ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

南極観測船「宗谷」航海記―航海・機関・輸送の実録  

南極観測船「宗谷」航海記―航海・機関・輸送の実録
南極OB会編集委員会



昨年末、丸亀市綾歌町総合文化会館(アイレックス)にある、南極の石。
南極の石
1968年(昭和43年)の第9次観測隊の隊長で、日本人として初めて南極点に到達した村山雅美氏が寄贈?したものを見て、
いいタイミングで出会ったのが本書、日本による南極観測の最初期、第1次から第6次まで活躍した「宗谷」の乗組員、観測隊員による記録集である。

航海士による1~3次の航海記録。
飛行長による、3次から導入された大型ヘリコプターによる航空輸送オペレーションの記録(3次~6次)など、「宗谷」の根幹部に関わる話だけでなく、
医務、主計、機関部、航空整備部など、通常は表に出てこない方々の証言が収録されているのが特徴である。

宗谷が最初に南極に向け出発したのは昭和31年(1956)11月8日。
10年前に第二次世界大戦が終結してからわずか10年後であり、まだまだ戦争の余波が残っている時代である。

例えば、「宗谷」自体、昭和15年には海軍に徴用されている(もとの名前は「地領丸」)。同じく昭和13年に竣工した姉妹間の天領丸、民鎮丸は、共に米潜の雷撃により沈没している。
また、宗谷の改造艤装を設計した牧野茂は、「大和」の設計にも携わっている。

こうした雰囲気の中、「宗谷」に寄せられた期待、そして乗組員の気負いはどれほどのものだったか。
第1次隊の片岡機関士は、「10年前には世界を相手に戦ったが、今は、世界の仲間入りの航海である。」と綴っている。

本書では、各部署の方々が自らの職務内容を淡々と綴っており、
「読者にわかりやすく」という気配はない。
だがそれだけに、各氏の任務遂行に賭けた意気込み、それを達成した誇り、時には、全うできなかった無念が伝わってくる。

また、個人的に本書で気になるのは、やはり第2次越冬隊の際に樺太犬が置き去りされた経緯、そしてタロ・ジロの発見の物語である。

まず、第2次越冬隊の際に樺太犬が置き去りされた経緯。
南極越冬記 (岩波新書 青版)」では、第1次の越冬隊長である西堀氏が、犬に不慣れな第2次越冬隊のために鎖に繋がざるを得なかったこと、そして第1次越冬隊の成功が慢心に繋がり、「例え少人数でも越冬する」という気概が第2次越冬隊になく、決断の遅れから撤退せざるを得なかったと綴っている。

一方本書では、第2次越冬隊の犬係として、中村純二氏-最後の犬を残す処置を担当せざるを得なかった方が、次のように綴っている。
「正午頃隊長からは次のような最後通告が戻ってきた。『3名を収容して外洋に出るのはバ号艦長からの至上命令であり、気象的にも空輸の可能性はあと1便しかない。からふと犬は野犬化したり、共食いしたりしないよう、必ず鎖につないだまま帰船してほしい』バ号艦長の命令とあらばこれに従うほかはない。」
3名とは、一時は昭和基地に入っていた、中村氏をはじめとする第2次越冬隊。
そしてバ号とは、南極の氷に阻まれた「宗谷」を助けていたバートン・アイランド号のことだ。
これが事実かどうかはわからないが、少なくとも「宗谷」が主体的に、そして独立的に判断できる状態には無かったのではないか、と窺わせる。

そして西堀第1次隊長が綴っているとおり、決断さえすれば、第1次越冬隊がもう1年残ることも、第2次越冬隊をもう少し追加して越冬させることも可能だったようだ。

タロ・ジロの発見の経緯については、ぜひ本書で生の声が読んでいただきたい(本書の楽しみの一つでもあるので、詳細は綴らない)。
ただ、本書には、上空から撮影されたタロ・ジロ発見時の写真が収録されている。胸が締め付けられる思いである。

タロ・ジロについて詳しくは調べてもいなかったが、どうもアザラシの糞などを食して越冬したようだ。
また、子犬の頃に「宗谷」に乗せられ、「家」が昭和基地だったため、遠くへ行かなかったのではないか、とも考えられている。

タロとジロは南極に順応していたので、第3次、第4次ともに南極で過ごした。
ただ第4次の間にジロが死亡したので、タロは第5次夏隊と共に帰国。
タロは、北大の植物園に入れられ、子も作り、1970年8月に死亡。15歳だった。

僕は偶然、札幌の北大植物園でタロの剥製に出会い、「なんでここにいるんだろう」と思ったのだが、
本書によってその疑問が解消した。あのあたりで余生を過ごしたのだ。
なお、ジロの剥製は、国立科学博物館にある。

▼上段の黒い犬がジロ。手前の白い犬は忠犬ハチ公。
ジロ&ハチ公


南極観測は今も続き、多くの成果を生み出している。
だが、その黎明期の姿について、やはりもっと振り返っておきたいと思う。

【目次】
01 航海記
02 航空オペレーション
03 観測隊員の記録
04 資料

▼これ無しでは話にならない。日本初の第一次南極越冬隊(1956年(昭和31年)出発)の隊長の手による生の記録。
レビューはこちら。西堀氏の主張を踏まえたレビューなので、やや第2次隊に辛辣。


▼現在の南極仕事人たちの記録。レビューはこちら


▼南極で研究する女性研究者による旅の記録。とても素敵な一冊である。レビューはこちら

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category: ノンフィクション

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ラスト・ワルツ  

ラスト・ワルツ
柳 広司



久しぶりに読んだフィクション。

第二次世界大戦中、日本に「魔王」と呼ばれる結城中佐は、軍の常識を逸脱するスパイ養成組織「D機関」を創設。
そのD機関のスパイたちが、世界各国で暗躍するエスピオナージュである。
これまで、3冊刊行されており、おり、本書「ラスト・ワルツ」は4冊目となる。
映画化もされて好評のようである(公式HP)。

詳しい内容はネタバレになるので省略。
スパイ小説、冒険小説というと、例えば「深夜プラス1 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18‐1))」など、やはり海外モノが優勢である(この本、何度読んでも良い)。

しかし、本シリーズのように、日本人が活躍し、ネイティブの日本語で綴られた良質な小説は、娯楽として、やはり楽しい。
まだ未読の方は、本シリーズいう新しい作品世界に出会う楽しみが人生に残っているということである。
連休中、ちょっと時間が空いたら読める、短くてテンポが良い本はないかなあ、と思っている方にお勧め。

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category: 冒険小説

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恐竜ホネホネ学 (NHKブックス)   

恐竜ホネホネ学 (NHKブックス)
犬塚 則久



最近、恐竜の復元図は、驚くほど変化している。
かっては想像もしていなかった羽毛の存在が、これほど印象を変えるとは。

ただ、これ以前にも、素人目にも大きな変化があった。
昔は尾を引きずっていたが、いつしか尾をあげ、体を水平にし、より機敏に動くスタイルに変化したことだ。

こうした姿勢の変化は、まさに骨格と筋肉の相互関係の新解釈によるものである。

科学博物館へ行けば、むき出しの化石標本が並んでいる。
だが、なぜこの場所に、この角度についているのだろう? と思うほど、
一見脈絡のない位置についている骨も少なくない。

例えば、この国立科学博物館のトリケラトプスの標本のように、
当時の位置そのままで発掘されたのならともかく、
そうでないとこの腕の骨の接続位置なんて分かるのだろうか、と思う。
トリケラ
(なお、この標本は、世界で最も保存状態の良いトリケラトプスの標本であり、
この状態で発掘されたトリケラトプスは、この個体を含めて世界で2体しかないそうだ。
愛称はレイモンド(Raymond)。)


それを理解するのが、骨を読むということだ、と本書は語る。

哺乳類に比べ、恐竜や爬虫類の関節の造りは甘く、かなりどうにでも組み立てられるそうだ。

そこを、どう繋げていくか。
現生動物との関係だけでなく、骨そのものの構造、健や筋肉の付着していた跡等から、
論理的に推測される接続位置。

また、骨の太さや構造から体の重心を探り、移動時の重心移動までも想定して決定される四肢の付き方など、
何気なく見ている化石標本や復元図の背後に、どれほど精緻な研究が潜んでいるかを、本書は具体的に紹介する。

ただし、正直なところ、かなり専門的な骨の名称等が多用される一方で、
それらの骨に関する基本的な図は少ない。
おそらく本書を正しく理解するには、恐竜の骨格名称に関する他書が必要だろう。

しかし本書は、恐竜の骨格について理解するには稀有の本である。
敷居は高いが、必要な人には欠かせない一冊になると思う。

なお、「恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界 (講談社学術文庫)」は、
本書の改訂新版らしい。重複して購入しないよう。
内容の更新度は不明だが、かなりハードな内容のため、NHK版の方が読みやすいと思う。


【目次】
第1章 恐竜ホネホネ学への招待
第2章 恐竜の骨学入門
第3章 骨がたどってきた道
第4章 古生物の復元法
第5章 骨から姿勢を復元する
第6章 骨から筋や生体を復元する
第7章 骨からみた運動復元
第8章 骨からみた生活復元
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category: 恐竜

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クラゲの不思議: 全身が脳になる? 謎の浮遊生命体  

クラゲの不思議: 全身が脳になる? 謎の浮遊生命体
三宅 裕志



海へビーチコーミングに行くと、クラゲを見ることしはしばである。
結局は軽くつつくだけだが(もっと識別しろよ自分)、
見れば見るほど不思議な生物である。一度ギュッとしてみたい。

そのクラゲについて、基本的な生殖の仕組みから人との関わりまで、
ギュッと圧縮した入門書である。マイナーな生物について、こうした丁寧な本があると嬉しい。

さて、クラゲといえば、エチゼンクラゲの大繁殖がニュースになる。
だが本書では、2008年頃から、北海道の太平洋沿岸に来るキタミズクラゲも問題となっていることが紹介される。こちらのクラゲは、春と秋のサケ漁の稼ぎ時に到来するそうだ。

なぜ、クラゲは大発生するのだろう?

エチゼンクラゲについては、温暖化や、中国の経済発展による護岸の増加(クラゲのポリプが付着する場所の増加)などが言われているが、それを理解する前提として、本書で詳しく紹介されているクラゲの繁殖方法が役立つ。

まず、クラゲの繁殖方法。
例えばミズクラゲでは、クラゲ世代では有性生殖、ポリプ世代は無性生殖、ポリプが変態するストロビレーションなど、各時期それぞれに増殖方法がある。

そして、環境への対応。
塩分濃度が他所上下した程度だとクラゲは適応できる。
極端に薄くなると(例えば塩分濃度1%)、移動能力が高いミズクラゲは逃げる。
しかし移動能力が低いサカサクラゲは約半日は生き延びる。半日耐えれば、潮汐によって塩分濃度が回復する可能性があるからだ。

また、繁殖地について。
クラゲのポリプは、自然物よりもPETボトルやプラスチックなどの人工物に付着することが多い。
海底に蓄積したゴミが、クラゲ類を増加させている可能性がある。

実際、身近なミズクラゲのポリプすら、どこに付着しているのか不明だったが、筆者らがミズクラゲのエフィラ(ポリプから分離したもの)が多い場所を探索すると、浮桟橋の裏に大量に付着していた。

このように、クラゲ自身の環境対応能力と繁殖力の高さ-それは食物連鎖の底辺付近にいるゆえだが-が、人間の経済効力により加速された結果と考えられる。

その増加したクラゲを食する生物がいれば、捕食圧によってバランスも取れるだろうが、
現在の単純化した生態系では、そのような高次の捕食生物は激減している。

まさに、「歪み」としか言いようがない。

著者は本書で、熱帯魚を飼育する時に用いる岩(ライブロック)に、
クラゲのポリプが付着している例が多いこと、
そしてクラゲの繁殖力の高さから、このライブロック経由で外来種が移入される可能性がある、と指摘している。

海に打ち上げられたクラゲは、脆く、全く頼りない生物にしか見えない。
しかし、そこには驚くべき強靭な生命力が潜んでいる。
ヒトの経済活動が、その生命力を暴走させないよう、もっと注意深く見ていきたい。

なお、本書著者には、「最新 クラゲ図鑑: 110種のクラゲの不思議な生態」(レビューはこちら)もある。
見てて楽しい。

【目次】
第1章 クラゲのほんとうの姿
第2章 ミズクラゲの生活
第3章 ミズクラゲの研究
第4章 クラゲ大発生の謎


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category: 刺胞動物

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地図と写真から見える! 日本の街道 歴史を巡る!  

地図と写真から見える! 日本の街道 歴史を巡る!
街道めぐりの会



現在の道が、道の全てではない。

過去の風景を思い浮かべるとき、さすがに構造はともかく、
ルートや道幅については、つい現在の道を思い浮かべる。

だが、人の暮らしや為政者の考えにより、道は幾度も変遷を重ねてきた。
また、その道が対象とするものも、人、馬、鉄道、車と、
時代の要請により変わっている。

だが、道はあまりに身近な存在であり、その変遷が語られることは少ない。

だから、かなり能動的に動かないと、「道」を知ることはできないと気づいた。

本書は、「地図と写真から見える!」という言葉どおり、
ビジュアルを前面に打ち出し、各地の街道を紹介するもの。
「街道」とあるが、いわゆる五街道だけではなく、
熊野古道、若狭街道、四国八十八箇所、石見銀山街道など、
【目次】にあるように、宗教や生活に密着した「道」も多数収録しているのが、特色である。

挿入された写真などもかなり精力的に集められていて、
各地の歴史をイメージする助けになる。

例えば、「中山道の一里塚」のコーナーでは、
慶長6年(1601)に江戸幕府が街道に一里塚(約4kmごとの塚)を整備させた、という話題について、

整備は道の両側にさせた、という点に対しては、「中山道分間延絵図」で、
道の両側に一里塚がある図を示す。

また、一里塚の特徴として、周囲は9m、高さ3mで、中山道にはエノキと松、日光街道には杉と、街道によって植える樹が決まっていた、ということを紹介し、
今須宿の一里塚(昭和30年頃取り壊されたが、平成2年に復元)の写真(エノキが植えられている)を添える。

また、「じゃあ日光街道は?」と思ったとき、当該街道も収録されていて、楽しい。

かなり細かな道まで収録されており、どの地域の方にとっても、地元付近の古街道を知る良い手掛かりになるだろう。

随所に現在の写真も収録されていて、
「この道を歩けば、この風景に出会えるのか」と、旅に出たくなる一冊である。


【目次】
折込 街道ルートマップ( 東海道・甲州街道・中山道 )
1章 一生に一度は行きたい街道
2章 祈りの道
3章 庶民の道
4章 戦いの道
5章 街道の基礎知識


ここで、街道に関する本を紹介しておく。

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category: 歴史

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インフルエンザ感染爆発―見えざる敵=ウイルスに挑む (ノンフィクション知られざる世界)   

インフルエンザ感染爆発―見えざる敵=ウイルスに挑む (ノンフィクション知られざる世界)
デイビッド ゲッツ,ピーター マッカーティー



感染症も、気になるテーマである。

本書は、スペイン風邪の流行、そのウイルスを再発見しようとする試みを紹介する。
小学生向けの本だが、淡々と記された死者数、そして随所に挿入された当時の写真には戦慄する。

さて、新型インフルエンザが収束して以降、
鳥インフルエンザは報道はあるものの、ヒトに対する新型インフルエンザの脅威に関する報道は、極めて少ない。
しかし、その危機は消えたわけではない。

本書では、まずスペイン風邪の流行を辿る。
恐るべき速度で拡大し、ばたばたと人が倒れ、社会が疲弊していく姿が、
極めて平易な文章で綴られる。それだけに、怖い。

後半は、そのスペイン風邪のウイルスを探るべく、
永久凍土に埋葬された当時の遺体を発掘したり、
保存されていた剖検資料を調査する試みが紹介される。

そしてついに、1997年、トーベンバーガー博士は一部の遺伝子解析に成功する。

本書はそこで終わっているが、後書きにも記されているとおり、
現在スペイン風邪ウイルスの遺伝子解析は終了し、
それどころか人工合成にさえ成功している。
(ちなみにこの人工合成については「インフルエンザ危機(クライシス) (集英社新書)」という本がある。もう読み終えているが、なかなかレビューできないところ。)

本書は子供向けではあるものの、1918~1920年のスペイン風邪パンデミックの概略を知るには十分である。
だから、ぜひ多くの子供たちに、本書を通してパンデミックとはいかなるものか知ってほしい。

本当に危機的にパンデミックが起こった場合(前回の新型インフルエンザの致死率が低かったのは僥倖である)、大人を頼れない状況になりうる。

その状況を想像できること。
そこから、各家庭のリアルな対策が進むだろう。

2009年の新型インフルエンザ流行時。
我が家では息子がまず発症。1週間後に娘が発症し、薬を処方された夜、僕が発症。翌日には妻も発症した。
これが致死性の高いものだったら、どんな事態になっていたか。想像するだけで恐ろしい。

【目次】
お祝い
戦争熱
やってこなかったサーカス
こたえを求めて
ストップ!これから、わたしの分身をたくさんつくるんです!
アラスカ
ワクチンって、どんなふうにして効くの?
デヴィッド・ルイス二等兵の死
人生でいちばん遠い道のり
残されたメモ
エピローグ パンデミックをむかえうつ

レビューはこちら
2010年、WHOインフルエンザ担当官であった新藤奈邦子氏の本。


レビューはこちら
パンデミック対策のシステムについて詳しい。



▼レビューは未投稿。
インフルエンザウイルスの人工合成に成功した研究者の本。

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category: 感染症

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イタリア語、iphone6  

イタリア語、iphone6


◆イタリア語

2014年下期のラジオ「まいにちイタリア語」。
勉強しようと思い立った第7課から、最後の第72課まで、
とりあえず全て聴き通すことができました。
身についた内容と言えば微々たるものですが、イタリア語が僕にとって「勉強できるもの」となったのが一番の収穫です。
2015年も、とりあえす継続する予定。
学生時代、これくらい英語をしておけばと思いましたが、
ラジオ(ストリーミング放送)を聴ける時間(通勤時間)、環境(スマホ)があってこそ、継続できたもの。
これからまた勉強すれば、いいでしょう。
ちなみに相変わらず、イタリアに行く予定は全くありません。チャオ。


◆iphone6
使用していたXperia arc (わあ、2011年頃のだ)、僕のは特に支障なかったのですが(容量不足は別として)、
同じ機種を使っていた妻のがもう一杯一杯になってきたので、ついに機種変更。
itunesと「i]関係のお作法を守ると、ものすごく便利ですね。
いやあ、技術の進歩ってすごいなあ。

ただ、windowsというかMS-dosとかいじっていた経験からすると、
何となく、なんで音楽ファイル1個移すのにこんなにお膳立てされるのか
(そしてそれを守らなければならないのか)、
やや微妙な感覚もあります。

例えば、PCに入れていたitunesがiphoe6に対応していなくて、最新版にバージョンアップしたら
やっぱり上手くいかず、フリーズ。
アンインストールを丁寧にやって(関連ソフトを指定順に削除して)、
再インストールしてやっと復旧。
(ちなみに実施した手順はhttps://support.apple.com/ja-jp/HT1923。)
人に優しいのか厳しいのか、よく分かりませんね。
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category: 雑記:日々のこと

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本棚にもルールがある-ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか  

本棚にもルールがある-ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか
成毛眞



小説以外の本を紹介する書評グループ、HONZの主宰者による読書本。
「ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか」という一方的に決めつけて興味を持たせる煽り文句といい、昨今らしい本である。

もちろん内容はサブタイトルとは直結していない。
第一章は、小説以外の本を読むことのメリットについて。特にどうという内容でもない。

具体論は第2章の本の管理方法。
著者は、これから読む本を入れる新鮮な本棚、
自分にとって残すべき本を置くメインの本棚、処分用のスペース、
自分の「資料」となる本を置くタワーの本棚の3つに分ける方法を紹介している。

ちょっと振り返って自分を見てみた。

まず、僕のささやかな作業コーナーには、大きな本棚が一つある。中は野鳥関係の本。
図鑑、地方出版、論文等のコピーなど。
収まり切っていないものもあるが、通常の図書館には置いていない専門図鑑等も収納しており、大半の野鳥関係の調べものはここで足りる。これは、野鳥屋としての「タワーの本棚」だろう。
足下に処分スペースとなる段ボール箱。一杯になったら売却。
また、作業スペース脇には、購入した本。
図書館で借りた本を優先的に読むため、なかなか減らない。
しかし、ここは本当に読みたい本なので、眺めるだけでも(そして積み上がること自体)楽しい。

別の部屋には、保存用本棚。ここは家族共用のため、さほど置けない。
しかし、だからこそ「処分」する必要が生じて、本の新陳代謝が加速している。
こうして見れば、ある程度量を読む読者屋なら、こうした「流れ」はできているのではないだろうか。


さて、第3章は、本の探し方。でも本屋での購入がメイン。
正直、毛色の違う大規模書店がある都会向けであり、郊外では某宮脇書店ばかりの香川県では役に立たない。


最後に「特別付録」として、書評の書き方。
HONZ主宰者ならではの一章なのだろうが、どうも納得いかない。

「書評と読書感想文は違う」、「個人の経験や感想は不要であり、誰が書いても同じ書評が理想だ」と著者は言う。

しかし、そもそもどの本を取り上げる価値があると思うかからして、個人の主観に左右される。

まして、「どのポイントが紹介したいか」というセレクトは、まさに個人の知識・経験が反映されるところ。
個人的背景を一切排除した書評という著者の理想は、厳密には成立しないだろう。

むしろ、同じ本について、「どういうバックボーンを持つ人が、どう読んだか」ということの方が、
良くも悪くも参考になるのではないか。
また、自分にとってはつまらない本でも、誰かには役に立つかもしれないし、「つまらない」という情報が役立つ場合もあるだろう。
ということで、僕は、僕が本を読み、どう感じたかを、これからも私的に書き続ける次第である。

むしろ、これほど書評(もしくは読書感想文)ブログが多い時代だ。
様々なブログから、自分の嗜好に合う本を取り上げるブログを見つけたり、
ブログ記事を自分に合う本か否かを選別する資料として活用する力。すなわち、書き手のテクニックを云々よりも、
情報の受け手の「書評(もしくは読書感想文)ブログを読み抜く力」が必要な時代ではないだろうか。

【目次】
本棚はあなたの知を増やす最高の道具
第1章 本棚は外付けできるあなたの脳である
 本棚に「ゆとり」のない人間は、成長できない
 いい本棚は、頭の中身もアップデートしてくれる
 本は読んだそばから忘れていい

第2章 「理想の本棚」になる仕組みをつくる
 あらゆる本を拒まず、大量に受け入れるのが「新鮮な本棚」
 特別展示をすると、1年で12の専門知識がつく
 「メインの本棚」に入れる基準は「面白い」「新しい」「情報量が多い」
 ひらめきを生むのが「タワーの本棚」

第3章 教養の深まる本の買い方、読み方
 書店の歩き方で読書が変わる
 文系人間でもサイエンス本をスラスラ読む方法

特別付録 HONZ特製 Webで読まれる書評の書き方
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category: 読書

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イチョウ 奇跡の2億年史: 生き残った最古の樹木の物語   

イチョウ 奇跡の2億年史: 生き残った最古の樹木の物語
ピーター クレイン





「生きた化石」というフレーズは良く使われるが、
植物においてならば、僕はメタセコイアが頭に浮かぶ。

それは、「発見者の三木博士は香川県出身である」という、
小学校の頃に学んだ(ような気がする)、土着の経験があるためだろう。

一方、本書の主役であるイチョウ。

遥かな古代から連綿と続いていること、
あの臭い種子を食う種子散布者が絶滅したから、分布域が減少したという説があることくらいしか、
知識としては無い。
あとは、日々の街路樹として、あまりにも身近な姿だけだ。

だが、イチョウがかつてほぼ全世界に分布していたこと、
そして数度の大量絶滅を乗り越えながら、
なぜかここ数百万年の間に激減し、中国の一部にしか自生しなくなったこと。

(種子植物との競争や気候変動などもあるらしいが、それにしても長い歴史時間を生き抜き、
全世界に分布していたイチョウが衰退するイメージが湧かない。)

そして、人との係わりによって再度分布域を拡大し、
現在は街路樹・薬効植物として世界中に再分布しているという、
植物だけでなく、全生物種においても、稀有の歴史を辿ったことを知ると、
イチョウを見る眼も変わってくる。

特に、日本では中国の影響を受け、社寺に多く植えられ、歴史的にもなじみ深い。
また、西洋社会へイチョウが再分布する窓口が、江戸時代の出島にあるということを踏まえれば、
イチョウに対する愛着もさらに増す。

本書は、そうしたイチョウの変遷について、化石時代から現代まで、
そして現代の再分布については、イギリス、ヨーロッパ、アメリカの各地域において、
多数の史料を駆使して明らかにしていく。

イチョウという「生きた化石」、特にヨーロッパ圏においては、
「アジアの植物」という魅力とあわさり、
本書のような大部な本が成立したのだろう。

ただ、生物種としてのイチョウについて、
特に人類と遭遇する以前の自然分布期のイチョウの生活史については、やや控えめな記載となっている。

イチョウを食する動物(現生種も化石種も)など、更に生物学方面に踏み込んだ記述を期待していた部分にいては、残念ながら満たされなかった。

一方では、西洋社会への導入史の部分が多い。

例えば、キュー植物園が王室の領地だった18世紀から残っている数本の樹木は「オールド・ライオン」と呼ばれること(そしてもちろん、このオールド・ライオンであるイチョウがある)など、
西洋植物史に興味がある方には、ゆったり時間をかけて楽しめるだろう。

なおメタセコイアについては、「メタセコイア―昭和天皇の愛した木 (中公新書)」(レビューはこちら)という総括的な本がある。お勧めである。
またメタセコイアそのものについては、「化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで (朝日選書)」(レビューはこちら)も詳しい。

【目次】
第1部 プロローグ
第2部 植物としてのイチョウの生態
第3部 起源と繁栄
第4部 衰退と生き残り
第5部 ヒトとの出合い
第6部 利用価値
第7部 植物の未来を考える





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category: 植物

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ニホンヤモリ夜な夜な観察記  

ニホンヤモリ夜な夜な観察記
鈴木欣司,鈴木悦子



夏の夜と言えば、ヤモリである。
ヤモリ2014
小さいし、眼もくりっとしているので、愛着もある。
寝る前に住居に侵入しているのを発見した時には大変であるが。

僕は漠然と同じ個体だろうなと思って放置していたのだが、いやはやヤモリの奥深さと、定点観察の面白さを本書に教えられた。

著者らは様々な場所で自然観察を行ってきたが、「身近な生きものも大事だ」と、自宅庭で定点観察を開始する。
ところが2012年の夏、ふと庭先のヤマザクラの樹にヤモリを見つけたことから、「ヤモリが樹に?」と疑問を持った。

本書は、その一夏の記録をまとめたもの。しかし、驚きが満載であった。

まずこれは全く僕の勉強不足なのだが、ニホンヤモリは雌雄の識別が可能なのだった。
成体(12cm前後)なら尾の付け根部分の膨らみの有無で判断できるらしい。

また、この膨らみの側面には、左右に2~3個、「側肛疣」(そっこうゆう)という黄白色のイボがある。
亜成体の頃から見られるが、数は一定せず、大きさも不揃い。ただ、雌の側肛疣は小さいとのこと。

そして、この雌雄識別と側肛疣、あとは色彩により、本書では個体識別を行って観察しているのだ。
これは面白い。
野生動物を観察するうえで、どこまで他個体と分離できるか、というのがある。性・齢や行動により個体識別が可能になれば、「見えるもの」は格段に増加する。

その結果、本書では12個体を識別。
そして、個体同士の争いや、行動を見ていく。

ニホンヤモリが尾を8の字に振り回す行動(本書では12枚の連続写真を掲載)など、実際の観察者ならではの話もある。
その他、ガ類を始め他の生物についても鮮明な写真も多く、ヤモリを中心とした夜の世界の広がりを見せてくれる。

全ページカラー、「身近な生きものをじっくり観察したい」という方にとって、庭先でもここまで可能という見本のような本である。ヤモリが苦手でない方は、ぜひ一度ご覧いただきたい。

ちなみに冒頭に掲げた我が家のヤモリ、気軽に撮影していたためサイズが分からないのだが、もし成体だとすれば雌であろう。
おお、生きものスキルが上がったぞ。

【目次】
はじめに
ヤモリについて
ヤモリ観察日記
ヤモリの体の特徴
脱皮
コラム1 ヤモリは車に居候
コラム2 しっぽ切りは防御法なの?
コラム3 ヤモリも外来動物なの?
付録 爬虫類図録
参考文献
掲載種類一覧
おわりに
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美しき姫君  発見されたダ・ヴィンチの真作  

美しき姫君  発見されたダ・ヴィンチの真作
マーティン・ケンプ パスカル・コット



表紙を飾る、端正な横顔。
「美しき姫君」(La Bella Principessa)と題された絵は、黄金色の背景から、ふわりと浮かび出る。
素人目にも、相当作品だろうと感じる。

この絵は、1998年に、1万9千ドルで落札された。当時は、「19世紀前半、ドイツ流派の作品」という触れ込み。

だが、この絵に美術評論家ニコラス・ターナーは、ダ・ヴィンチ特有の筆遣いを感じる。

そして2008年、ダ・ヴィンチ研究家のマーティン・ケンプによる精査の結果、この作品はダ・ヴィンチの真筆であるという結論に至る。

ダ・ヴィンチの作品が発見されることは時折りあるものの、これほどのまでに完成度が高く、そして制作当時の姿を留めているものは稀有だという。

そんな「大発見」を、最先端の美術史的・科学的研究によって、ダ・ヴィンチ作と結論づけるまでの精緻な論証過程。
それを追体験できるのは、人生に幾度も無いだろう。

本書前半では、通常の美術史的側面からの追究過程が論じられる。
だが「タッチがどうこう」というものだけではなく、「横顔」という描写等からは、北イタリアの貴族のフォーマルな肖像画様式を、
そして描かれた人物の髪型(コアッツォーネ(髷)の使用)から、スフォルツァ家の人物であることを示す。
この時、併せて示される数点のスフォルツァ家の肖像画を見れば、この「美しき姫君」が間違いなく当時のスタイルに忠実であることが分かる。

そして、ダ・ヴィンチの手記と画材との一致等々、感覚ではなく、まさに論証により、この絵がダ・ヴィンチのものであることを示していく。

後半は、科学的検証だ。
羊皮紙(実際は子牛の革)の年代測定、使用された画材(チョーク)等の分析、下書きの修正跡、左手によるシェーディング、そして残された指紋。
全てが、ダ・ヴィンチ作であることを示していく。
「法医学」という言葉が使用されているが、まさしく科学捜査である。

そして何より、この論証全てを通じて、いかにダ・ヴィンチが独創的で、卓越したテクニックを持ち、
同時代の画家から超越した存在なのかを知ることができる。

また、「美しき姫君」の一部の拡大図や、マルチスペクトル撮影により復元した、制作当時の色合いの図、傍証となる様々な作品など、本書以外では、決して見ることができない画像も多い。
ひっそりと出版されているが、とても貴重な一冊である。

なお、本書の検証過程は、なんと映像化されているようだ。
僕は未見だが、いずれ見たいものである。



また、「美しき姫君」にも、ダ・ヴィンチ特有の人体の理想的比率が使用されている。
その思想の根幹を知る本として、「ダ・ヴィンチ・ゴースト: ウィトルウィウス的人体図の謎 (単行本)」(レビューはこちら)がある。
ダ・ヴィンチがいかに論理的に美を追求したのか。その歴史的推移については、本書をお読みいただきたい。


【目次】
第1部 作風からモデルまで
 序説
 画材を科学的に検証する
 作風、制作時期、服装
 肖像画の役割、詩、モデル
第2部 物理的・科学的検証
 序説
 マルチスペクトル撮影
 土台
 画法
 修復作業
 描画材のスペクトル解析
 X線による調査
 指紋の検証
 さらに、「チェチェリア・ガッレラーニ像」との比較
第3部 総括
 発見のまとめ
 何が証明されたのか?
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