ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

標本の本―京都大学総合博物館の収蔵室から  

標本の本―京都大学総合博物館の収蔵室から
伊藤存



野鳥観察を初めてしばらく経ってから、落ちている羽根を拾った。
それが何の羽根かわからない。当時は羽根図鑑もなく(洋書のTracks and Signs of the Birds of Britain and Europeだけあった)、手掛かりはなかった。
そこで、とにかく拾い、整理し、写真と地域の野鳥と突き合わせて識別していった。
そんな事をしていると、古巣も見つける。これも集め、識別していった。
また、当時働いていた施設で野鳥のガラス衝突事故による落鳥が多く、これも拾得届を出して全て剥製標本にしていった。
現在、羽根はA4のリングファイルに5冊くらい、巣は20個くらい、剥製は50体くらいある。
これを利用して、野鳥展も2回開催した。
(香川の野鳥を守る会 野鳥展2005、2008
http://www5d.biglobe.ne.jp/~kogera/event/yachoten/yachoten.htm
剥製はガラス衝突事故防止、古巣はビニール紐やテグスの放置防止のアナウンス素材としても活用した。)

また、1993年頃には貝類拾いにもはまっていて、坂出市沙弥島に打ち上げられる貝を集めた。
当時はクチベニガイやなんやかんや、数十種類打ち上げられていた。
しかしその後、海浜が狭まったため一度土砂が入れられ、
以降、打ち上げられる貝殻は激減した。おそらく土砂が流れ出し、一度死滅したのだろう。

これらの資料は、学術的にはなんてことないが、やはり僕にとっては重要なものである。
そしてこうした資料を集める際には、必ずどうラベルをつけ、保存していくかという問題がある。
ラベルがないと、ほとんどゴミになってしまうのだ。

こんな体験をしていると、プロの収集物管理に興味がわく。
しかし一般人が、バックヤードを簡単に見られるものではない。

そこで本書である。

本書は、京都大学の収集標本の保管状況を、なかなかシックな大判写真を用いて紹介する。
個々の標本について細かく解説されるわけではないが、
あたかも、標本室をガイドウォークしてもらうような感じだ。
そこはかとなく、防腐剤の香りさえ漂うような気がしてくる。
役に立つ、という類ではないが、一冊手元にあると楽しめる本である。

なお、「フィールドにて―アカネズミを捕獲して標本をつくるまでのこと」では、
標本化そのものの写真はない。まあ仕方がないか。


【目次】
さまざまな標本がある
同定と比較
求め続ける
フィールドにて―アカネズミを捕獲して標本をつくるまでのこと

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