ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

神々の山嶺  

神々の山嶺
夢枕獏・谷口ジロー




原作は夢枕獏の小説である。
刊行当時、「山岳冒険小説の傑作」と、かなり騒がれたような記憶がある。

いつか読みたいと思っていたが、どうも夢枕氏の文体があわないので、
見送っていた。

そんな中見つけたのが、この谷口ジロー氏によるコミックである。
後書等を読むと、夢枕獏氏もコミックにするならこの人、と決めていたようで、
おそらく原作者のイメージに近しいコミックとなっているだろう。
原作とコミックが乖離しているものが多い中で、これは安心できる、と入手。

実際、まるで映画のようなダイナミックな映像は、本書の内容に極めてマッチしており、
小説版に手を出していない人にもお勧めである。
僕が購入したのは文庫版で、全5冊。Amazonとかなら5巻セットでも売っているし、
たぶん1巻だけで終える人はいないので、まとめて入手する方が得と思う。

さて、内容である。
エベレストを初登頂したか否かが不明なまま遭難したマロリー。
物語は、そのマロリーが残したカメラをきっかけに、
日本登山界で異質な存在であった羽生という男を縦軸に、
自己を喪失しつつある山岳カメラマンの深町を横軸として、
エベレストを舞台に二人の人生がめぐりあい、そして山男として昇華する生き様を描く。

マロリーはエベレストに登頂したのか、という謎もさることながら、
羽生という男は何を求めているのか、
深町はどこへ行こうとしているのか、目が離せない物語が展開されている。

それにしても驚くのは、この羽生のような人間が実際に存在したことだ。
その人の名は森田勝。

森田氏の山男ぶりと、
この希有な冒険小説まで造りあげた夢枕獏のストーリーテラーぶりに、脱帽である。

興味がある方は、できれば5巻入手し、
冬の夜、静かに読破されたい。


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