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生命とは何だろう? (知のトレッキング叢書)  

生命とは何だろう? (知のトレッキング叢書)
長沼 毅

生命とは何だろう? (知のトレッキング叢書)生命とは何だろう? (知のトレッキング叢書)
(2013/01/25)
長沼 毅

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生命とは何だろう? 長沼毅
【長沼節度】★★☆☆

同じみは長沼先生である。
本書は特定の生物や、生物全般に関する話題というより、
「地球生命史」を紐解きながら、長沼氏が「生命」をどう考え、
どう発展してきたと考えているかを語る本である。

進化史を見ていくには良い入門書と思うが、
新しい知見とかを得ようと思うと、ちょっと違うだろう。
長沼氏ファンにはおすすめだが、
そうでなければ、別の本から入られたい。

辺境生物探訪記 生命の本質を求めて (光文社新書)
深海生物学への招待

「辺境生物探訪記」は、まだ本ブログでは取り上げていないが、
こっちの方がたぶん面白く感じるだろう。

なお本書の中でも、「眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く」が取り上げられている。
前から気になっていた本なので、入手した。
来週以降読む予定である(追記:読んだので記事にしてある)。

あと本書では、次のような指摘がある。

p141
思考という行為:比較、類推、関連付け から成る
類推と関連付けは自分の記憶との比較に他ならない
持っている記憶(知識)が多いほど、類推の幅も広がる

とても重要な指摘である。心に銘じておきたい。


【目次】
第1章 われわれはどこから来たのか
第2章 生命とは何か
第3章 進化の歴史を旅する
第4章 何が生物の多様化をもたらしたのか
第5章 人類の未来は「進化」か「絶滅」か

【メモ】
p19
1953年、アメリカ、スタンリー・ミラーの実験「ユーリ-ミラーの実験」
原始大気に含まれていたと考えられるメタン、水素、アンモニア、水蒸気をガラス容器に入れ、
6万ボルトの放電(雷)→1週間後、数種類のアミノ酸が生成
ただし、アミノ酸が50~100個繋がらなければ蛋白質にはならず、そのような再現はない

生命が誕生した場所
→熱水循環説
ただし、アミノ酸に限らず分子がくっついて長くなるときは、ほとんどの場合水の分子が出てくる

(脱水反応)。熱水が生じる海底火山が限られていること、脱水反応が難しいことから、熱水循環説で

は効率が悪く、タンパク質の合成は難しい。

→表面代謝説
海底火山にある黄鉄鉱の表面で生じたとするもの。脱水反応が起こりやすく、
反応が生じる場所も多い。

p32
宇宙起源説の可能性を示すもの
1984年に南極のアラン・ヒルズで発見された隕石ALH84001
火星由来
突入時でも、内部は40~50℃くらい
内部にシアノバクテリアそっくりの化石らしいもの
ただし、サイズが50分の1以下、1個が0.1マイクロメートル
これほど小さい生物は地球では知られていない
長沼氏:0.15マイクロメートルの生物は見つけたので、ありうるのではないか

p40
生命とは何か
「代謝」「増殖」「細胞膜」最近は+「進化」

エルヴィン・シュレーディンガー(「シュレーディンガーの猫」の人)
1944年に「生命とは何か」という本
生命とは「負のエントロピーを絶えず食べる」こと
p59
人間を含め、哺乳類のY染色体(♂のみに存在)は、どんどん短くなっている
オスには遺伝子のシヤッフリングか、卵子に刺激を与えるしか役割はないのか?

p65
細胞膜:
脂質の膜が2枚貼り合わさった脂質二重層
脂質の膜は1枚だと水性(親水生)の面と油性(疎水性)の面があるが、
二重になると内側に油性の面が向きあい、水性の面が外側に向いている

p92
生物に大きなインパクトを与えた最初の事件:24~22億年前
「大酸化イベント」シアノバクテリアが酸素発生型の光合成を行い、酸素が増加

p101
真核生物:細胞膜の中に細胞核を持つ、細胞核にはDNA
また、ミトコンドリアが入り込んでいる
植物:葉緑素:もともとシアノバクテリアが起源

真核生物の発生は突然変異だけでは説明ができない大きな飛躍、
ミトコンドリアやシアノバクテリアが共生を始めたことから、
ほかの生物を取り込む能力に長けた生物が登場したのか

p102
多細胞生物:細胞と細胞をくっつける糊が必要=コラーゲン
コラーゲンが酸素と反応すると、コラーゲンの繊維が絡まり、糊のように細胞をくっつける。
植物の場合はリグニンでくっついている。これも酸素がなければ機能しない
→酸素濃度の高まりが、多細胞生物の誕生を促す

p110
エディアカラ生物群の時代まで
海水中は大量の有機物があり、濁り、酸素がなかった。
→しかし、一定のパターンを繰り返す方法で大型化した生物が登場
→有機物をエサとし、また糞として排出して海底に蓄積することで、
海水が透明化
→水中の有機物が減り、透明化するとともに酸素濃度が上昇
→「目」の誕生
→5億4200万年前のカンブリア大爆発につながる

アンドリュー・パーカーの提唱した仮説
「目を持つ動物の登場が淘汰圧になった」
コロンブスの卵のような発見

p130
2億5千万年前→大量の植物プランクトンの発生により、海中が無酸素化
→植物プランクトンが死亡→ヘドロ化→さらなる無酸素化
このヘドロが固まったのが石油の母岩である黒色頁岩
現在の中東、インドネシア、ベネズエラ、メキシコ湾などの油田地帯は、
かつて一つだけあった超大陸の浅瀬地帯

p138
爬虫類:赤、緑、青、紫外線
夜行性の哺乳類:2色 犬は黄色と青のみ
ヒト:赤と青も識別できる
→霊長類が緑が生い茂る樹上で、赤い実を食べるようになってからと考えられる。

p141
思考という行為:比較、類推、関連付け から成る
類推と関連付けは自分の記憶との比較に他ならない
持っている記憶(知識)が多いほど、類推の幅も広がる

p145
20万年前に確立したホモ・サピエンスに対して、
現生人類(5万年前)は、亜種扱い(ホモ・サピエンス・サピエンス)

p150
人類:空間認識力が高い→ボールの落下地点を予測して移動
ex)犬:空間認識力が低い→ボールを単に追いかける→走った軌跡はドッグ・カーブ、牽引線または追跡線

p151
ホモ・サピエンス・サピエンスの拡大
当時の人口はたかが知れているので、そんなに長距離を移動しなくても、
ほどほどのテリトリーで生活は成り立ったはず。
一か所に定住し、そこから分派して拡大したにしては、拡大のスピードが速すぎる
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