ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

ミミズのいる地球―大陸移動の生き証人  

ミミズのいる地球―大陸移動の生き証人

中村 方子
【やや古い話である度】★★★☆

ミミズのいる地球―大陸移動の生き証人 (中公新書)ミミズのいる地球―大陸移動の生き証人 (中公新書)
(1996/04)
中村 方子

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ナメクジ、ダニ、プラナリア、ミジンコと来てミミズである。

とは言っても、本書は結構昔に読んだことがあり、今回再読した。
時点が古いためか、ミミズの同定が難しい、という著者のなげきが多く、
分子遺伝学を応用した系統解析などは全く未来の話である。
日本におけるミミズ研究の黎明期に、研究者が世界各地でミミズを採集している話、というふうに
捉えるのが良いかもしれない。
ハッタミミズの移入など、やはりミミズでも外来種の話がある。
ミミズコンポスト系の本はいくつか入手しているが、
生物としてのミミズを詳しく掘り下げた本を読んでみたいものだ。


【目次】
ミミズと地球-はじめに
第1章 庭のミミズ
第2章 動物学的にみたミミズ
第3章 ミミズの生態学
第4章 ミミズを追って
・ポーランドでの生態学研究
・富士川河川敷での調査
・ケニアのサバンナにて
・ハワイに行く
・パプア・ニューギニア
・パプア・ニューギニア再訪
・オーストラリア、そしてパプア・ニューギニア
・モンゴルと小笠原諸島
・ガラパゴス諸島でのミミズの研究
・タヒチ島、モーレア島
第5章 ミミズをあなどるなかれ

【メモ】 

p5
ミミズ:環形動物門
生体が自己と非自己を識別する準免疫学的機能を示す動物の中では一番原始的な仲間
4億年以上前から存在

p8
ハワイ:ミミズが自力で到達できなかったため、固有種はいない

p11
ポントドリルス属とミクロスコレックス属Microscolexのミミズ:ガラパゴスでも発見
海水に二次的に適応したらしい

p20
雨後にミミズが大量死=畑井(1931)では、ミミズの坑道中に、大気中を通過する間に多量の炭酸ガスを溶解した雨水が入り、炭酸ガスに弱いミミズが這い出る。それが昼間、紫外線に当たって動けなくなり、日光で乾燥して死亡する、と推測している。
ただし、前夜が雨でないにも関わらず、地表にミミズが大量に出て死亡する場合の理由は不明

p29
ミミズの類の系統と分類[B.G.M.Jamieson,1988]の識別図掲載
※受精嚢、精巣、卵巣その他の器官の位置(解剖学的位置)で分類

p30
日本にはフトミミズ科に属するものが多く、少なくとも155種生息しているといわれる
(口のあるほうから見て、14~16体節目に肥厚した環帯)

石川県八田村のジュズイトミミズ科ジュズイトミミズ属ハッタミミズ
加賀の豪商である錢屋五兵衛(1773-1853)による海外貿易(インド、ジャワ、フィリピン方面)によって持ち込まれたらしい。現在は石川県河北潟と滋賀県近江八幡市で採取。この二地方はかつて交通が頻繁だった地域。
このミミズは畦に穴をあけるため、広がらないよう注意されていた。ただし八田村ではウナギ養殖の餌とするため大事にされていたらしい。

ツリミミズ科:日本で数種あるが、サクラミミズ(固有種)のほかは外来種

p33
世界のミミズ約3,000種

p49
ダーウィン「ミミズの習性に関する観察と、ミミズの働きを通しての有機土壌の形成」
(邦題「ミミズと土」)1881年に出版

p104
サバンナのような乾燥地帯:ミミズのかわりにシロアリが植物遺体の分解を行なう

p144
通常のミミズは一つの体に雌雄の生殖器を有するが、交尾して他個体の精子を得て初めて卵胞を産生できる。しかし汎熱帯性のミミズは交尾せずに単為生殖で繁殖できる。
そのため、熱帯地域の森林は表層が薄くやせているため、人が手を加えると、
たちまち汎熱帯性のミミズが増加し、固有種は駆逐されてしまう。

p168
ミクロスコレックス属Microscolexのミミズ
海水に耐性があり、広い海洋の隔たりを越えられる。

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category: 環形動物

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