ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

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山本美香という生き方  

山本美香という生き方
山本美香 日本テレビ放送網




2013.5.26、シリアで殉職した山本美香氏の精神を引き継ぐための賞を創設した、との報道があった。
※例えば「山本美香さんの精神継ごう 賞創設で記念シンポ」(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013052601001718.html

賞の母体は、一般財団法人山本美香記念財団http://www.mymf.or.jp/index.htmlである。


2012年8月20日に山本美香氏がシリアで亡くなった際、日本でもかなり報道があった。
今から思えば、その死を通じて、シリアの混乱ぶりをもっと肌で感じるべきでなかったのか。

その死から1年近くが経とうとしているが、依然としてシリアは内戦状態にある。
残念である、と簡単に書くのもためらわれる。
個人として、また国として何かできることはないかと、山本氏に問われている気がする。

本書は、山本美香氏のジャーナリストとしての在り方を振り返ったものだ。

第一賞、ジャーナリストとしての山本氏が、どのように創られていったのかを知る。
第二章は、まるまる山本美香氏の「中継されなかったバグダッド」が収録されている。山本氏の思い、問題意識を知ることができる。
第三章、バグダッドを踏まえた山本氏の決意を知る。
そして第四章で、山本氏を喪う。

醒めた見方をすれば、
あるカタゴリにおいて、先駆者が道半ばに倒れれば、そこに神話が生まれる。
ましてそれが、まだまだ現役の女性であったなら、なおさらだ。
賞の設立や、相次ぐ書物の刊行など、
美化しすぎではないか、祀り上げすぎではないか、と感じる部分もある。

しかし、こと山本氏に関しては、
神話となって語り継がれる必要があると思う。
いや、むしろ神話として利用してでも、その遺志は受け継がれなければならない。

なぜならば、
悲劇は今も世界中にあるが、
もう山本氏は伝えてくれないからだ。

であれば、これからは自力で知り、止めるように努力しなければならない。

5月30日、国連はシリア政府による人権侵害を強く非難する決議を採択した。
今後、平和的解決-とまで期待はしないが、少なくともこれ以上の犠牲がでない進展があることを願う。


【目次】
第一章 ジャーナリスト山本美香の誕生
 1996年アフガニスタン~2003年バグダッドまで
第二章 中継されなかったバグダッド
 2003年バグダッド
第三章 バトンを受け継ぐものたちへ
 2003年バグダッド以降
第四章 あの日のこと
 2012年シリアにて

【メモ】
p254
シリアについて
「戦場経験の長いジャーナリストたちと話したけど、みんながみんな口をそろえて言うのが、あそこは違った、ということ。何が違ったかというと、とにかく無差別さが違った」
「アサド政権は国民を巻き添えにして心中するもりじゃないか。為政者として常軌を逸している」
「最初からその状況を取材したかった、というよりは、シリアに行ってみて、そういう状況だとわかった。」佐藤和孝氏
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