌である。
(レビューはこちら)

両者が同一などという無茶な論理を展開するつもりはないが、
同じような生活サイクルが成立するということは、やはりこういう「生き方」は地球上ではスタンダードの一つなのではないか。
粘菌とのサイズ・移動能力の差は、水中か陸上かで、重力の制約の有無が大きいのだろう。

そう考えると、今後の出会いが更に待ち遠しくなる。


【目次】
刺胞動物門
 鉢虫綱
 十文字クラゲ綱
 箱虫綱
 ヒドロ虫綱
有櫛動物門
 有触手綱
 無触手綱
クラゲの採集と飼育

【メモ】
p16
クラゲは雌雄がある有性生殖世代。ポリプは無性生殖時代。
ポリプは生活環境が悪化すると、シスト(休眠芽)になる。

p24
アカクラゲ
日本各地で見られる。春先。
傘には16本の赤縞。
→沙弥島で見た。

p47
深海のクラゲはなぜ赤い?
赤色光は深海には届かないが、青色光は水深1000mくらいまで届く。
よって深海は暗く青い世界。赤い色を認識する能力が低い(その必要がない)ため、
赤色は保護色となる。

p57
ヒクラゲ
アンドンクラゲと似るが、大型で出現時期が異なる。主に瀬戸内海で見られる。
逆に瀬戸内海では、アンドンクラゲはほとんど見られないと言われる。

p85
マミズクラゲ
熱帯から温帯の湖沼や人工池等に出現。ひとつの場所にオスかメスのいずれかしか出現しないと言われる。
休眠状態のシストが40年後にポリプに再生したという報告もある。
ポリプやシストは水鳥の脚などに付着して運ばれる。
マミズクラゲがどのようにして遺伝子の交配をしているのかは謎。

p104
クラゲは水分が90%以上あるため、アルコール標本には不向き。
おもに3-5%kのホルマリン固定。
しかしクシクラゲの仲間はどうしても標本が崩れ、模式標本が残らない。


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