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ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

ビールへの熱き想いが、世界を拓く。「発酵野郎!: 世界一のビールを野生酵母でつくる」  

発酵野郎!: 世界一のビールを野生酵母でつくる
鈴木 成宗



ベルギーやドイツなど、海外のビールが好きだ。
IMG_3715.jpg
日本の大手メーカーとは異なり、濃く、深みと個性のあるビールを飲み比べるのは、
何とも言い難い楽しみである。

とはいえ、実は僕は酒に弱いので、
少し味わうだけで、基本は妻が飲む。
ローコストな楽しみである。

さて、そんな海外ビールに比して、
日本のビールは長らく、単調だった。
それは様々な規制により、個人や小規模のビールづくりが困難であったためだ。
だが昨今、
様々な地方でクラフトビールが造られている。
その中でも、
独特の取り組みで「世界一」を追究しているのが、本書の舞台、
伊勢角屋麦酒である。

角屋そのものは、1575年から伊勢に続く由緒ある「餅屋」。
大正時代に味噌醤油の醸造を開始し、
著者である現社長は、大学で発酵を学ぶ。
そのまま老舗の餅屋・味噌醤油の家業を継ぐのだが、
「発酵」への思いから、地ビールづくりに手を出す。
だが、何かしら勝算があった訳ではなく、暗中模索を続けるのみ。

ただ余人と異なるのは、
著者が学究肌というか、明確な分析をもったトライ&エラー、PDCAを行ったことだろう。

事業としての飲食店は失敗したりしたが、ことビールに関しては、
目標を「世界一」と掲げ、一歩一歩その差を埋めていく。

本書は著者がビール造りを志し、
そして世界一を成し遂げ、さらに前進していこうとする現在だからこその、
ドキュメンタリーである。

ただし、「地ビール造りのドキュメント」かというと、そうではない。
あくまで著者の生き様のドキュメンタリーであり、
地ビールはその一面に過ぎない。
だから会社の経営、拡大といった側面の話題も少なくない。
この点、本書に何を求めるかによって、評価が分かれるところだろう。
「あくまで地ビール」に拘ると、ちょっと肩すかしを食うことになる。
ぜひ著者には、その知見を活かし、改めて世界又は日本の地ビールに関する本を著していただきたいものだが、
それにしても圧倒的な「熱」がこもった一冊であることは、間違いない。

僕は海外ビール派だが、機会を見つけて著者のビールも味わってみたいものだ。

伊勢角屋麦酒
https://www.biyagura.jp/ec/

【目次】
はじめに1章 餅屋で終わってたまるか
2章 ビール造りの天国と地獄
3章 ビール・サイエンスラボを目指す
4章 無限の酵母愛を胸に
5章 50歳にしてやっと自分も発酵してきた
6章 伊勢をもっと発酵させてやる
7章 こんな奴が成功しているクラフトビール界
8章 日本のクラフトビール新時代に
9章 オレ流発酵組織論
おわりに番外編 クラフトビールの愉しみ方
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category: 技術

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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