ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

トマトはどうして赤いのか? 身近な野菜を科学する  

トマトはどうして赤いのか? 身近な野菜を科学する
稲垣 栄洋



2014年夏の終わり、白ナスの苗をもらった。
うまく育てられず、収穫は3~4個で終わってしまったが、「白いナス」は初めて。
ただ、茹でると茶色っぽい色になってしまった。残念。
「やっぱり茄子は紫色がいいかな」と思ったのだが、本書によると世界的には紫色のナスに固執する日本の方が珍しくて、白色のほか、黄緑色や縞々模様もあるという。

ダイコンも同じようで、日本では白いダイコンばかり(が販売されている)が、これもヨーロッパでは赤が主流、中国では赤や紫があるようだ。

そういえば、日本では、「この栽培植物はこの色・この形」というイメージがとても強いようだ。
ナスといえば紫で短いもの。そこから外れると「長ナス」「丸ナス」というように、「どんな」ナスかという名称になる。

他にも、キュウリの白い粉(ブルーム)が農薬と間違われて、市場にはブルームレスばかりになったとか、
ハクサイも黄芯系が好まれて、白いハクサイが少なくなったとか。

日本での栽培植物の画一化は、流通制限や消費者の好みなどが要因だろうが、
その「日本人の好み」の基本が何なのか、興味深いところである。

さて、本書はそんな栽培植物に関するエピソードをまとめたもの。
特定のテーマ(例えば由来・伝来史)に特化したものではなく、
短い時間の息抜きに軽く楽しむタイプの本。一読しておけば、何かの折に披露する薀蓄のタネになるだろう。

例えば、シンデレラのカボチャの馬車。あのカボチャは、でこぼこが少ないけれど、

ここで、中央アメリカが原産地のカボチャの栽培品種には大きく2系統あって、
江戸時代にカナボジア経由でもたらされたゴツゴツしたタイプ(いわゆる日本カボチャ)と、
南アメリカの標高の高い冷涼乾燥に適した丸いカボチャで、明治に日本に導入されて北海道で栽培が盛んになった西洋カボチャがあること、

で、シンデレラのカボチャの馬車は、西洋カボチャなんだよね、と言うことができる。

まあこんな風に薀蓄を語りだすと、聞き手に興味を失われるか、
「役に立たない細かなことまでよくご存じで」と思われるかのいずれかである。
できれば自身の心に留めておきたい。

ところで、このカボチャの話で思い出したのだが、
桃太郎の絵本を見ると、わりと高い頻度でコウライキジ(日本のキジとは別種、中国や朝鮮半島を含むユーラシア大陸に分布)が描かれている。
別に深い意味があるのではなく、たぶん昔の絵本作家が深く考えずに手近のコウライキジの資料(写真や動物園等)を参考に描いたのが、以後の絵本屋に「これがスタンダード」と思われた結果と推測しているが、誰か突き詰めているのだろうか。

なお、本書のp48、関東の白ネギと関西の青ネギの図は逆である。


栽培植物について詳しく知りたい方は、以下をお勧めする。


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category: 植物

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幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)   

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)
高野 秀行



子供の頃、水曜スペシャルの川口浩探検隊シリーズを見るのが好きだった。
ちょっと見てみたところ、Wikipediaの水曜スペシャルのページに、
探検隊の全番組が掲載されているではないか。すげえ。

見たところ、モケーレ・ムベンベは無かった。
本書の早稲田大学探検部がテレ湖に行ったのが1988年。
川口浩探検隊が活躍していた頃は、モケーレ・ムベンベに関する情報は日本にはさほど無かったのか、
それとも番組予算の都合で辞めたのか。

さて、モケーレ・ムベンベとは、アフリカのコンゴ、テレ湖周辺に棲むと言われているUMAである。
恐竜の生き残りとか、未知のゾウ・サイ等とか、見間違いとか色々言われているが、
1980年頃は、ネッシーと並んで「何かいるかも」という期待が極めて高かったUMAである。
雑誌「ムー」でもよく取り上げていたような気がする。

ただ、時代は1980年代後半。コンゴはおろか、アフリカに関する情報する乏しい時代だが、
その中にあって、自らモケーレ・ムベンベを見つけるべく現地へ行ったのが、
早稲田大学探検部である。

本書はその計画勃発から帰国・その後までを、
リーダーであった高野秀行氏が綴ったもの。

彼らの目的であったモケーレ・ムベンベ探索については、もちろん現時点の状況から、
「見つからなかった」ということは明らかだ。
だから、発見するかどうかというワクワクは、正直無い。

だが、まだ二十歳前後の学生が、アフリカ奥地へ行き、
1月以上「探検活動」を行うという、フロンティアならではのドラマが、ある。

現地の研究者との調整。村人との軋轢。片言での交渉。
機材の故障。病。食糧不足…。

川口浩探検隊は「ドラマ」であったが、
早稲田大学探検部のCDP(コンゴ・ドラゴン・プロジェクト)は、地を這うリアルな話だ。

また、文庫の後書きには、彼らの「その後」が記されている。
やみくもな若い時代の冒険と、以後の人生の対比。
様々な「その後」があるが、やはり「やってみた人」しか持ちえない、人生の楽しみが窺える。

「やってみたい事」は、やっておいた方が良い。

巻末には、参加者の当時のポートレイトが掲載されている。
彼らの楽しそうな姿を、ぜひ見ていただきたい。


【目次】
第1章 コンゴ到着
第2章 テレ湖へ
第3章 ムベンベを追え
第4章 食糧危機
第5章 ラスト・チャレンジ
第6章 帰還
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category: ノンフィクション

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系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史 (BERET SCIENCE)   

系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史 (BERET SCIENCE)
長谷川政美



進化という概念を視覚化したのが、系統樹であるとすれば、近年、その系統樹は大きく揺れ動いている。
木村資生氏の遺伝子中立説、キャリー・マリスのPCR法。主にこの二つが、いわゆる分子時計による進化上の分岐年代を推定することが可能となった。

その結果、これまでの形態・生態上の分類(系統樹)に対し、(異論はあるものの)一定の客観性を担保している分子時計を元に、全く新しい分類(系統樹)が見いだされつつある。

例えば鳥類でいえば、90年代にシブレーらが分子生物学的な分類を示し、
日本鳥学会でも、2012年に刊行した日本鳥類目録改訂第7版で、その採用する分類体系を変えた。

本書はそこから一歩進み、最新の分子生物学に基づく分類(系統)の知見について、
各分類群の系統樹のみならず、それらを円形に配した「系統樹マンダラ」という概念によって図示している。

そして、ヒトと猿、恐竜と真獣類、両生類とヒト、ナメクジウオとヒト…と分岐をどんどん遡り、
ヒト-というより、むしろ生命の起源にまで辿っていく。

本書に記載されている知見は、各生物に関する最新の本で取り上げられているものも多く、
特に新しい発見が満載というものではない。

ただし、現在存在する種、過去に生きていた種が、
全て累々と続く命の連鎖の一部であることを、
多くの写真と系統樹マンダラによって実感させてくれる。
しみじみと楽しめる一冊であった。

【目次】
15億年の旅のはじまり
ヒトに一番近い親戚
ニホンザルとヒトの共通祖先
マーモセットとヒトの共通祖先
メガネザルとヒトの共通祖先
ネズミとヒトの共通祖先
クジラの祖先
イヌとヒトの共通祖先
ナマケモノとゾウとヒトの共通祖先
恐竜の絶滅と真獣類の進化
卵を産んでいた僕たちの祖先
恐竜から進化した鳥類
鳥類の系統進化
カエルとヒトの共通祖先
ナメクジウオとヒトの共通祖先
ウミムシとヒトの共通祖先
クラゲとヒトの共通祖先
キノコとヒトの共通祖先
シャクナゲとヒトの共通祖先
旅の終わり
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category: 進化論

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怨霊とは何か - 菅原道真・平将門・崇徳院 (中公新書)  

怨霊とは何か - 菅原道真・平将門・崇徳院 (中公新書)
山田 雄司



四国に住んでいると(もちろん地域の偏りはあるが)、白装束の「お遍路さん」は日常の風景だ。

そして、僕は生まれが香川県坂出市である。
坂出の遍路寺といえば、崇徳上皇の菩提寺である白峰寺。
だから崇徳上皇の存在は、子供の頃から日常の一部だった。

(例えば小学校の頃に遠足で行った、ところてんで(地元では)有名な「八十場(やそば)」の泉は、
崇徳上皇の遺体を荼毘に付す勅許を得るまでの間、そこに漬けて保存していたという伝説がある。)

現実の白峰寺は五色台の中腹に位置するため、普通は行く機会がないものの、
僕は野鳥の調査のために、白峰寺からの遍路道をよく歩く。お馴染みの場所だ。

そして県外はおろか、県内の他市町にも移住することなく、
現在住んでいるのは香川県綾川町。

歩いていく距離に滝宮天満宮がある。祭神は菅原道真公。

こうして見ると、本書で「三大怨霊」として取り上げられている
菅原道真、平将門、崇徳院のうち、お二人(というべきか、御二柱というべきか、何と書くべきか?)に非常に近しく生きていることに気づく。

僕自身の運命的なこともあるかもしれないが、おそらく、そういう人は香川には多いだろう。
むしろ香川は空海生まれの地でもあることだし、
やはり四国そのものが、何かしら彼岸の世界に縁があるのかもしれない、と思うところである。

さて、本書である。

本書はその「三大怨霊」とされるお三方について、
その人生と死、そして死後の事象から、いかに人々が彼らを「怨霊」と見做し、畏怖し、そして神として崇めていったかを辿るものである。

基本的には史料を踏まえた解釈が中心であり、「逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)
」のような独創的な仮説にまでは踏み込んでいない。
その点やや「怨霊とは何か」というタイトルにこそ興味を持った人には物足りないかもしれない。

しかし、丁寧な史料検討は、このお三方について詳しく知りたい方には良い手引きとなるだろう。

例えば崇徳上皇については、
上皇が五部大乗経を書写したが、それを京都に安置するのが受け入れられなかったとのが恨みの発端という話があるが、この「五部大乗経」の存在を語る唯一の資料は「吉記」の寿永二年(1183)七月十六日条にある、崇徳院自筆の経は元性法印のもとにあるという噂を記す記事であることを示し、
崇徳院が無くなってから19年後に初めて経の話が出ていて不自然であり、当時、崇徳院の神祠建立が取りざたされていたものの未建立だったため、これを実現させる意図があったかとしている。

また、坂出市には上記の八十場等、様々な崇徳院の事跡があるが、
これらも「綾北問尋鈔」宝暦5年(1755)で、突然伝承や事跡が多くなっていることを指摘し、
著者の坂出市西庄の大庄屋である本條貴傳太が古老に伝承を訪ねてまとめ時に、真贋が入り混じったのだろうとしている。

坂出生まれだと、どうしても地元バイアスが強く、全ての伝説を「当たり前」として受け入れてしまうため、こうした客観的な指摘はとても嬉しい。

それにしても、本書が明らかにするように、実際にはこのお三方が超常の存在だったのではなく、
偶然と人々の期待(畏れ)が「怨霊」を作り出したのだろう。
そこに、「逆説の日本史」の指摘するような怨霊信仰メカニズムがあったかもしれないが、
信仰として数百年を経た現在、
もうお三方は、素直に日本人の意識の中で「超常の存在」と成った、と僕は思わざるを得ない。

思わなければ、滝宮で生活することも、坂出に里帰りすることもできないのである。

【目次】
第1章 霊魂とは何か
第2章 怨霊の誕生
第3章 善神へ転化した菅原道真
第4章 関東で猛威をふるう平将門
第5章 日本史上最大の怨霊・崇徳院
第6章 怨霊から霊魂文化へ
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category: 歴史

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バウムクーヘン、野鳥観察会、ブックオフ LOG 20150112-20150118  

バウムクーヘン、野鳥観察会、ブックオフ LOG 20150112-20150118


◆バウムクーヘン
 「100種類のバウムクーヘンを食べる」夢。
 さっそく、今年1種類目を食べました。
 「#017 2015年1月11日 サントリーBOSSキャンペーンの「チョコレートバウムクーヘン」
 今年も太るぜよ。

◆野鳥観察会
1月18日は野鳥観察会でした。オフィシャルな報告はこちらです。

ここでは、私的な報告をしましょう。
まずは、ハクセキレイ。「駐車場の白黒の鳥」ですね。
香川県でも冬鳥でしたが、1990年代から2000年までの間に繁殖しだしました。
20150118ハクセキレイ

その仲間、キセキレイ。山間部の渓流が好みですが、冬は平地にも降りてきます。
レモンイエローを見ると嬉しくなりますね。
20150118キセキレイ

ムクドリ。香川県では、1970年代以前は特に少なく、冬鳥だったよう。1929年(大正15年)の香川県保安課によって随時農林省に提出されていた「鳥獣報告」の特記事項になる程度に少なかったようです。
1975年以降、坂出市や観音寺市などで観察されるようになり、高松市では1980年代以降に増えました。
現在はたくさんいますが、これは農薬の禁止等で、ムクドリの餌が増え、繁殖適地が増した結果のようです。
よく見ると、黄色の嘴と脚がキュート。
20150118ムクドリ2

で、遠くからノシノシと歩いてきたのがドバト。
20150118ドバト1

「ごめんあさぁせ」と、目の前を通過していきました。
20150118ドバト2

さて、頸の色が上では紫、下では緑色ですね。これは構造色のため、色が変化して見えています。
構造色の話題は大好物ですので、嬉しくなってしまいました。
ドバトの頸の構造色については、
構造色事始」で詳しく説明されています。
ドバトの首の構造色
ドバトと馬鹿にしがちですが、生物ってすごい。

構造色について詳しくは、こちらの本にて。(レビューはこちら)


それにしても、ドバトは野良猫っぽい。


◆ブックオフ
 いかん。最近毎週末ブックオフに行ってる。

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category: 雑記:日々のこと

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プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー (ブルーバックス)  

プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー (ブルーバックス)
福岡 伸一



ウイルスや病原菌などとは全く異なるメカニズムである、タンパク質から成る感染性因子、プリオン。

その「プリオン」という名称を創り、概念を確立したスタンリー・B・プルシナーはノーベル生理学・医学賞を受賞した。

ただ、プルシナーという人の上昇志向というか成功志向は、「眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎」(レビューはこちら)でも窺える。

そして「プリオン」が決定的な証拠に欠ける(と考えうる)こと、
プルシナーの手法に(良くも悪くも)かなりの強引さがあったことから、
実は「プリオン」という概念は誤りであり、やはりウイルスなのではないかと考える人もいる。

本書は、その「反プリオン説」に立ち、プリオン説に対する反論を指摘していくもの。

一読すると、「なるほど、プリオン説は間違いかも!」と感じるものである。

ただ、そもそも本書の反論も、結局のところ(本書刊行時点では)理論上に留まっている。
冷静に見ると、「プリオン説には確たる証拠もない」と言いながら、
「反プリオン説にも確たる証拠はない」という感じられる。

いったいどちらが正しいのか、興味深いところである。

ただ少なくとも、本書を読んで感想を綴っている程度の人間が判断するレベルの話ではないことは、確かだ。

本書刊行(2005年)以降、特にプリオン説が否定されるような報道はない。
福岡氏の研究はどうなのか。プリオン説についてどこまで理解され、何が不明なのか。
世界のプリオン研究者は、今何を研究しているのか。

あれほど騒がれた狂牛病も、今や畜産業界だけが関係する話かのように、
報道されることは殆どない(自分の感覚では「全く」無い)。

だが「プリオン」は、過去の話ではない。
これから解決していくべき事項のはずだ。

さて、本書はM氏のご紹介で手に取ったもの。
その際のご指摘にもあったのだが、
最新の知見に関する一般書を刊行することが、研究者と出版界の重要な仕事ではないかと思う。
特にあれだけ騒がれ、現在も通常生活に密着した問題なのだ。
「終わった問題」ではない。

【目次】
第1章 プルシナーのノーベル賞受賞と狂牛病
第2章 プリオン病とは何か
第3章 プリオン説の誕生
第4章 プリオン説を強力に支持する証拠
第5章 プリオン説はほんとうか―その弱点
第6章 データの再検討でわかった意外な事実
第7章 ウイルスの存在を示唆するデータ
第8章 アンチ・プリオン説―レセプター仮説
第9章 特異的ウイルス核酸を追って
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category: 医学

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2000年間で最大の発明は何か  

2000年間で最大の発明は何か
ジョン ブロックマン



1997年、「エッジ」というメーリングリスト(対象は著者が招待した科学者や技術者等)において、
来るべき2000年に向けて、
著者は「過去2000年の中で最も重要な発明は何か?」「その理由は?」という問いを投げかけた。

本書は、それに対する様々な回答を集約したもの。
まあ2000年という区切りを迎えるにあたっての一発ネタであり、
そこに新しい概念なり発見なりがあるわけではない。

どう答えるか、というのを楽しむだけの本である。

問がシンプルなだけに突っ込みどころも多く、大喜利のような雰囲気も醸している。

重要というのを、生活への影響としたもの。
パラダイム・シフトと捉えたもの。
モノで回答する人。概念や思考等で回答した人、それぞれである。

本書の中でも指摘されているが、
本来、「発明」は過去の知識の上に成立しているため、
最も重要なものを一つあげるように言われても、どうしても遡及していくことになる。

例えば「自動車」と思いついたとき、その根底には「内燃機関」となる。
「活字印刷」としても、その素地は紀元前にまで遡る。

なかなか、ある1つを独立して「重要」と言い切ることは難しい。

その中で、多くの人があげているのは、
例えば、次のようなものだ。

・インド・アラビア数字
・レンズ(眼鏡)
・ピル
・印刷機
・電池
・コンピューター
・原爆

モノとしては妥当なところだが、出産調整として「ピル」をあげた人が多いのは、
なかなか興味深かった。

自分なら、どう答えるだろう?

ちょっと考えてみたが、納得のいく答えは、まだ見つかっていない。
自分ならどう考えるか。それぞれの意見にどう反論するか。

そんな視点で軽く楽しみたい。

それにしても、もう2000年から10年以上が経過しているという事実には、驚くばかりである。

【目次】
第1部 発明が生活を変えた
第2部 発明が思考を変えた

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category: 技術

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水棲ガメ (爬虫・両生類パーフェクトガイド)  

水棲ガメ (爬虫・両生類パーフェクトガイド)
海老沼 剛



カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化 (NHKブックス)」(レビューはこちら)でカメの進化史を知ったら、現生カメ類を見たくなった。そこで本書。

本書は世界の水棲カメ類のうち、特にペットとして流通する種を中心にした図鑑。

個人的には、野生動物(特に輸入してまで)のペット化は良くは思っていない。
しかし現実にニーズがあり、現行制度のもとでは問題が無い。
本書でもカメが長寿命であること、大型化する種があることから、飼育者への注意を促している。
後は、飼う人間の問題だろう。

それはさておき、ペットとして流通している「功」の面として、
これだけの種(マイナーなのも多い)の写真を、美しい写真で確認できるのは嬉しい。
本書では最新の分類にも触れており、また巻末には水棲ガメの全リストも収録され、図鑑としても価値がある。

しかし、カメって美しい。
バラエティに富む甲羅の模様と形は、まさに進化の妙。

また日本の丸っぽい、地味なカメになじんだ眼には、
トゲヤマガメのように甲羅の外縁が棘のようになっていたり、
セタカガメの仲間のように甲羅中央(キール)が高くなっていたり、
クジャクガメの仲間のように複雑な模様の甲羅を見ると、驚いてしまう。

その一方、カクレガメのように長らくペット市場でのみ確認され、正確な産地が伏せられていたものがいることを知ると、カメが世界的に「野生動物」というよりは、まだ「ペット」として価値があるのだなあと思い知らされる。

本書の趣旨とは異なり申し訳ないが、僕は野生個体を捕獲し、さらに輸入してまで飼育することはお勧めしない。
だが本書は、カメの魅力を伝えるものとしては最適だる
ぜひカメに興味の無い方に見ていただき、この世界に、これほど様々な美しいカメがいることを知ってほしい。知ることが、保護に繋がるだろう。
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category: 爬虫類

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深海 鯨が誘うもうひとつの世界  

深海 鯨が誘うもうひとつの世界
藤原 義弘,中野 ひろみ



深海は、極端に栄養が少ない。「深海砂漠」とも言われるほどだ。

だが、クジラの死骸が海底に沈む時、それは様々な生物が集まるオアシスとなる。

クジラの肉を食うもの。骨を食うもの。
腐って発生する硫化水素を利用するもの。
そして、食い残しや、集まった生物食うもの。

本書は、JAMSTEC(海洋研究開発機構)が、試験的に深海に沈めたクジラの漂着死骸を追跡調査し、
そこに集う生きものを紹介する。

1種につき見開き程度を使用。真っ黒なページに浮かぶ深海生物は、極めて妖しく、美しい。

通常なら絶対に見られないこれらの生物を、これほどのクオリティで堪能できるとは、良い時代である。

最近はやりのオオグソクムシ、スケーリーフットも、もちろん掲載。通称「白スケ」の白いスケーリーフットも収録されている。

各種について、生物学的な解説が付されており、興味深い生態もわかるが、
何よりやはり写真だ。

じっくり堪能する一冊。深海の本ながら山と渓谷社刊行というのが粋である。

【目次】
光から闇への贈り物 鯨骨生物群集

【クジラの肉を喰らう】
カグラザメ
イタチザメ
コンゴウアナゴ
ムラサキヌタウナギ
エゾイバラガニ
オオグソクムシ
クジラの遺骸追跡実験

【クジラの骨を喰らう】
ホネクイハナムシ

【くさったクジラの骨にくらす】
ヒラノマクラ
ホソヒラノマクラ
進化的ステッピング・ストーン仮説
アブラキヌタレガイ
サツマハオリムシ
ズータムニウム

【鯨骨に集う生きものたち】
コトクラゲ
ベニシボリの仲間
オオウヨウラク
オオナミカザリダマ
ウロコムシの仲間
サメハダホシムシの仲間
ミョウガガイ
ウミクワガタ
ムンナ
ゲイコツナメクジウオ
鯨骨育ち

熱水噴出孔、湧水生物群集
シンカイヒバリガイ
シロウリガイの仲間
スケーリーフット
アルビンガイ
ヨモツヘグイニナ
イトエラゴカイの仲間
ユノハナガニ
ゴエモンコシオリエビ
カイレイツノナシオハラエビ

沈木生物群集
メオトキクイガイの仲間
カタビラフナクイムシ
ニホンコツブムシ
深海のキノコ

深海住人ファイル
カイメンの仲間
イソギンチャクの仲間
クラゲとクシクラゲの仲間
タコの仲間
ダンゴイカの仲間
ウミウシの仲間
ウニの仲間
ナマコの仲間
ウミユリの仲間
テヅルモヅルの仲間
クモヒトデの仲間
ヤムシの仲間
ウミグモの仲間
キタホソヨコエビの仲間
ヤドカリの仲間
ニシキジンケンエビ
ベニハゼ
キホウボウ
発光

コラム
深海の赤/透きとおって闇に溶ける/サイズを測る/水槽で深海生物を飼う/あっ、目が合った/
深海のゴミ/深海生物研究の日々
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category: 動物

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大判焼き、初詣、オーロラの彼方へ  

大判焼き、初詣、オーロラの彼方へ LOG 20141229-20150104

明けましておめでとうございます。
本年が皆様にとって良き年となり、
また皆様が良き本に恵まれますよう、お祈り申し上げます。

◆大判焼き
 数年ぶりに、大判焼きを買いました。
 きっかけは、近くに専門店ができたこと。
 我が家は4人家族ですので、味の異なる5個セットを購入しました。

 ところが帰宅すると、不在中に実家が来て、お土産を置いている。
 あろうことか、大判焼き…。
 しかも、こしあん×3、白あん×4、カレー味×4の計11個。なぜこんなに買ったのか我が親。
 
 計16個の大判焼き。もう数年大判焼きは見たくありません。

◆初詣
 初詣は、1日に近くの滝宮天満宮へ。
 風がひどく、また不況のためか、年々露店が少なくなっています。
 学問の神様ですので、境内は学生も多数。
 おみくじは吉でした。
 
◆オーロラの彼方へ
 Amazonで廉価版(1,000円を切りました!)のDVDが発売になり、つい購入・再視聴しました。
 以前も紹介したことがありますが、「これぞ映画」という物語で、オーロラを連想する冬になると見たくなります。

1999年、ニューヨークに30年ぶりにオーロラが発生。
そのオーロラのもと、ニューヨーク市警察の刑事ジョンは、恋人と別れる。
自暴自棄になる中、ふと見つけた古い無線機。
それは子供の頃に喪った、消防士の父の形見だった。
戯れに電源を入れると、偶然ある人と交信が繋がる。

それは、30年前に死んだ父フランク。
しかもフランクが話しているのは、殉職する前日。

ジョンは父を救おうとするが、それが思いもかけない過去の改変に繋がり、
現代と過去が交錯する中、時間を超えた父と子のチームが動き出す…。



単純なドラマかと思っていると、次々と思いもよらぬ展開が始まります。
そこから始まるアクション、推理、SF。
それらが見事に融合する中、描かれるのはきっちりと、父と息子の絆、父と母の愛、父と友人の信頼です。

終わりに近づくにつれ、息もつかせぬ展開になり、最後のシーンを迎えた時、心の底から喜びを感じます。

「良い映画」を見たいと思ってい方。
ぜひこの機会にご覧下さい。僕が手放しにお勧めできる映画です。

廉価版のパッケージでは、残念ながら映画の良さが伝わりません。

旧版のジャケットをご紹介しておきます。こちらの方が、イメージが忠実です。
オーロラの彼方へ


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category: メディア:映画

thread: 洋画 - janre: 映画

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ワニと恐竜の共存: 巨大ワニと恐竜の世界  

ワニと恐竜の共存: 巨大ワニと恐竜の世界
小林 快次



カメ(「カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化 (NHKブックス)」(レビューはこちら)」とくれば、ワニである。

ワニの進化史が知りたくなって、見つけたのが本書。

表紙だけ見ると子供向けのように思えるが、北海道大学博物館の平成25年度企画展示「巨大ワニと恐竜の世界-巨大爬虫類2億3千万年の攻防」をもとに作成したもの。
ワニの分岐図、様々な化石写真など、通常は目にすることができない貴重な資料が満載である。

なぜ恐竜が絶滅し、ヘビ、カメ、ワニが生き残ったのか。
恐竜が世界のどこかに生き残っていることを夢見た少年の頃から抱いている疑問だ。
その疑問が解けることを願いつつ、本書を読んだ。

本書で驚いたのは、まずワニ類は恐竜と同一の祖先-主竜類から始まり、進化史上では、恐竜に先行してワニ類が多様化し、繁栄したことだ。

正確には、まず約2億5000万年前頃に主竜類が出現。
ここからワニ類に進化するクルロタルシ類(Crurotarsi)と恐竜へ進化するアヴェメタタルサリア類(Avemetatarsalia)に分岐する。
共に四足ながら、足が体の真下に伸びる直立歩行を行い、移動速度が速く、エネルギーロスが少ないという特徴を持つ。

ただ、クルロタルシ類は元々這い歩きを行う生物から進化しており、骨格的な違いから、スムーズな歩行はアヴェメタタルサリア類の方が得意だったようだ。

ただどういう理由か、進化史では先にクルロタルシ類が多様化に成功し、多くのニッチを占めた。
その結果、アヴェメタタルサリア類はクルロタルシ類が減少するまで多様化が抑えられた。
いわば、ワニ類が衰退した結果、恐竜の多様化が可能になったのである。


クルロタルシ類の多様化については、本書に様々な化石資料、復元図があり、楽しい。
例えば獣脚類恐竜と間違えるほど巨大化した、サウロスクス(Saurosuchus)。
ティラノサウルス類との収斂進化といった感じすらある。


本種は約2億4000万年前~約2億年前まで生息しており、恐竜は約2億3000万年前に出現したので、両社は共存・競争していた。
サウロスクスを含むラウイスクス類が絶滅してから、恐竜が巨大化する。

一方、植物食に進化したワニ形類もあったという。
例えばヤカレラニ(Yacarerani)はウサギのような門歯があり、集団で行動し、掘った穴に卵を産んでいたらしい。

こうした多様化が進むものの、総体的には恐竜類に圧迫され、ワニ類は水辺に進出し、そこを支配することになる。

化石資料では、1億5000万年前には扁平な頭、その上に位置する眼・鼻・耳、背中には鱗板骨という、
現生ワニとそっくりな種が出現している。
この後の進化は、水中で餌を加えていても呼吸できるよう、内鼻孔の位置が後退するバージョンアップ程度にすぎない。
「進化が止まった」と見がちだが、実は既にこの時代には「ワニ類の生活様式」、「ワニという生物の基本デザイン」は完成していたということだ。

そして白亜紀後期までに、ワニ目は、現生の科に元となるグループが全て出揃う。
下の◯印が、現在のワニのグループの元となる上科だ。


ワニ目 --- ◯インドガビアル上科
     ---  プレヴィロストレス類 --- ◯アリゲーター上科
                          --- ◯クロコダイル上科

また白亜紀後期には、全長12m、体重8.5tという巨大ワニ、デイノスクスも出現する。
恐竜に主役の座は譲ったとはいえ、ワニ類の生物としての完成度の高さを示していると思う。



そして、恐竜が絶滅したK-pg境界(白亜紀-古第三紀境界)。
恐竜は絶滅し、ワニ形類は生き延びた。
その理由として、ワニ形類が淡水生活だったという説もあるが、白亜紀後期から新生代にかけてワニ類は多様化し、完全陸棲のセベコスクスも、完全海棲のディロサウルス科も生き延びている。
また、現代型ワニ目も生き延びている。
ただ残念ながら本書でも、なぜワニ形類が生き延びたのか、その答えはまだ不明とのことだ。


だが、数億年前から現在に至るまでのワニの繁栄は、現在もその分布等を見ることでうかがえる。
現代のワニは、北緯35度以南、南緯33度以北に生息。
特に低い温度では生息できないが、南極大陸をのぞく世界全域に分布している。

これだけの範囲に生息していながら、現存種の属別の内訳は次の通り。


◯インドガビアル上科 1属1種(インドガビアル) 長い鼻先と細い歯

◯アリゲーター上科 4属8種  頭骨を上から見ると口先がU字型
 アリゲーター属   2種
 カイマン属     3種
 ムカシカイマン属  2種
 クロカイマン属   1種

◯クロコダイル上科 3属14種 頭骨を上から見ると高さの高い二等辺三角形や鼻先が長い。口先がV字型
 ワニ属       12種
 コビトワニ属    1種
 マレーガビアル属  1種

計、たった23種。これだけの種数で、世界の淡水域で食物連鎖の頂点をカバーしているのだから、
やはり生物としての完成度が優れているのだろう。


【目次】
古代ワニは私たちに何を語るか?

第I部 ワニの進化史

ワニと恐竜のわかれ道
ワニ類への道 クルロタルシ類
ワニ型類の起源
ワニとしての一歩 原顎類
ワニのチャレンジ(1) 陸上への進出
ワニのチャレンジ(2) 水中への進出
ワニのチャレンジ(3) サルコスクス
ワニがワニになった日 半水棲生活
現代型ワニの出現
現代型ワニの起源
恐竜時代の3つのワニ目
恐竜時代の巨大ワニ デイノスクス
恐竜絶滅とワニ
恐竜絶滅後のワニ目
トミストマ亜科 マチカネワニ
現在のワニ目

第II部 ワニ型類と恐竜類の争い
約2億3,000万年前の南米大陸 ワニ型類と恐竜類の誕生
約1億5,000万年前の北米大陸 現代型ワニの誕生と恐竜の巨大化
約1億年前のゴンドワナ大陸 ワニの巨大化と恐竜の繁栄
約7,000万年前の北米大陸 巨大ワニと巨大恐竜の闘い
現在 生き延びたワニ,姿を変えた恐竜

コラム(1) 三畳紀の世界を支配していたクルロタルシ類
コラム(2) ファソラスクス(ラウイスクス類)とティラノサウルスの頭骨
コラム(3) 哺乳類のような歯を持つノトスクス類の繁栄の理由
コラム(4) 完成度の高いデザイン
コラム(5) マチカネワニの謎
コラム(6) 恐竜絶滅の原因
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