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書聖 王羲之――その謎を解く  

書聖 王羲之――その謎を解く
魚住 和晃
【入門書として最適度】★★☆☆

書聖 王羲之――その謎を解く書聖 王羲之――その謎を解く
(2013/01/23)
魚住 和晃

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現在、特別展も絶賛開催中である王義之の本。

日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「書聖 王羲之」
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1569

大学は教育学部国語国文学だったので、書道は必修であった。
王義之の「蘭亭序」、空海の「風信帖」は、その頃初めてじっくり見たものである。
そして王義之の真筆は失われてしまっていることも知った。
正直なところ、書道には全く関心が無かった僕としては、
なぜこの王義之の書がすばらしいのか(字体としては他の書家のほうが整っているように見える)、
また、本当に拓本や写しでその真価がわかるものなのか、
どうしても疑問がぬぐえなかった。

そこで、じゃあ王義之についてちょっと読んでみよう、と思い手に取った。

本書は前半は王義之伝、3章は蘭亭序が偽作だとした説の存在とその論破過程、
5章以降は王義之の書法の伝来・展開を記す。

正直、文章は中国文学に関わる人独特の語りの口というか、
言い回しや語彙が通常とは異なるため、すっと入らないことも多い。
頑張って読む、という感じである。

なお、、義之らの書を大きく掲載し、その書法を詳しく解説するということも少ない。
書法について詳しく知りたい人はそういう専門書を探せばよいし、
人物伝を知りたい人は、おそらくそういう本もあるだろう。
本書は王義之に関する概論書という感じである。


とりあえず、「その謎を解く」というサブタイトルについて、
どの謎?と思ったことは内緒である。

なお、模写の方法に臨書のほかに搨模(とうも、原本の書の上に薄紙を置き、文字の輪郭を写し、裏から墨を塗って作成する)があること、また写しの過程においての字の向きを修正したり、やはり写した者のクセが出ることがあることを知った。
数ある「蘭亭序」の写しの中で、どれが真筆に近いと考えられ、なぜそう考えられるのか。
むしろ興味はそちらに移った。

【目次】
第1章 骨こう(魚+更)高爽の王羲之
第2章 書聖王羲之をめぐる四帝
第3章 蘭亭序論争
第4章 王羲之書法の本質と真価
第5章 欧陽詢・虞世南における王羲之書法
第6章 王羲之書法の日本伝入と和様形成

【メモ】
尺牘(せきとく)=短い手紙
搨模本(とうも)=原本の書の上に薄紙を置き、文字の輪郭を写し、裏から墨を塗って作成した模写本
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