ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道  

「散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道」
【良かった度】★★★☆
10月5日開始、10月9日読了。


散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
(2005/07/28)
梯 久美子

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 第二次世界大戦で、激戦の場所であった硫黄島。僕は正直、その程度の印象しかなく、「なぜ激戦となったのか」、「どのような激戦だったのか」、そういう問いすら持っていませんでした。しかし本書によって、硫黄島が激戦地となった経緯と必然性を知ることができました。非常に得がたい一冊です。
 現在、世界中がキナ臭い状況となっていますが、日本人としては、先の大戦中にこのような思いで戦い、死んでいった人がいることを肝に銘じ、安易な戦いに突入しないようにしたいものです。

 それにしても、本書の初版は2005年。硫黄島の物語が本書にまとめられ、日本全国で手にとることができるようになるまで、終戦から60年を必要としたということに、改めて深く感じるものがあります。


 蛇足ながら、生き物関係で気がついたことを1点。

 身近な野鳥であるメジロには、国内で6亜種が記録されています(日本鳥類目録改訂第7版)。この中に、亜種イオウトウメジロZ.j.insuralisというのがあります。小笠原群島、硫黄島、南鳥島でしか記録がなく、普通は硫黄島にしか生息していませんので、ほとんどの野鳥好きには全く縁がない亜種です。
 さて一方、現在メジロなどの野鳥の密猟が依然として行なわれており、特に西日本ではメジロの密猟が多発しています。メジロ密猟の摘発にあたっては、押収されたメジロの亜種を鑑定する必要があり、この鑑定に関わる者であれば「亜種イオウトウメジロ」は、ちょっと聞いたことがある亜種です。僕も鑑定に関わることがあるため、この亜種の存在は知っていたのですが、やはり「名前だけ」の存在でした。

 ところが本書の中で、硫黄島へ赴いた軍人の中には、激戦が始まる前のひと時、この亜種イオウトウメジロを捕獲して声を楽しんでいたという記述がありました。

 もちろん言うまでもなく、この戦時中と現在では法整備も全く異なり、こうした事実があったからといって、現在の野鳥密猟が許されるものではありません。
 ただ人と野鳥(メジロ)との関わりの歴史の中には、こうした戦争中ならではのもあったのだなぁと、初めて知ったエピソードでした。
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category: 戦争

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